べた基礎について

ユーザー マツモトケイスケ一級建築士事務所 松本啓介 の写真

基礎の方式には、べた基礎、布基礎、独立基礎などの形式があります。

たまにべた基礎にしているから頑丈で大丈夫という方もいらっしゃいますが、
(ごくまれに施工業者の方の中にもいらっしゃいます・・・。)

べた基礎だからOKということはなく、

選択される基礎方式は、地盤の耐力から導き出さなければならないことに決まっています。

さらに専門的に言うと、建物の全荷重(積雪荷重も含む。)と

基礎と地盤の接する面積との関係から決まります。

よって、べた基礎を採用しても基礎の下の地盤を改良したり

杭を打たなければならなくなったりする場合もありますのでご注意ください。

写真はべた基礎の土工事の状況写真です。

べた基礎は面で支えますので、地盤と接する面積が大きく、

建物の荷重を地面に広く伝えることができ、その分少ない地盤耐力で建築可能な基礎方式です。

凹状の部分は地中梁部分です。

べた基礎は面で支えると申しましたが、

べた基礎の面を維持するためには梁が必要になります。
(箱の蓋をイメージしていただけるとわかりやすいです。)

通常は床下部分の基礎立ち上がりが逆梁となって面を維持する

機能を果たしているのですが、床下部分すべてに立ち上がりを設けてしまうと

メンテナンスを行う時に人が床下をくまなくチェックできなくなってしまいます。

それを避けるために地中梁を設けて面を維持しています。

立ち上がりの区画毎に床下点検口を設ける方法も無くもありませんが、

断熱を切ることと、室内にぼこぼこと点検口が出るのが嫌だったので地中梁方式としています。

建物はメンテナンスのことも考えて設計しないといけません。