コンプラストコンクリート・インタビュー・大島功市建築研究所 大島功市さん


 
コンクリートをつくる時に水、セメント、砂利、砂と一緒に直接入れて、躯体全体を防水しようとするコンプラストというイギリス(英国)製の材料を混入したコンクリートをコンプラストコンクリートと言います。
コンプラストコンクリートについて大島功市建築研究所 大島功市さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 大島功市建築研究所 一級建築士事務所 大島功市 の写真
東京都国分寺市東元町3-19-9本多ナンバーワン(東京事務所)/茨城県水戸市千波町464-39 A棟103(茨城事務所)
042-326-2233

 

コンプラストコンクリートとは何ですか?

 
コンクリートをつくる時に水、セメント、砂利、砂と一緒に直接入れて、躯体全体を防水しようとするコンプラストというイギリス(英国)製の材料を混入したコンクリート…それを私が独自にコンプラストコンクリートと呼んでます。
 
日本で規格になっているコンクリートとはちょっと違います。
コンプラストは無機性の材料で正式名称は”非空気連行性躯体防水用減水剤”と言います。
 
簡単に言うと…水と空気の少ない高密度で高強度のコンクリートをつくるための材料です。
コンプラストは世界各国で使われていますが日本ではあまり使われていません(T_T)
 

貴社がコンプラストコンクリートを採用したきっかけがありましたら教えて下さい。

 
きっかけは、私が1999年に独立し建築家としてスタートしてからちょっと経った2002年…4件目に設計させて頂いた竜ヶ崎の家から始まります。
 
境界を越えて色々な人たちに読んでもらいたいので…なるべくわかりやすく読みやすくお話したいなと思います(^^ゞ
 
竜ヶ崎の家のご夫妻とは今でもお酒を酌み交わす仲で、完成した当時から長いお付き合いをさせて頂いてます。
 
当時まだコンクリートの知識があまりない私が必死で取り組んだ建築です。
 
勿論今でも当時と変わらない気持ちで建築には取り組んでますが、今でも竜ヶ崎の家のコンクリートは大好きです。
 
現在…大島功市建築研究所がつくるコンクリートはコンクリートの師匠との出会いから始まります。
 
(有)シマダの島田さんとの出会いです。私が今でも頼りにしているコンクリートの師匠です。
 
島田さんはいつも世界最高のコンクリートをつくろうと…情熱を持って取り組んでいる方です!
 
当時、竜ヶ崎の家は設計が終わり施工業者さんを決めるための見積りという作業に入ってました。
 
工事金額が予算をオーバーしていて色々と頭を悩ませているときに、ふとしたきっかけで事務所で初めてお会いしたのが島田さんだったのです。
 
見積り検討の中にも含まれていた…屋根(屋上)の防水の相談でした…防水というのは雨が漏らないようにするための工事です。
 
竜ヶ崎の家だけでなく、これからどういう方法でいくのが一番良いのか悩んでました。
 
昔から…その当時でも…主流はアスファルト防水でした。このアスファルト防水はとても信頼性のある防水なのですが有機性で臭いもきつい…そんな材料でした。
 
そんな時に出会ったコンプラストが私の建築人生を変えたのです!
 

 
 

混和剤とは何ですか?

 
コンクリートなどに特別の性質を与えるために練り混ぜの前、または練り混ぜ中に加えられるセメント、水、骨材以外の材料です。
 
混和材の中で使用量が少なく、それ自体の容積がコンクリートの練上り容積に算入されないものを言います。
 
代表的なものにAE剤、AE減水剤などがあります。
 

減水剤とは何ですか?

 
一般にコンクリートの強度は水セメント比(セメントに対する水の使用量)に依存し、使用水量が少ない程強度は向上しますが作業性(流動性)は逆に低下します。
 
減水剤は界面活性剤の一種で、コンクリートに混和することにより作業性を損なうことなく使用水量を減少させることができる混和材料です。
 
またこのような減水効果に加え、コンクリート中に微細な気泡を連行するものはAE減水剤と呼ばれます。
 

一般的なコンクリートと比べてどんなメリットがありますか?

