渡辺篤史の建もの探訪ー3つのデッキを持つ曲がり屋(大野正博、DON工房)

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建もの探訪ファン
感想: 

じいじばあばから、おじさんおばさんから、幼稚園から、立ち寄ったお店から、、
ここのところ、ぞくぞくとクリスマスのプレゼントが娘に集まる。
外国のクリスマスの朝よろしく、一同にプレゼントを開けるのも楽しかろうと、
ぐっと我慢して、飾ってみている。
私宛も、ひとつぐらい混ぜておいてくれても、いいよ。

            ◇ ◇ ◇
 
今回の建ものは「3つのデッキを持つ曲がり屋」。
http://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/backnumber/#!/2014/46
曲がり屋生活も、今は寒いだろうか。。
 
            ◇ ◇ ◇
 
ところは鎌倉。
裏には豊かな緑。
リビングダイニングを核にした、柔軟性のあるシンプルな間取り。
ゆったり、でも決して大き過ぎない心地よさ。
外での時間を楽しめる空間。
おまけに、実家と一続き。

夫と時折話す、こんなお家いいな、の要素をたっぷり含んでいた。
我が家にとっては、掘りごたつ式の「茶の間」よりもテーブルと椅子の「ダイニング」がいいし、
外の楽しみは、ウッドデッキでなくてもいいかもしれないし、
実家と一続き、は今のところ不可能だけれども。
でも、こんなひとつのお家の形、いいねえ、いいなあ、と思う。
私たちも、私たちらしいお家の形を見つけたい。
  
            ◇ ◇ ◇
 
タイトルにもあるように、この建ものは3つのデッキがチャームポイントだ。
外の楽しみをデッキで取り入れたお家。
この家を設計したDON工房さんは、こうしたデッキを配した作品を
たくさん設計されているようだった。

外だけど内の延長みたいで、内の延長だけれど完全に外だという開放感。
外を暮らしに取り込む方法として、デッキがとっても面白いと思う。
DON工房さんのWebページを楽しくみさせていただいたけれど、
その作品の中でも、中庭にデッキを配した作品はとても素敵だと思った。
部屋の中に、ぽっかり外が舞い降りたような不思議さと楽しさ。
 
でも今回のは、デッキすぎると思う。
お家の表側、茶の間からつながる正面のメインデッキは、ない方が楽しいのじゃないかと、
私は思う。
 
この建ものの茶の間は、大開口が圧巻だ。
そのままガラスをだーっと開けると、もう、だあーっと外が内になだれ込むような気がする。
もっと外を感じたければ、縁側のように設けられた庇の下のデッキに座ることができる。
それで、もう十分。
庭を見ながら、足をぶらぶらさせて座ったら、さぞ気持ちよかろうと思う。
すいかなんか頬張ったり、ごろんと横になって本でも読みたい。
今あるデッキの部分には、茶の間に入る光を優しく和らげるような木を植えたり、
玄関前の玉砂利をぐっと広げて、和風のお庭にしたり、
花火やバーベキューができるように単に無造作にしておいたり芝生にしたっていい。
こんなふうに、デッキにするのでなく、もっと「お庭」を楽しんだらいいと思うのだ。
もっとお庭を楽しめば、茶の間はもっと豊かになる気がする。
茶の間に縁側。
それで、もう十分。
 
あと2つのデッキは、それぞれとても魅力的だった。
「展望台」と名付けらた、平屋部分の屋根にちょこんとのったデッキ。
夢みたいだ。夏の夜は毎晩ここで寝たっていい。 
家の裏側に設けられたデッキ。
これも、涼しくて静かで、なかなか居心地がよさそうだ。
表の道路や近隣のお家から目に着きにくいだけでなくて、
家の中の賑やかさからも、ちょっと離れて過ごせそうなところが、
なかなかロマンがあると思う。
目隠しを兼ねて区切られた物干しスペースでなぞ、私は毎朝ヨガをしたい。
 
このところ、寒くてお外のことなぞちっとも考えたくない私だけれど、
外の気持ちのよい季節のことにしばし思いを巡らせて、楽しい気分になった。