耐火性、耐震性、吸放湿性などの環境調整機能のすべてを兼ね備えた土壁・高野量平アーキテクツ 一級建築士事務所 高野 量平さん
土壁は単体で耐火性、耐震性、吸放湿性などの環境調整機能のすべてを兼ね備えた優れた構法です。
土壁について高野量平アーキテクツ 一級建築士事務所 高野 量平さんに伺いました。
土壁とはなんですか
竹で編んだ「木舞」という下地に、藁すさを混ぜた粘土を6cm以上の厚さに塗りつけた「荒壁」を作り、その上に土や漆喰を塗って仕上げた壁です。
貴社が土壁の家を手がけるようになったきっかけがありましたら教えてください
民家構法の研究から優れた構法であることがわかり、土壁づくりのワークショップに参加して実現性を確認できたことがきっかけです。
土壁のメリット・デメリットを教えてください
土壁は単体で耐火性、耐震性、吸放湿性などの環境調整機能のすべてを兼ね備えた優れた構法です。
100年、200年保つ耐久性もあります。
ただし、工期が長くかかります。
費用もボード張りなどに比べて、30坪程度の家で200万円ぐらい余分にかかります。
既存の家を土壁にリフォームすることも可能でしょうか?
「木摺り」という木の下地を打ち付けることで2~3cmの厚さの土塗り仕上げをすることは可能です。
石膏ボードの上に2~3ミリの珪藻土を塗ったものは当事務所では土壁とは呼びません。
土壁をDIYで作ることも可能でしょうか?
壁の基本構造である「木舞下地」、「荒壁塗り」をDIYで作ることは可能です。
当事務所の新築物件でも行っています。
仕上げ塗りも不可能ではありませんが、修行を積んだ職人がやるべきものと考えています。
きれいさだけではなく、耐久性や防汚性にも関わってきます。
土壁のカビ対策はなにか行っていますか?
土壁にカビが生えることはまれです。
そもそも壁に水がかかるような設計をしません。
土壁の作り方を教えてください
DIYの場合は練ってある土や粉土などの製品を買うことになります。
土壁の家が得意な工務店なども紹介して頂けますか?
当事務所が施工の手配も行います。
土壁の上に漆喰を塗ることも可能でしょうか?
可能です。
漆喰は土壁の上に施す仕上げとしては最も一般的なものです。
土壁の材料はどのようなものでしょうか?
下地としては竹と縄、塗るものは土と藁スサです。
土壁の場合、断熱はどのようにするのでしょうか?
断熱材は土壁の外側に張り、その上に板張りなどをします。
外壁を土壁にすることも可能でしょうか?
庇が十分に長く、めったに雨に濡れない場所であれば可能です。
「2階リビング土壁の家」の設計で工夫した点を教えてください
土壁は環境調整機能があるので、外壁は全て土壁にしました。
土壁だけだと耐力壁が足りなかったので、内部の間仕切り壁は石膏ボードの上に厚く土を塗り、外周の壁と同じ仕上げとしてあります。
土壁の家を建てたい方にアドバイスがあればお願いします
工期が8ヶ月程度はかかるので、余裕のある計画をされたほうが良いと思います。
荒壁下地までをワークショップで行うと工事費が節約できます。
ただし、人が集まらなければできません。
普段から手伝い、手伝われるような友人関係を維持していることが大事です。
高野量平アーキテクツ 一級建築士事務所 高野 量平さんの土壁の建物・設計事例
画像 | 建物の名称 | 紹介文 |
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2階リビング土壁の家 | 長く親しまれている桜並木を目の前に見る2階リビングの家です。 | |
佐倉土壁の家 | 地元の木材を大工手刻みで組み、竹木舞土壁を耐力壁とした伝統構法の住宅です。 | |
館山の古民家改修 | 地域の伝統を象徴するような貴重な民家なので、その型をのこしつつ現代的な生活に適応するように工夫しました。お施主さんは断熱や利便性にそれほどこだわらないとうスタンスでしたが、特に傷んでいた母屋と土間棟のつなぎ部分を大きく改修して現代的な水回りを設け、床下や寝室の壁には断熱材を施工しました。 |
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