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昨日は、タイルの張り方について、
タイルの大きさ等によって違うんですよ。
という技術的なお話しでした。

見た目のおしゃれタイルを期待したのに!
なんて声が聞こえてきそうです(笑)

大きなタイルをアクセントで。
そういった使い方って、検索すると、
いろんな事例が出てきます。

それをご覧いただくと、たくさんの種類を
ご覧いただけると思いますよ。

一点気を付けたいのは、スケール感。
タイルを張る面の大きさとタイルの大きさ。
バランスがよくないとせっかくのタイルが。。

それってわからないと思いますので、
パートナーの設計士さんにアドバイスもらってくださいね。

では。今日は何の話なのか。
アクセントではなく、ベースとなる外壁に
タイルを採用した事例をもとにして
どんなポイントでセレクトしたのかを
参考にしていただければと思います。

まず一つ目はこちら。

白系と茶系のタイルを組み合わせています。
色は違いますが、同じ種類になります。

かなり細かいタイプで、凹凸がなくフラットに見えます。
目地が細いのも大事なポイントです。

こちらのお客様が一番に求めたこと。
とにかく、メンテナンスをしたくない。
ということで、外壁にタイルをセレクトされました。

できるだけ小さなタイルでフラットにすることで、
タイルがずれていくことを防ぎつつ、
フラットにすることで、埃なんかもつきにくくしてます。

近くでみるとタイルとわかりますが、遠目でみると、
フラットな壁に見えます。

タイルなんだけど、タイルっぽく見えない。
そんな方針であれば、こういったタイルがいいですよ。

二つ目はこちら。

向かって右側がタイルになります。
(左側は、横目地の窯業系サイディングです)

