木造住宅、9割超が「耐震性不足」
この問題は一言で言って…建物のバランスによるものだと私は思います。
勿論、地盤に対する基礎のこと、施工性のこと、木材の緊結の精度…等々が関係していることも多々あるとは思います。
しかし一番は、平面プランのバランスだと思います。
わかりやすいところで、耐力壁のことがあります。
耐力壁は多く取れば良いというものではありません。
自ずと南側は開口を多く取りたいので耐力壁が少なくなる傾向にあります。
反面、北側では耐力壁が多くなる傾向にあります。
また1階の道路面は駐車場・ピロティ等の関係で少なくなる方向にあります。
阪神大震災で倒壊した家でも前面道路側に耐力壁が少ないパターンをよく見かけました(T_T)
南側が少なくても北側に取れているから良いのでは?…という考え方は通用しません。
耐力壁が建築基準法通り取れているから良いのでは?…という考え方も疑問です。
普通の2階建ての木造住宅であれば、構造設計は意匠設計者に委ねることができます。
クライアントの希望を無理をして叶えるということも日常起こっていることが多いのではないでしょうか?
私の事務所では、平屋だろうが、2階だろうが、複雑ではなかろうが、クライアントから要望されてようがいまいが…必ず構造設計者と共にプランを進め~構造計算をするようにしております。
プランを何度も検討している最中に構造設計者さんからはバランスの話がよく出ます。
それと…現場に入ると、よく施工者さんからこんな基礎配筋は必要ないのでは?…とかこんな大きな梁じゃなくても良いのでは?…という話がよく出ます。
しかしこれはそういう問題ではありません!
建て方(上棟)の時によく感じますが…頑丈な感じ~雰囲気がします。
これはとても大切なことです。
意外と見た目の頑丈さは強さにも通じます…みなさんも今度街中で見かけた時にそういう目で見てみて下さい。
面白いものです(笑)
私の建築でもこのバランス大丈夫?と思えるような形状がありますが…それはきちんとした構造的裏付があります。
信頼を寄せられる構造設計者とチームワークはとても大切です。
そして…建築はバランスです(^^ゞ