●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
住宅密集地にあり、地区計画上、耐火構造であることが求められました。また、近くを通る幹線道路からの遮音対策も考え、RC造(鉄筋コンクリート造)としました。RC造は木造と比べて柱間の距離を大きくとれるので、大らかな生活スタイルの建て主にふさわしいスケール感を出すことができました。
冬は陽光を家の奥まで届け、夏は強い日差しを家の外で遮るために、大きな開口と深い庇、そして、家の中心にコート状のルーフテラスを設けました。家の中心にルーフテラスがあると、そこから下に光を落としていくことができるのです。
RC造のメリットや建て主の要望を収斂していった結果、屋根や天井が「つばさ」を広げたような形状となり、大らかな家族を表現するのに相応しいものとなりました。
「つばさ」を仰ぐと、周囲から覗かれる心配なく空が垣間見え、住宅が密集しているとは思えない「のびやかな」空間に仕立て上げることができました。