先ほどに比べると、かなり凹凸ありますよね。
しかも、タイルの大きさが入り乱れている感じで
とても表情のある外観になってます。

一つ目のタイルも検討されたのですが、
せっかくタイルを使ったので、その存在感を見せたい。
ということで、こちらのタイルとしました。

とはいえ。タイル自体は大きくないので、
先ほどどうよう、傾いたり、ずれたりはよほどないです。

こういったボーダー状のタイルであれば、
タイルらしい表情がありつつ、メンテを軽減できる
そういったことができますよね。

三つ目はこちら。

奥の黒い外壁に採用している、黒いタイルがそうです。

先ほどご紹介した二つのタイルに比べると、
タイル自体は少し大きめで、遠目で見ても、
タイルとわかります。

ちなみに。
目地を明るめにすれば、もっとタイル感は表現できますが。
こちらでは、黒い外観を実現したかったので、そうしていません。

ただ、大判というほどの大きさではないので、
こちらもメンテ性はしっかり保っています。

実は、マンションなんかでもよく使われるタイルなんですけど、
うまく取り入れれば、これくらいのクールな感じに仕上がります。

採り入れ方間違えると、マンションぽくなりますので、
ご注意くださいね。

おっと。長くなったので、ここまでにします。

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

設計実例でホームページに
掲載中の和風住宅に関して、
ご相談やご質問を
頂戴する事も多いので
ここでも少し書いておこうと思います。

昔ながらの安心感と温かみのある
日本風・純和風の家は、
旅館のようにも安らげる空間。

日本の気候や風土に適していることで
和をモチーフにした家を建てたい
考える方も多くいらっしゃいます。

事実、
おおらかに暮らしを包み込む数寄屋の家は
雑誌社からのお問い合わせも
よくいただきます。

色々ご興味を持たれている方も
お問い合わせをいただきますので
数寄屋の家・和風の家に関する
計画のポイント等。

純和風、高級住宅で
格調の高い家を目指すのであれば、
屋根の形状、屋根瓦の選定、
軒樋(のきどい)と軒受金物(というけかなもの)の
選定に気を配る事。

屋根の形状からも
和の雰囲気を醸し出す。

出来る限りシンプルにそして重厚に。

次に屋根瓦の選定。
和風や純和風の家に欠かせないのが、
和風の装いを
より一層際立たせてくれる和瓦。

中でも、鬼瓦という
鬼の顔の装飾が施された瓦。

鬼瓦には、鬼を見方に付けて
厄を払うという魔除けの意味の他にも、
建物を雨水から守るという
実用的な役割もあります。

また和瓦は、瓦職人の熟練した技術により
末永く持ついわれる
建築材料です。

末永く家を守ってくれる屋根にする為にも、
瓦選びや業者選びは
慎重に行うことをおすすめします。

軒樋と樋受金物。

和風の家を計画するには、
軒樋(のきどい)と
樋受金物(というけかなもの)の
品質やデザインにも気を配るべきです。

軒樋とは屋根の軒下に設置された
長い建材で、
屋根に降り注いだ雨水を集めて
スムーズに排水するための、
雨水の通り道です。

そしてその軒樋を受ける金物のことを
樋受金物と呼びます。

軒樋と樋受金物は
建物の見た目を左右する部材ですが
大量の雨水や酸性雨にも
耐えられる耐久性の高い素材を
選ぶように・・・・・。

外壁について。

木造の家をつくるときの
軸組み工法では
「真壁(しんかべ)工法」と
「大壁(おおかべ)工法」の
2タイプの壁の納め方があります。

真壁工法は、
意図的に柱や梁を露出させるので
重厚な和の雰囲気が
強く出せますが、
壁の厚みが薄くなるため
耐久性や気密断熱性が
低くなるというデメリットがあります。

大壁工法は、
柱や梁などの構造体を
壁や天井の中に隠す工法であり、
近年の高気密・高断熱住宅は
大壁工法にすることによって
耐久性や気密断熱性を
高く保っています。

和風の家づくりでは、
真壁工法で外壁を計画するのが
風情を生みますが、
真壁工法では
気密性能や断熱性能の
確保が困難なため、
大壁工法で計画するか
又は大壁工法の上から
真壁工法に見えるような
付け柱を設けるという
手法を考慮する事もあります。

そうすることで、
重厚な和風の外観を生み出しつつも、
気密断熱性能を確保した
住宅をつくる事が可能です。

日本風・純和風の住宅で
次のポイントとして内壁と天井。

内壁については
外壁の項目でもお話させていただきましたが、
内装においても大壁工法で
内壁をつくり、
耐久性や気密断熱性能を確保しつつ、
付け柱で真壁工法のような
和風に見せるという工夫も
一つだと思います。

そうすることで、
和風の雰囲気を壊さないで、
冬暖かく夏涼しい
現代の環境に応じつつも
暮らしに違和感の無い住宅を
手に入れる事ができます。

天井について。
純和風の家にするのであれば、
折上格天井(おりあげごうてんじょう)や
竿縁天井(さおぶちてんじょう)といった
格式高い和風デザインの
天井を取り入れることも
視野に入れてみてください。

折上格天井とは
碁盤目に組んだ角材の上に
裏板を張った天井で、
中央部が一段高くなっている
重厚なつくりの天井です。

竿縁天井とは、壁面の上端に沿って
備えつけた回り縁に「竿縁」と呼ばれる
細い横木を等間隔で平行に通し、
その上に天井板を乗せた天井であり、
日本建築で一般的に用いられる
伝統的な和室天井です。

間取りについて。

日本風・純和風の住宅として
家をつくる間取りのポイントとして、
洋風の空間を計画する場合と
縁側について・。

洋風の空間を計画する場合、
外観が和風の家でも、
内装に洋風テイストを
取り入れることはよくあります。

例えば、
和のテイストをメインとした上で
洋風テイストや
現代的なイメージを取り入れる
和モダンな部屋では、
フローリングに
ソファーやダイニングテーブルを
設置するといったような、
洋風のインテリアを
おしゃれに楽しむことも可能です。

洋風の空間を取り入れたい場合は、
完全に和風にする空間と、
洋風テイストを取り入れる空間の
エリアをどのように分けて、
雰囲気を愉しむのかも
計画的に間取りの設計を行うように。

縁側や広縁の存在。

和風の家屋の多くには
昔から「縁側」や「広縁(ひろえん)」といった
日本家屋独特の空間が設けられていますよね。

一般的な縁側は
幅が約90㎝程度のもので、
幅が120㎝ほどになる縁側を
広縁と呼びます。

縁側には部屋と部屋を
行き来する廊下の役割や、
現代的に言うと「ダブルスキン」のような
温度を調節する
機能がありますが、
その他にもイスや
テーブルを置いて
和の空間で
テラスのような空間として
利用することもできます。

日本風・純和風の住宅を
計画する為に大事な玄関の趣。

引き違いの格子戸、
飾り棚、奥行きについて。

引き違いの格子戸。

純和風の玄関扉といえば、
伝統的な和風のデザインである
引き違いの格子戸を
取り入れる事で
全体の雰囲気も・・・・・。

大きな引き違い、
又は引き分け格子戸を
設置するには、
玄関の幅は1間半〜2間(約2.7m〜3.6m)
程度必要となります。

引き違いの格子戸は
その雰囲気が
和風住宅にマッチして見栄えも良く、
通気性も優れている反面、
防犯面が心配な方も
多いかと思います。

そういった場合は、
二重扉にするなど
工夫をすることで防犯性を確保しつつ、
格子戸を閉めたままでも
風を通すことができます。

飾り棚の雰囲気。

玄関の壁は、
和風のインテリアを演出するのに
最も効果的な場所です。

玄関やホールの壁に
飾り棚を設置することで、
季節の花を飾ったり
焼き物や和装を飾る等
日々変化のある玄関の装いを
楽しむことができます。

あまり多くをという事でなくて
余白を引き算でデザインして
凛とした演出を
楽しんでみてください。

ライフスタイルにあわせて
空間の比率を
どのように考えるべきなのか?

