工事監理について その1

ユーザー 一級建築士事務所 株式会社 竹内建築研究所 竹内健 の写真

工事監理業務について その1
建築士事務所の業務で設計業務の他に工事監理業務がありますが、一般の方々には、この業務が十分に理解されていないと思います。
しかし、実は建築主にとっては建物の品質を確保する、工事予算を管理する上で、本来とても大切な業務であるはずと思っています。
建築士というのは設計図書を作成するのみならず、その設計図書の通りに施工がなされるように工事を監理するという大切な役割があります。この工事監理という用語も時として工事管理と混同されてしまします。工事管理は施工会社が工事上での工程管理、安全管理、予算管理、品質管理などを行う意味合いがありますが、これに対して工事監理は工事を監督するものではなく、設計図書の通りであることを確認する、そうでない場合には施工会社に是正するように指示する、建築主に報告する仕事をします。
施工会社による設計・施工の体制を全て否定するものではありませんが、そもそも、そのような体制では仮に工事監理者がいたとしても施工会社の工事監理者ではきちんとした工事のチェックができるでしょうか。建築主に替わって工事をチェックする業務は施工から分離した立場にある建築士事務所が行うべき業務と思います。
私達、専業の建築士事務所は工事監理業務を通して建築主の利益を守り、そのことで社会に貢献できる、社会からの要請に応えられるのだと信じています。