 
色々な意味で…一般的なコンクリートはコンプラストコンクリートには敵いません。
 
出来上がったコンクリートは粘りのあるトロッとしたものになります。
 
その粘りのあるコンクリートが鉄筋にも絡みつき、そして付着し一体となります。
 
コンクリート構造だけではなく、木造の基礎でもその威力を発揮します。
 
私は木造の基礎にもコンプラストコンクリートを使ってます。
 
 
専門的な言葉を使うと以下のようなことが言えます。
 
コンプラストは脱糖安定処理されたリグニンスルフォン酸塩をベースとする非空気連行性減水剤(減水率12~23%)で、余計な空気の連行がないために強度、密度を飛躍的に向上させます。
コンクリートが高密度になるために中性化の進行が遅くなり、コンクリート構造物の寿命をのばし、結果的にライフサイクル・コストを低くおさえる働きを担います。
 
コンクリート躯体内の毛細管を閉塞させる不透水性ゲルの形成を助長し、防水性はもとより、塩害や凍結融解にも強く、収縮によるクラックを最低限に押さえます。
 

 

コンプラストコンクリートと一般的なコンクリートの価格差はどれくらいでしょうか?

 
コンプラストコンクリートはプラントさんでAE減水剤を入れずに出荷して頂いた…セメント+砂利+砂+水だけでできているプレーンコンクリートにコンプラストを入れてつくります。
 
ということで、AE減水剤の代わりに入れるものなので、コンクリート自体の価格はさほど変わらないと言って良いと思います。
 
しかしそのノウハウ、技術を含めた施工費にお金がかかります。
 
防水工事は建物工法、規模、手法によって金額が大きく変わってくるので…一概に価格差がどのくらいかはうまく説明できません。

全てに当てはまるわけではありませんが、簡単にわかりやすく言うのであれば、建物に防水をするお金をコンクリート自体に使うという感覚です。
 

コンプラストコンクリートはどのような場合に適していますか?

 
全ての場合に有効と考えますが…特に寒冷地、塩害地域等の厳しい環境下でその性能を発揮します。
 
出来上がった時点というよりは、後年に威力がわかります。
 

 

大島功市建築研究所 大島功市さんのコンプラストコンクリート・設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
ニュータウンの中の小さな抵抗~竜ヶ崎の家 http://www.geocities.jp/ohkokk/ryuugasaki.html

夫婦2人のために用意された"竜ヶ崎の家"は、閑静な住宅街である竜ヶ崎ニュータウンに建つ。
プライバシーを保ちながらの生活を確保するため、外部には閉じた無愛想な表情を持つが、内部にはプライベート空間である中庭を配し、大開口を確保した明るい空間が広がる。

屋上まで続く階段のある家(自由が丘の家)http://www.geocities.jp/ohkokk/jiyuugaoka.html

内外コンクリート打放しを基本に各階にメリハリをつけた設計を心がけた
屋上で畑をやりたいという要望からどの階からも屋上へアクセスできるように配慮した
コンクリートと木の2種類の素材のみを使って内装をシンプルに考えた

2つの中庭と大きなデッキスペースのある家(渋谷の家)http://www.geocities.jp/ohkokk/sibuya.html

日々安心できる家が欲しい…高齢者の同居を考えた家…
家族一人一人動線がぶつからないようにプランを考え続けた!
メンテナンスのしやすいシンプルなコンクリート打放し建築を目指しました!

屋上緑化の家(高円寺の家)http://www.geocities.jp/ohkokk/kouenjinoie.html

施工が難しい…地下を造りたいので施工する上でも工夫されたプランを造ってもらいたい
コンクリート躯体で勝負した!

地下と中庭が一体となった家(秋葉町の家)

法規制が厳しい一種低層地域で、斜線関係が厳しい中、階高を工夫しながら地下1階・地上2階のボリュームを外部空間を取り込みながら考えた。
冷暖房は輻射を利用したPS冷暖房を採用…冷温水を流すことで冷暖房をしている。