それによって和の趣も
居心地も随分変わります。

日常にどのような和の世界観を
表現し暮らしを愉しむのか?

和風の家での
過ごし方の質的な向上に
つながると思いますよ。

暮らしの空間を丁寧に考えてみませんか?

住まいの設計・デザイン
新築・リフォーム・建て替え等
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建築家 山口哲央
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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ユーザー なかしま4587 の写真





お仕事を依頼した建築家:
 
川島建築事務所
 
建築家相談依頼サービスに投稿する前にどんなことで悩んでいましたか?:
 
用途変更
 
なにで建築家相談依頼サービスを知りましたか?検索エンジンからの場合は検索に使ったキーワードを教えていただければ幸いです:
 
用途変更 設計事務所
 
建築家依頼サービスを知ってすぐに投稿しましまたか?もし投稿しなかった場合はどんなことが不安になりましたか?:
 
しました。
 
いろいろなサイトがある中でなにが決め手となって建築家相談依頼サービスに投稿しましたか?:
 
レスポンスがありそう
 
実際に投稿してみていかがでしたか?:
 
レスポンスが早かった
 
現在はどの段階でしょうか?:
 
竣工しました、
その他、引き続き依頼中
 

I-4075、パチンコ店跡の建物を劇場として使用(和歌山県)

ユーザー みのる4075 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
和歌山県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

パチンコ店跡の建物を劇場として使用することを考えています。
そのための用途変更が必要だと思われますが、どなたかお見積りをお願いできないでしょうか。
場所は、和歌山県の物件です。
建築図面無し。
検査済証無し。
の状態です。
 
建築家の所在地について:
建築家の所在地にはこだわらない





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

ついに!外壁のお話しが30話になりました。

ほんと、いろんな素材がありますし、
いいところや気になるところってありますから。

先日から、タイルのお話しですよね。
長い目で見ると、コスパはいい。
そんなお話しでしたね。

今日も、引き続きタイルのお話ししていきます。

タイルっていうと、壁に対して、
どんなふうに張り付けると思いますか?

なんとなくイメージありそうな方法としては、
壁にモルタルを塗っておいて、そこにタイルを押し付ける。
そんな感じではないでしょうか?

もちろん、モルタルを使って固定していく。
それも一つの方法です。

ただ、最近、木造の場合は、モルタルではなくて、
専用の接着剤を使うことが多くなってきました。

接着剤っていうと、心配がられる方もいるのですが、
かなり強力な専用のタイプなので、安心ください。

モルタルは、不陸が起こることもあるので、
そういう意味では、接着剤の方がよいかもしれません。

ただ。
タイルの大きさや種類によって、何で固定するかは
変わってきますので、メーカー推奨の方法がよいですが。

それと。
最近、外壁に、大きなサイズのタイルを張る。
そんなケースが増えてきています。

全面ではなく、アクセントで玄関周りだけとかでしょうか。

そんな風に、大きなタイルを張る場合、
接着剤やモルタル単体で固定するのは、
あまり好ましくありません。

一枚の重さが相当あると、接着能力だけでは
不足することがあるからです。

なので。
その重さを接着に頼りすぎないよう、
大き目のタイルを張る場合は、
金物を使う方法を採用することが多いです。

いろんな工法があるのですが、大まかにいえば。
L型の金物を躯体に固定して、
その金物の上に、タイルを載せながら接着する。
そんなイメージになります。

重さを接着だけでなく、金具にも負担させることで、
下がってしまう可能性を限りなく少なくしています。

お客様から、この工法で!
というのもおかしな話なので、大きなタイルを使う場合は、
施工する会社に、メーカーが推奨している方法でお願いしますね。
って伝えればわかるかなと思います。

その一言でもあれば、メーカーに確認してくれて、
適切に工事してくれるでしょうから。

いろいろありますね。

ユーザー 大島功市建築研究所 一級建築士事務所 大島功市 の写真

昨日、地鎮祭が執り行われ工事がスタートしたつくば市の大曽根の家…正にこの土地は市街化調整区域にあります。
市街化調整区域かどうかを調べるのはまずは行政に出向き都市計画課という部署で用途地域というものを調べれば、その敷地が市街化調整区域かどうかがわかります。
市街化調整区域では市街化区域のように何もかも自由に建てられるわけではないので入念な調査が必要です!
特に土地を購入する際などには注意して下さい(*^ω^*)

