スキップフロア

ユーザー 大島功市建築研究所 一級建築士事務所 大島功市 の写真

スキップロアにはメリットデメリットがあります。
今回は手がけた物件の中から、両方を交えながら…矢部の家とヤマザキアパートメントをご紹介します!

①矢部の家
二世帯住宅の計画。
22坪の狭小敷地にお母さんと息子さんご家族の住宅です。
お母さんの個室も含めて、要望する部屋が割りと多かったので中庭が中心のスキップフロアを考えました。
半階づつアプローチすることで各部屋へのアップダウンの感覚を軽減したく…スキップフロアは最適な選択だったと思います。
大きなワンルームが欲しいという場合ではなく、このように細かい個室が集まるプランの場合はスキップフロアは有効的な手段です。
1階にピロティ・中庭・書斎・多目的室、2階に母の個室・ユーティリティ・テラス、3階に居間・食堂・寝室、そして屋上庭園で構成されてます。

②ヤマザキアパートメント
敷地及び周辺地域は昔からの工場も残る準工業地域で、東京下町の要素を持つ場所です。
その場所に、地上3階建のクライアント住居も含む集合住宅を設計しました。
1階にクライアントの住宅、2・3階に大小の賃貸ワンルームを7戸用意しました。
廻りには高いビルも多く存在し、日照も決して良い条件ではありませんが、全ての住戸には、中央に配したコートから光・風・水の自然要素を取り込む計画としました。
1階にはなかなか光が落ちないので、半層ずらすことで生じる部分を1階のプランに取り込むことで1層半の天井の高い空間をつくることで少しでもゆったりした感じを出せたのです!
建物は、吹抜を持つコートを挟んで2つのコンクリートの箱が建つ形状を持ち、外階段がつなぐ構造となっています。
そしてこの2つの箱は半層ずれたスキップ形状でつながっています。
今の集合住宅はあまりにもプライバシーが守られ、昔あった住人間の交流がなくなり寂しく思います。
交流を願って建物の中心に、スキップした共用スペースを持つ階段・コートを配しました。

スキップフロアはこのようなプラン形態の時に威力を発揮します…お試しあれ(^^ゞ

矢部の家

ヤマザキアパートメント