雨戸について

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

突然ですが、皆さんのお宅には雨戸はありますか?
それはどんな雨戸ですか?

ここ最近住宅街でよく見かける雨戸は、上下に開閉するシャッター式のものですが、私は個人的にどうも好きではありません。
特にシャッターボックスと呼ばれるシャッターの収納される部分が大きくて目立つのが、その理由です。

もちろん、シャッター自体も意匠的に気に入りません。
かと言って、ちょっと昔の住宅で多く見られたアルミ製の戸袋タイプの雨戸も戸袋自体がこれまた大きくて目立つので、いいとは思えませんし、毎日一枚一枚出し入れするのが大変という話をよく聞いたりもします。

私が幼少の頃は、祖父母の家をはじめ多くの家が戸袋式の木製雨戸で、ガラス戸も網戸も木製建具だった記憶があります。

昨年に引き渡しをしました「中庭のある二世帯住宅」は、築40年の木造二階建ての建て替えで、同じように戸袋式の木製雨戸が付いていました。

ご家族の方から「新しい住まいにも防犯を考慮して大きな引き違いサッシに雨戸を付けてほしい。」とのご要望がありました。

シャッター式でも戸袋式でもない、使い易くてデザイン性も優れた雨戸はないものかと、いろいろ探してやっと見つけたのが、今回採用したジャバラ式の雨戸でした。

これですと、全開した際に窓の横に折り畳んでスッキリ納まりますし、閉めた時でも目立たずに綺麗です。
また、上部にローラーが付いているので、開閉がスムーズで楽ですし、枠と雨戸の羽根も厚みのあるアルミで頑強に出来ているため、建て主家族にも好評でした。

「雨戸」と言っても最近は、雨風をしのぐというよりも防犯を考慮して取り付けることのほうが多いようです。

実は、私の設計した住宅で雨戸を付けたのが今回がはじめてだったのです。
今まで建て主さんから雨戸の要望もありませんでしたし、今回のこの住宅も含めて大きな窓は出来る限り外部から見られない場所にしか設けませんでしたし、飛散防止フィルムを貼ることで防犯性能は確保していました。

でもやはり、私自身が今まで優れた雨戸に出会わなかったという点が大きかったのかも知れません。