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

人生の潤いを生み出す暮らしの空間を

設計デザインのチカラで・・・・・。

やまぐち建築設計室ホームページ 
https://www.y-kenchiku.jp/

よく考えられた家を建てると

暮らしが楽しくなる。

家庭環境をデザインする事は大切。

環境によって人の生活は

随分と変わります。

例えば水まわりの件等。

リビング中心の話しが

多くなりがちですが

基本的に住むための要素は

優先順位をつけたとしても

それぞれ大切な場所です・・・・・。

サニタリーに

少し余裕を持たせて

洗面や洗濯以外にも

家事が出来るスペースを備える事。

アイロン掛けをしたり、

洗濯物をたたんだり

リラックスして化粧の出来る

スペースがあったり、

何もないスペースをつくり

将来の変化に対応する

フリーエリアを用意しておいたり。

そういったスペースに

余裕があると多用途に使えます。

そして収納。

洗濯し終えた物を収納したり

日用使いする品物を収納したり。

そこから間取りの範囲に

連動させて

壁を一つ隔てると

キッチンにつながったり

家事動線が短い住まいのカタチ

または家事動線と生活動線が

程よいリンクを持つ間取りを

考えたり・・・・。

既製品の洗面化粧台であっても

それに揃えるように、

空間をコーディネートする事で

バックヤード的な空間も

居心地の底上げをすることで

家事の時間も変化します。

それだけ人は環境に左右されますから。

想像を働かせると

何が効率が良いのか、

快適なのか?

という事をシミュレーションが出来ます。

住まいには、

考察すべきスペースは沢山ありますね。

サニタリーを

どこに配置するか?。

それだけでも

居心地の考え方は変わりますよ。

心地よさと上質を

程よく兼ね備える

仕掛けの基本を丁寧に。

ご相談、面談のご希望は

ホームページ「お問い合わせ」から。

Produce Your Dream>>>>>

建て主目線+αの提案・・・・・。

明日の暮らしを設計する

建築と住まいとその暮らしを豊かに

URL(ホームページ)

http://www.y-kenchiku.jp/

<<<Yamaguchi Architect Office

ベイウインドウ清澄白河

●設計事例の所在地: 
東京都江東区
●面積(坪): 
74
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

アートな街と下町情緒が混在する清澄白河に出窓(ベイウインドウ)を持つ賃貸集合住宅を計画しました。人がくつろげるほどの大きさの出窓はギャラリースペースとしての役割を持ち、住人の個性が街にあふれだします。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

依頼主は江戸時代から続く老舗の染物屋さん。賃貸集合住宅を計画するにあたって、清澄白河の街を愛する依頼主は、ハウスメーカーや大手ディベッロパーが持ってくる計画に物足りなさを感じていた。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

株式会社河原泰建築研究室の提案に共感を覚え、家族全員が賛同した。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

ターゲットをDINKSまたはSOHO利用者と想定し、アネックスルームを備えた2LDKを3部屋、ロフトを備えたワンルームを1部屋計画した。路面となる1階はテナントスペースとしている。

依頼者の声: 

テナントと2LDKは募集と同時に入居者が決まった。ワンルームは特徴のある部屋なので、やや時間がかかったが、今は満室状態が続いている。

その他の画像: 

江戸時代の清澄の下町情緒から着想を得た出窓は、街に個性があふれ出す

2LDKの内観。正面が出窓

出窓は人がくつろげる大きさ

清澄の街を眺める出窓は、夜にお酒を飲む場所となる。

最上階のロフトのある部屋

ロフトから部屋の中を見る

1階はテナントスペースとなっている

アネックスルームからは桜とスカイツリーが同時に眺められる

街並みに寄与する建物

北側の川から見る

国立の家 ~土地高低差活用住宅~

●設計事例の所在地: 
東京都国立市
●面積(坪): 
171.68㎡(51.93坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

敷地の周辺は、どこも道路から1.2m程高くなっていますが、土地を分譲する会社が駐車場用に、道路から奥行一台分、道路レベルに下げて、3区画で販売した、その中央の土地が対象の区画です。間口(東西幅)は6.6mの敷地です。

建て主さんが参考にと、この住宅になる前、他所から提案頂いた案を複数見せて頂きましたが、どれも道路際に駐車場を設けその奥に建物を建てる案でした。駐車場を設けたため南側に寄せる案で、南からの陽ざしは期待できませんでした。

