建物の維持管理と改修工事
先週から私の事務所が入っているマンションの外周部分に足場が組まれて養生ネットが掛けられました。
そしてポストには、外壁や屋根、バルコニーなど外部周りの改修工事のお知らせと工事期間中のスケジュール表が投函されていて、来月末まで工事が行われるとのことでした。
このマンションは賃貸なので、所有者であるオーナーさんが維持管理をされています。
外部周りの改修工事の場合、建物全体を足場で囲う必要があり、この足場の設置費用が 大きな割合を占めるため、オーナーさんは、日頃から改修費用を積み立てているのでしょう。
これが一戸建て住宅ですと、維持管理をするのは住まい手である所有者本人となります。
私は主に住宅の設計監理をしているので、竣工して建て主様へ引渡しをする際に、維持管理の手引書とメンテナンスの 時期を記した書類などをお渡ししています。
特に、賃貸の住居から一戸建てへ住み替える建て主様へは、この維持管理について丁寧に説明しています。
もちろんこの書類は、新築に限らずリフォームやリノベーションの場合も同様にお渡ししています。
分譲マンションにお住まいの方は、管理費と修繕積立金を毎月支払って、管理組合が適切な時期に改修工事を行う仕組みになっていますが、一戸建て住宅の場合管理者が住み手ご本人であるので、毎月少額ずつ積み立てをして将来の改修工事に備えなければなりません。
日頃のメンテナンスをきちんしている家とそうでない家とは、その後雲泥の差が出てきてしまいます。
ここ最近、異常気象で大雨や大雪が降ったりして、普段なかなか気付かない屋根や雨樋、庇などが損傷するケースも増えてきています。
やはり自分達の住まいの外周部を定期的にゆっくり見て確認することが大切だと思います。
建物も人間の身体と同様、「ちょっとおかしいな。」と気付いた時の早目の対応と処置が重要なのです。