基礎の鉄筋について
べた基礎の鉄筋やコンクリート厚さは,
構造計算によって確かめなければならないこととなっていますが、
全建総連からでているべた基礎スパン表を参考に仕様規定によって鉄筋を決めております。
べた基礎以外にも基礎の鉄筋にはいろいろ注意するべき点がありますので紹介いたします。
鉄筋の間隔や太さの他に、特に注意したいのは「かぶり厚さ」です。
かぶり厚さとは、基礎コンクリートの面と鉄筋の面との距離のことを言います。
「かぶり厚さ」は建築基準法で以下のように決められています。
「鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、
耐力壁以外の壁又は床にあつては2cm以上、
耐力壁、柱又ははりにあつては3cm以上、
直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあつては4cm以上、
基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあつては捨コンクリートの部分を除いて
6cm以上としなければならない。」
かぶり厚さを確保することは、水、空気、酸又は塩による鉄筋の腐食を防止します。
鉄筋コンクリートの構造特性は、引っ張り力や曲げに対しては鉄筋が負担し、
圧縮力に対してはコンクリートが負担する一体となった構造要素です。
なので、かぶり厚さを確保し、鉄筋とコンクリートを有効に付着させることは
基礎の耐力を十分に発揮させるのにとても大切なことなのです。
基礎スラブのかぶり厚さはサイコロ状のコンクリートで確保します。
写真は基礎下部のかぶり厚さを確保するためのサイコロと言われているものです。
6cm確保できています。
サイコロは直方体ではなく、立方体の形状のものもあるようで、
よくサイコロの置く向きで4cmくらいになったりする場合もあるので、
サイコロの向きには注意して見ておかなければなりません。
基礎の立ち上がりでは、ドーナツと呼ばれる樹脂の輪をサポートに使います。
写真は基礎の立ち上がりのかぶり厚さを確保するドーナツと言われるものです。
ドーナツによって4cm以上確保しています。
写真上でグレーの丸い輪状のものをいたるところに配置しています。
これもいろいろなサイズがあるようなので、
しっかりとかぶり厚さが確保されているか確認する必要があります。
特に木造では、このあと16mmのアンカーボルトが設置されるので
この段階ではかぶり厚さを45mm程度は確保しておきたいところです。
最後に基礎立ち上がりの開口部について申します。
前回でべた基礎の地中梁のことを記しましたが、
地中梁を設けてあっても基礎の開口部には斜めの補強筋が必要だと思っています。
写真は斜めに配置された鉄筋
この斜めの補強筋は、梁のせん断や曲げによる
コンクリートの割れを防ぐ目的で設置します。
このように、基礎の配筋には間隔や鉄筋の太さ以外にも注意して見る点がありますので
参考としていただきたいと思います。