敷地内の段差(崖)は、不動産の観点からみると悪条件にもなりますが、活用次第では利点にもなります。
今回はその段差を構成する高い地盤を、建物北端まで延長し、建物の東西を囲むことで、車庫階を地階扱いにし、道路側を3層建て、奥の高いレベルの土地部分は2階建てとしました。
駐車場は、地下扱いの開放された車庫で、道路までの縦列駐車で2台分確保し、地階入りの玄関としました。

当初から強いご希望のあった中庭は、東側開放のコの字型の中庭として12.5畳ほど確保し、南側に平屋の客室を寄せ、その屋根越しに冬至の陽光が居間食堂に入る、地下1階地上2階建てです。

駐車スペースは予算削減のためシャッターのない開放車庫です。車庫の奥行きは上の階の間仕切りに合わせ、高い敷地を少し削って、道路から縦列で二台分を確保しました。上の階の保温のため車庫天井と周囲のコンクリート壁を上から60㎝分の高さを、コンクリートと似た仕上げ素材の断熱材を探して覆ったため、壁の途中に段差が生じています。

将来設置可能とするエレベータースペースを各階に設け、道路からバリアーフリーのアクセスを可能としています。各階で階段横に収納やワークスペースを設け、将来用エレベータースペースとしています。

その隣の階段は、風通しの良い、蹴込み板のない階段としていています。

廊下の向こうは居間です。廊下の途中は壁厚を利用して本棚を仕込んでいます。

南境界に寄せた平屋建ての客間は、居間・食堂との間に中庭を設け、客室の屋根越しに居間へ陽光が入る配置にしました。
屋根を南隣家の窓から居間が見えない、かつ冬至の陽光が屋根越しに入る高さとしています。中庭の広さを3間×3間に満たなかったので、東側を開放したコの字型の中庭とし、その殆どをデッキスペースにし、解放された境界はウッドフェンスを立て、前に植栽を施しました。

居間と中庭が一体化するように床レベルを合わせ、冬至でも日差しがたっぷり入り、植栽も目に入ってきます。

夏は居間の上の階のベランダで陽射しは遮られ、中には入りません。このように日差しに対するこだわりは、設計者によって大きな違いが出る要素かもしれません。

居間の天井高を確保するため、その上の2階の子供室を2階床レベルより80㎝程持ち上げ、その個室への階段の段板間を透かし、1階と2階の気配の感じ合う仕掛けにしています。
断熱の効果と透かした階段効果により、外部の音は遮断され、内部の音は近く感じることができる住まいとなりました。

食卓には東の窓から朝日が差し、北側の窓は熱損失が大きいので、小さめのピクチャーウインドウとし、道路向かいの緑を借景にして、暮らしに彩を演出しました。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

・土地に高低差があり、建物を建てられる面積が少ない
・中庭がほしい

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

これまで依頼してきた敷地に対して、高低差の高い敷地(南側)に寄せて建物を建てたプランを提示されてきたが、何かピンとこなかった。今回結設計では道路側の低い敷地も利用してビルトインガレージとすることで、逆に高低差を活用したプランとすることができました。
窓を閉めれば外の騒音はシャットアウトされ、リビングに設けたスキップ階段から聞こえる3階の子供たちの声は、姿が見えなくても存在を感じられる空間となっています。

ガレージ内で乗り降りしやすくするために少し広げた壁位置は、そのまま2階リビングも広げることで、中庭からの日差しがよりリビングに入りやすくなり、空間にゆとりをうむことができました。

本が多い建て主には、リビング近くの廊下に壁厚を利用した本棚を設けることで、読みたい時にすぐに手に取ることができる収納を設けました。

完全にプライベート空間となる中庭は、四季を感じる空間となります。

その他の画像: 

I-4074、集合(賃貸併用)住宅の建替(東京都)

ユーザー オレンジ の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
東京都
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

お世話になります。
東京都世田谷区の集合(賃貸併用)住宅の建替を検討しています。
賃貸併用住宅にお強く、収支の相談にも乗ってくださる事務所を希望したいです。
現在は築44年鉄骨4階建て、1階が自宅、2~4階が賃貸です。
建替では、予算に応じて3階OR4階、自宅は最上階にしたい所存です。
建築費高騰の折、なかなか厳しいとは存じますが、予算は1億前後です。
ハウスメーカー数社とも話をしていますが、通り一辺倒のデザインなどで心が動きません。
同じ予算をかけるなら、他とは差別化したデザイン&性能で賃貸経営したいと考えます。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する





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