雪止めを意匠に取り入れた雪国の屋根デザイン。

ユーザー 株式会社ヨシダデザインワークショップ 吉田明弘 の写真

福井県は豪雪地帯です。屋根の設計には特別な配慮が必要です。雪の対処には屋根の勾配を大きくして積極的に雪を下に落とす方法と、雪を屋根の上に留めて下に落とさない方法があります。
下に落とす場合は安全への配慮や隣地への影響を考慮する場合があります。特に敷地境界が隣接している場合は周囲にある程度空地を確保しておく必要があるでしょう。屋根に留める場合は雪の荷重が構造体にかかることから、堅牢な構造となますが、雪下ろしの配慮が必要になります。転落事故なども毎年起こっていることから危険を伴う作業となります。

ここで示した事例は小学校の屋根です。通常の金属板葺きの屋根の上にさらに工事現場で使用されている安価な有孔の足場板を載せています。この納まりはあまり前例が無いものですが、以下のメリットがあります。

・勾配屋根でありながら落雪させない高い雪止め機能
・雪下ろし時の足場(屋根面に常に足場板があるのですこしづず足場を確保することができます。)
・日よけルーバー(有孔ですので、直射日光を遮りつつ穏やかな光を導きます)
・現代的でありながら日本的な印象をつくりだすことができます。

この屋根の納まりは独特のテクニックが必要で、私たちにはノウハウがあります。住宅でも可能です。ぜひご採用頂されてはいかがでしょうか。(撮影:北嶋俊治)

雪止め屋根 足場板

屋根の状況です。以外と違和感の無い「和」の感じが出ています。上部の足場板ルーバーがガラスの雪ガードとなり、直射日光除けとなりますので、トップライトを設けることも可能です。(撮影:北嶋俊治)