軽い間仕切りスクリーン

ユーザー 株式会社ヨシダデザインワークショップ 吉田明弘 の写真

間仕切りとは室内と室内を仕切る壁のことですが、その中間に該当する言葉がありません。「スクリーン」という言葉もありますが、襖や障子が壁の代わりに使われてきた日本には言葉として定着した表現が無いように思います。

私は設計では間仕切りでも建具でもない「間仕切りスクリーン」を多用します。
理由は人間の行動のなかで通行に供する部分(通路)と団欒や作業に供する部分を、しっかりとではなく、「気配が伝わる程度に穏やかに仕切りたい」と考えているからです。

写真の事例は障子を固定したもの(破れにくいワーロン紙など)をデザイン化した桟に貼ってインテリアの一部にしています。また、木のルーバーなども使います。
(撮影:北嶋俊治)

見えるようで見えない。気配だけが伝わる。影だけが見える。など、伝統的な日本建築にある奥ゆかしさが感じられます。特に空間が狭い場合はワンルームで開放的にしがちですが、視線は遮りますが、感覚的な奥行き間を透過させる「間仕切りスクリーン」は効果的です。洋風生活が染み付いた私たち日本人の生活ですが、「奥ゆかしさ」をインテリアに持ち込むことはモダンデザインに伝統を持ち込む一つの方法ではないでしょうか。

軽い間仕切りスクリーン

障子と木桟による間仕切りスクリーン。和モダンの雰囲気です。照明器具はヤコブセンです。(撮影:吉田明弘)