ガラス壁がそのままトップライトに。

ユーザー 株式会社ヨシダデザインワークショップ 吉田明弘 の写真

壁に垂直に設けるサッシと、天井に設けるトップライトが合体すると、逆L字型のこのようなサッシになります。

このようなサッシは建築家の作品でたまに見かけますが、私の工夫は上部のトップライトに移行する角にサッシが無いこと(ガラスからガラスにそのまま切り替わる)にあります。簡単そうで遥かに難しい納まりです。失敗して依頼者に迷惑をかけている事例(私ではありません)もあります。実際、私も万全を尽くしても10年経つまで安心できませんでしたから・・・・。雨の問題、雪の問題、風の影響。あらゆる問題を解決した先に最高に気持ちが良い空間がつくれます。おかげさまで今でも良好な状態を保っています。(撮影:北嶋俊治)

なぜここまでしてこの場所をつくったのか。その答えは、この施設が認知症対応のグループホームである事が関係しています。一人で気軽に外出できない高齢者にとって、ここの窓辺はかけがえのない場所になるのです。
細かい納まりは以前のブログ「アウターリビングのある暮らし。」で述べましたが、得られる効果はこちらの方がが遥かに大きいです。今は室内も外部にも観葉植物が置かれ、いつもみなさんが穏やかに生活をされています。

このような特注サッシは既製品に比べて高価なものになりますが、「ここぞ!」という場所に実現することで、住宅の魅力を一気に高めてくれます。私としては、このようなハウスメーカーに無い魅力を作り出すことに生きがいを感じています。