ライトシェルフ(太陽光反射庇)をご存知ですか

ユーザー 株式会社ヨシダデザインワークショップ 吉田明弘 の写真

通常の窓は光をそのまま室内に取り込みます。光を取り込みたい場合はカーテンを開けて、直射日光を直接取り込むことになります。庇が十分取れていない場合は、夏は大変眩しいので昼間は一日中カーテンを閉めきることになります。室内に入射した光は床か壁に当たってしまい、反射光が室内を照らす効果は望めません。一方ライトシェルフは窓に中庇(ライトシェルフ)を設けることで,眩しい直射日光を遮蔽しつつ、窓の上部からは反射光を採り入れ,反射板で反射した光(間接光)を部屋の奥まで取り込むため、日射制御と昼光利用を両立できるのです。

写真は小学校の例です。夏の昼間の強い光は部屋内に設けた和紙のスクリーンによって障子を通した柔らかい透過光に変えます。冬場は和紙のスクリーンを傾けると、ライトシェルフの反射板に反射した日光が室内に取り込まれます。つまり、直射日光を遮ることから室内への熱負荷を低減させるので空調エネルギー削減効果が望め、反射光により人工照明に頼らずに室内照度を改善し、さらに照明エネルギー削減効果が望める一石二鳥のシステムなのです。

写真のように庇ごと室内に取り込む方法と、庇を外部に露出させる方法があります。私は反射板(庇の上面)を四季を通じて効果的に採光できる角度に設定していることから、庇の上面(反射面)が汚れて効率が落ちることを嫌って、クチバシ状の断面を持つサッシの内部に収めました。住宅の場合は、周囲が隣接する住宅に囲まれている場合など、床面から高い位置で効果的に太陽光を取り込む方法として効果的だと思います。

反射板の角度や素材、特注サッシの収まり、外観デザインとの調和など、見かけほど簡単ではありません。私は品質が問われる公共事業での実績があります。ぜひ実現されてみませんか?