がけ条例回避のための緩和規定活用術
がけ条例とは?
がけ条例とは崖の付近に家を建てる際に、崖が崩れた場合のことを想定して
崖から一定の距離を離しなさいという主旨の条例です。
条例なので地域によって微妙に条文や細かい数字・緩和規定などが違います。
しかし、敷地が狭いので規定の距離を離すことができない……。
結果的に建物が建たない……という場合があります。
そんなときにはがけ条例に記載されている緩和規定を利用することで建築可能になる場合があります。
ハウスメーカーや工務店から
「この土地にはがけ条例がかかっているので家は建ちません」
といわれて困っている方は、がけ条例に詳しい建築家に相談してみることをおすすめします。
下記の文章は千葉県のがけ条例を読んで、まとめました。
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenchiku/houritsu/gake.html
地域によって緩和規定も違いますので、詳しいことはぜひお近くの建築家にご相談ください。
がけ条例の緩和規定
1.がけの下に建築物を建築する場合において、次のいずれかに該当するとき。
a.建築物の外壁及び構造耐力上主要な部分(がけの崩壊による衝撃を受けるおそれのない部分を除く。)を鉄筋コンクリート造(がけの崩壊による衝撃に対し破壊を生じないものに限る。)その他これと同等以上の耐力を有する構造とし、かつ、必要に応じ当該外壁の開口部からの土砂の流入を防止するための有効な壁等を設置するとき。
「建築物の外壁及び構造耐力上主要な部分」を鉄筋コンクリート造にすることで緩和を受けることができます。
なので家全体が鉄筋コンクリート造でがけ崩れの影響を受けそうな部分に窓などの開口部を設けなければがけ条例の問題をクリアできます。
木造の場合でも、がけの崩壊による衝撃を受けるおそれのある部分の基礎コンクリートを高くすれば可能です。
また、一階だけががけの崩壊による衝撃を受けるおそれの場合は、一階部分を鉄筋コンクリート造・二階を木造にした混構造なども建築可能になります。
b.がけと建築物との間に、がけの崩壊に対して建築物の安全上支障のない塀等が設置されているとき。
がけと建築物の間に「建築物の安全上支障のない塀等」を設置することで建築可能になります。
一般的に「待受擁壁」と言われています。
2.建築物を建築する場合において、建築物の位置ががけから相当の距離にあり、がけの崩壊に対して安全であるとき。
「建築物の位置ががけから相当の距離」について、千葉県のがけ条例の文章を読んでいると2つの例が紹介されています。
1、がけと建物の間に谷や川がある
2、崖の下端から50m以上、離れている
上記に2点に該当する場合は、事前に相談すれば緩和してもらえる可能性があります。
また、基礎を深くしたり、杭などによってがけの崩壊に対して安全である場合は緩和されます。
下記のページは福岡県のがけ条例を参考に作成したページですが、千葉県でも同じように緩和されると思います。
がけ条例と安息角
3.建築物を建築する場合において、構造耐力上安全な擁壁が設置されているとき。
構造上、安全な擁壁を設置すれば、がけ崩れの恐れはなくなりますのでがけ条例も緩和されます。
4.建築物を建築する場合において、がけの形状及び土質により、がけの崩壊のおそれがないとき。
土質などの調査を行ってがけの崩壊の恐れがないときはがけ条例が緩和されます。
緩和規定についての注意点
千葉県のがけ条例を読みながら解説しましたが、がけ条例は地域によって違います。
似たような緩和規定があることが多いのですが、がけ条例を回避することが目的ではなく、建物の安全性を確保することが重要です。
詳しくはがけ条例に詳しい建築家にご相談ください。
がけ条例・メニュー
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