家づくりを考えるとき、多くの方が間取りやデザインに目を向けます。
しかし、アレルギー体質のご家族がいる場合、まず優先すべきは「どんな素材で家をつくるか」です。
素材次第で、空気の質や肌に触れる感覚が大きく変わり、暮らしの快適さや健康への影響も違ってきます。
1. 住宅素材とアレルギーの関係
アレルギーの原因は人によって異なりますが、大きく分けると次の2つがあります。
化学物質由来:接着剤や塗料に含まれる揮発性有機化合物(VOC)
自然由来:カビ、ダニ、花粉、ハウスダストなど
つまり、「化学物質をできるだけ減らすこと」と「湿気やほこりをためない工夫」が重要です。
2. 壁材の選び方
壁は部屋全体を覆うため、空気質への影響がとても大きい部分です。
漆喰や珪藻土
自然素材で調湿・消臭効果があり、カビの発生を抑える効果も期待できます。
ビニールクロスは注意
安価ですが、施工時の接着剤に含まれる化学物質が気になる方もいます。
3. 床材の選び方
床は毎日肌が触れる場所。小さなお子さんやペットがいる家庭では特に慎重に選びたい部分です。
無垢フローリング
自然素材で化学物質が少なく、時間が経つほど風合いも増します。
コルクや竹材
弾力があり、アレルギー体質の方でも比較的安心して使えます。
カーペットは避ける
ダニやホコリの温床になりやすく、アレルギー症状を悪化させることがあります。
4. 塗料や接着剤
見落とされがちですが、塗料や接着剤も大切なポイントです。
F☆☆☆☆認定の建材を選ぶ
**自然塗料(オイルフィニッシュ)**を使うと、化学物質のリスクを最小限にできます。
5. 窓や断熱材も要チェック
断熱性が低いと結露が発生し、カビやダニの温床になります。
高断熱サッシ・複層ガラスで結露を防ぐ
セルロースファイバーや羊毛断熱材は調湿性能が高く、化学物質が少ない
まとめ
アレルギー体質の家族にとって、家の素材選びは「デザイン」以上に大切です。
壁は漆喰や珪藻土
床は無垢材
塗料・接着剤は低VOCのもの
断熱・窓性能を高めてカビを防ぐ
これらを組み合わせることで、家族にやさしく安心できる住まいが実現します。
住まいは長く暮らす場所だからこそ、素材への投資は健康への投資。
「見えない空気」を整えることが、アレルギー体質のご家族にとって何よりの安心につながるのです。