アウターリビングのある暮らし。
リビングがそのまま外部に繋がっている状況。
これほど気持ちが良いものはありません。若くても歳を重ねても、たとえ車椅子になっても気軽に出られる屋外。住宅では是非実現したい場所です。実現には以下の問題を解決する必要があります。
・内部と外部の床レベルを合わせる。
・極力似た色味の素材を使用して内部がそのまま外部に繋がっているようにする。
・開口部はフルハイト(床から天井まで)のサッシとして、透明な境界面を作る。
・開口部は引き戸として開放できるようにする。理想は左右の壁面に収納して完全に開放できるようにする。もしくは店舗用の引き込み戸や大型の両開き戸も可能です。
・大切なことは上記サッシのレール部分に大きな隙間ができないようにすることです。アルミサッシの既製品もありますが、大きな開口は限界があります。ここは建築家の腕の見せ所です。
・一方直射日光に配慮した庇の出やカーテンなどを設置し、開放時に収納されて見えないようにすることが開放感を左右します。
・その上で、防腐性の高い南洋材や再生木によるデッキを5ミリ程度の「隙間」を開けて浮床(プラスチック製の束で浮かせて)で作り、水はけに配慮する。
・上記から、外部のデッキ下の躯体はデッキの束立て分しっかり低くして、水勾配と防水を施す。
・雨水が外部に流れ出す排水溝(ドレイン)上部のデッキは30センチ四方程度で簡単に取り外して、溜まったゴミを清掃できるようにする。
・窓や出口際は風による雨水の吹き返しに配慮してグレーチングなどを設ける。
まだまだノウハウがありますが、いかがですか?以外といろいろ手間がかかりますが、これほど気持ちが良い場所はないでしょう。バーベキューもできます。天体観測を子供とされてはいかがですか?。パーティーの際は息抜きで外に出てワインを飲むこともできます。リクライニングチェアなんか置いて読書はいかがですか?皆さんのお宅は物干し場と化したバルコニーがありませんか?
私は「裸足で出たくなる場所を造る」つもりでいつも設計しています。(撮影:北嶋俊治)
事例はゲストハウスの中庭状のアウターリビングです。床材は木デッキ以外でも、大理石でも、タイルでも気落ちが良いアウターリビングが可能です。現在、正面の木の壁はツタが絡まり、外部には古い大きな壺が置かれています。(撮影:北嶋俊治)