どの場所からもアクセスしやすいアイランドキッチン・スピカ建築工房 一級建築士事務所 滝川 良子さん


 
アイランドキッチンはどの場所からもアクセスしやすいため、ご家族やお友達と大勢で作業をしたり、お料理教室の開催にも向いています。
 
アイランドキッチンについてスピカ建築工房 一級建築士事務所 滝川 良子さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー スピカ建築工房 一級建築士事務所 滝川良子 の写真
目黒区下目黒3-5-22
03-6786-3319

 

アイランドキッチンとはなんですか?

 
キッチンには皆さんお使いの「シンク」「コンロ」など調理に必要な機器がありますが、それらを使いやすくまとめたモノの総称を「キッチンセット」、メーカーなどでビルトイン(機器を組み込むこと)したセットを「システムキッチン」と呼んでいます。
 
システムキッチンの中には、I型(一列のセットの中にシンク・コンロ搭載)/2列平行型(シンク・コンロがそれぞれの台に搭載され、分かれている)/L型やコの字(文字通りの形の台にシンク・コンロが搭載)などがありますが、アイランド=島という事で、キッチンやリビングダイニング内で壁に面せずに、独立しているキッチンセットのことを指しています。
 

アイランドキッチンのメリット・デメリットを教えて下さい

 
アイランド型はその回遊性が最大のメリットだと思います。
キッチンのどの場所からもアクセスしやすいため、ご家族やお友達と大勢で作業をしたり、お料理教室の開催にも向いていますね。
またオープンな分、開放感も大きく空間の一体感を作りやすいと言えます。
 
デメリットとしては、やはり回遊性がある分、場所を必要とする事でしょうか。
コンロ前や脇に壁面がないため、収納も少なくなります。
また、小さなお子さんのいらっしゃる家庭では、コンロ脇の注意も必要になると思います。
 

アイランドキッチンの排気はどのようにしていますか?

 
コンロ上にアイランド用のレンジフードを設置する事が一般的です。
天井裏にダクトを設けて外部に排気させるので、天井に懐(天井とその上の階の床とのスキマ)がある程度必要になりますし、梁の高さなども考慮する必要があります。
 

アイランドキッチンの油はね対策はどのようにしていますか?

 
コンロ前に耐熱ガラスのパーティションを設置する事もありますが、アイランドにする場合は一般的なキッチンの奥行き(65㎝)よりも大きくするため(75~95㎝)、敢えて何もしない場合もあります。
この辺りは設計段階でお客様と話しながら決めています。
 

アイランドキッチンの収納はどうしていますか?

 
アイランドの下部の収納+背面に収納というパーターンになりますが、小さくても出来るだけパントリーを設ける事が多いです。
 
オープンなキッチン全般に言えますが、どうしても収納が少なくなりがちですし、0.75畳や畳半分くらいのスペースでも、パントリーがあると便利です。
 

アイランドキッチンの価格はどれくらいですか?

 
メーカーのシステムキッチンも価格帯に幅があり、一概にお答えできませんが、メーカーキッチンでシンク・コンロ有りのアイランド部分のみで170万位?でしょうか。
もちろん、面材や天板の仕様、水栓、レンジフードなどもかなり金額に幅がありますので、金額は目安と考えていただいた方が良いです。
 
また、大工造作で下部オープンなアイランドキッチンを作り、少しコスト削減を図る方法もあります。
 

「オトナナチュラル♪キッチンがまんなかのいえ」でアイランドキッチンを採用した理由を教えて下さい

 
共働きの子育て世帯で、日々の家事負担を減らしながらもインテリアにもこだわりたいというお客様でした。
仕事から帰り、食事の支度をしながらお子さんの様子も見渡せる間取りをご希望だった事もあり、アイランドキッチンとしました。
 
キッチンに立つと部屋全体が見渡せる間取りですが、あえて対面のレイアウトとせず、ダイニングをキッチン並びとしてサーブしやすく、対面とオープンキッチンの良さを取り入れています。
また、コストの関係と手元の乱雑さを隠すために、普通のI型キッチンを使用してアイランドとしています。
 

アイランドキッチンを希望する方にアドバイスがあればお願いします

 
アイランドキッチンは開放的で憧れる部分も大きく、ご希望される方も多いと思います。
反面、収納や自分たちに使いこなせるか、、、と打合せ時に心配される方も多いです。
 
特に狭小住宅で取り入れる場合には、収納の問題や換気などにも気をつける必要があります。
また、かなりオープンなキッチンになりますので、特に乱雑になりがちなキッチンの手元をどうするか、、、など、暮らす上でご自分たちが何を許容できるかをよく考えて設計者と話し合う事が大切だと感じます。
 
特にコンロ部分の汚れは、料理の頻度やメニューの種類でも変わりますし、お掃除のハードルを心配される方には、2列平行キッチンとして、コンロを背面に、シンクと作業部分をアイランドにするなどでも良いと思います。
 
キッチンの配列はそのタイプにもメリットデメリット、向き不向きなどがありますが、憧れる場所でもあるので、ご自分たちの夢を実現できるよう設計者とよく打合せをしてくださいね。
何よりも気に入ったキッチンは、日々の暮らしが楽しく気分も上がります!
 
 

スピカ建築工房 一級建築士事務所 滝川 良子さんのアイランドキッチン・設計事例

   

画像 建物の名称 紹介文
オトナナチュラル♪キッチンがまんなかのいえ

仕事帰りにお子さんと帰宅後に、全ての家事を行えるよう、1階に寝室、将来的なお子さんの部屋を配し、2階に水廻り+リビングダイニングを計画しました。南北に長い敷地を活かし、2階はワンルーム的に扱い、南北の風の通りを良くしています。