木造耐火建築物

ユーザー 大島功市建築研究所 一級建築士事務所 大島功市 の写真

今回取り上げられている木造耐火建築物は、主に首都圏密集地の防火地域でも一定規模の木造の住宅が建てられますという意味合いが強いと推測致します。

以前、相談は何件かありましたが、まだ私の中でも現実的に木造での耐火建築物は実績がありません。
確かに近年、東京都の防火地域でも実績があるというお話は聞いてます。
しかしまだまだ根付いてない根拠として、予想していたよりも下がらない工事費が理由にあると思います。
私が受けた相談時も予算が厳しいので、木造でやったら安くできるのではないかという考えの方が多くいらっしゃいました。
ところが色々と調べてみると、さすがに木造で耐火を要求されているのでそれなりのことをやらなければならないのです。
ディテールの縛り、開口の制限によるプランの縛り(融通のなさ)…等々が浮き彫りになります。
内外を特殊なボードを何重にも貼って耐火性能を確保していく。
そういうことが重なり工事費のアップにつながっていくのです。

合わせて、私は木造という木のメリットが全く生かされない建築になってしまっているような気がしてなりません。
やはりその地域に合ったやり方というものがあるのでしょう。
メリットが全くないとは言いませんが…デメリットが浮き彫りになることの方が多いと私は思います。

今のところどうしても認定工法の中での木造耐火建築物ですが、その中でも下記にあるように日本木造住宅産業協会さんが色々と検討を重ね頑張ってくれてはいるようです!
私も見守っていきたいと思っております(^^ゞ

■1棟分の主要構造部の大臣認定が揃った平成18年から使用開始していますが、その後も設計の自由度を上げる為、追加で大臣認定取得を進めています。