”住宅工事の苦情 震災後に急増”という記事を見て想ったこと(^^ゞ

ユーザー 大島功市建築研究所 一級建築士事務所 大島功市 の写真

こんな記事を見付けました…悲しいですね…

普通につくることもできない施工業者さんが増えているみたいです(^^;)
私が普段お付き合いしている施工者さんではあり得ません…
建築に対する真摯な気持ちと理性が儲けに負けているのです。
時間とお金がないのだから、とにかくやれば何でもいいという感覚が私には理解できません(T_T)

色々な材料を組み合わせてできている建築はいつまで経っても人間の手仕事です。
それが大量生産、コスト削減、手間の削減によって増々崩れています。
予算が厳しくても建築に対する工夫と情熱を忘れず携わっていきたいものです(^^ゞ

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住宅建築や補修の欠陥などを訴える苦情が、県内で震災後に増えている。需要の高まりを受け、技術力が足りない業者が工事を請け負っていることなどが背景にあるとみられ、建築士ら関係者は「不審に思ったら第三者に工事をチェックしてもらうなどの対策を」と呼びかけている。

■「まるっきり素人」

 「早く新しい我が家で落ち着きたいという被災者心情を裏切られた。悔しい」。親子5人で暮らしていた仙台市内の自宅が震災で大規模半壊となった男性(41)は、憤りをあらわにした。

 男性は震災後、損壊した屋根や浴室、外壁の補修工事を自宅に住みながら行ってもらおうと奔走したが、「もう手いっぱい」などと断られ、知人のつてで市内の業者にたどり着いた。

 追加工事を含め約800万円を支払ったが、壁を覆うシートの張り方が雑で室内に雨風が入り込んだり、ペンキが真っすぐに塗られていなかったりするなど、工事中から多数の不備が目に付いた。契約解除を断られたため、弁護士に相談。2013年3月、裁判外紛争解決手続き(ADR)で業者が男性に300万円を支払うことで和解した。工事を引き継いだ別の業者は窓の取りつけ方などを見て、男性に「まるっきり素人の工事だ」と話したという。

 読売新聞が県に取材したところ、この業者は500万円以上の工事を行う場合、建設業法上、必要な知事の許可を得ていなかった。

■震災前年度の1.8倍

 県の消費者相談窓口に寄せられた住宅建築の欠陥などに関する苦情は、震災が起きた11年度が353件で、前年度の198件の1・8倍に増えた。12年度は333件、13年度は359件だった。「新築した住宅の床が傾いている」「震災で壊れた壁の一部を修繕してもらったが、数か月ではがれた」との訴えのほか、「配水管が壊れていると言われ、高額な見積書を渡された」といった苦情もあるという。

 公益社団法人「日本建築家協会」の東北支部(仙台市)の樋口芳文・建築相談委員長は「震災後の需要増に大工の数が追いついていない。経験の浅い大工や、にわか業者が参入してきている」と指摘する。特に500万円未満の工事の場合、行政側の許可を得なくても請け負えるため、トラブルが起きやすいという。

■第三者のチェックを

 弁護士や建築士らでつくる「欠陥住宅東北ネット」(仙台市)の平山建治代表は「問題なく工事が進んでいるかを設計事務所にチェックしてもらったり、建築現場にこまめに足を運んだりして、被害を防いでほしい」と話す。相談や問い合わせは同ネット(022・713・7791)。平日午前9時~午後5時半。

2015年05月20日 Copyright © The Yomiuri Shimbun