コンクリート打ち放しの要

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

最近では街を歩いていると、コンクリート打ち放しの建物を

よく見かけるようになりました。

打ち放しといっても型枠をコーティングされた黄色いベニヤ

使用して表面がツルツルに仕上げるタイプや、型枠に杉板など

の木目や節のある板材を使用してその木目や節を残す仕上げ

などいろいろあります。

そこで目にするのは、外壁に必ずある規則的に並ぶあの少し

凹んだ丸いマーク、Pコンと呼ばれるものです。

プラスチック製のコーン型部材で、壁の厚さを調整するための

鉄製棒のセパレータと呼ばれる部材と共にベニヤ板で組んだ

型枠を両側からサンドイッチにするように取り付けていきます。

コンクリートが固まったあと、ベニヤ型枠を外してPコンも取り

除き、鉄製セパレータのサビを防止するために穴をモルタルで

埋めた跡があの少し凹んだ丸いマークです。

その規則的に並ぶマークの位置を決定するために、必ず工事に

入る前に検討しています。

通常の打ち放しの場合、型枠ベニヤ1枚のサイズはだいたいが

900ミリ×1800ミリであり、それを横に貼るのか、

縦に貼るのかをまず検討しなければいけません。

デザイン面とコスト面との両方から検討します。

さらにPコンの割り付けピッチも450ミリあるいは600ミリ

にするのかも検討します。

450ミリピッチにすると、ベニヤパネル一枚に8個のPコンが、

600ミリピッチにすると、同様のPコンが6個できます。

外壁がコンクリート打ち放しである建物は、通常型枠の場合も杉板

型枠の場合も型枠の跡がそのまま外壁仕上げとして現れるので、

この型枠の割り付け検討作業はとても重要なのです。