RC造や鉄骨造より安価な木造耐火構造・TAM建築設計室 新井敏洋さん
耐火構造の家を建てる場合、木造耐火構造にするとRC造や鉄骨造に比べて安価となります。
木造耐火構造についてTAM建築設計室 新井敏洋さんに伺いました。
木造耐火構造とはどのようなものでしょうか?
木造で主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)を試験を実施して大臣認定を取得した耐火性能の仕様とした構造です。
貴社が木造耐火構造をてがけるようになったきっかけを教えて下さい
「下町の景観住宅」が初めての木造耐火設計です。
防火地域の狭小地で3階建て住宅は耐火構造としなくてはなりません。
木造好きのクライアントのために、木でつくること、木をなるべく見せることを目指して設計しました。
構造壁が少なく耐震性の高いSE構法とし木構造の外被を耐火構造とし、内部は自由に造作しています。
木造は重量が軽いため地盤改良工事の軽減となりました。
↑下町の景観住宅・木とスチールの不燃バルコニー
木造耐火構造のメリット・デメリットを教えて下さい
メリットは、
建築費が他の構造より安価となります。
建物が軽いため地盤改良あり、なしでは、他の構造がありでもなしで地盤保証を付けられる場合もありますし、改良費が発生しても他の構造に比べ安価となります。
工期が他の構造より短くなります。
デメリットは、
仕様は認定取得仕様のみとなります。
木構造、架構の現わしは出来ません。
木構造の経年変化が見えづらくなります。
↑下町の景観住宅・木製段板をつかった耐火構造階段
防火地域では耐火構造でない木造住宅は建てられないのでしょうか?
延べ床面積100㎡以下、1~2階の建物は建築可能です。
↑木造耐火構造でつくる木の住まい・内観
鉄筋コンクリート造ではなくあえて木造にした理由を教えて下さい
構造はほとんどがクライアントの要望によります。
敷地条件により構造の助言をしたり、構造のメリット、デメリットについては良くお調べになっているため、経験上のお話をします。
↑木造耐火構造でつくる木の住まい・木のバルコニー
木造耐火構造のコストはどれくらいでしょうか?
私どもの建物では木造在来工法で地盤改良等を別とすると90万/坪からが目安です。
↑木造耐火構造でつくる木の住まい・木張り外壁
「木造耐火構造でつくる木の住まい(長期優良住宅)」で工夫した点を教えてください
木の住まいが好きで、環境負荷の少ない無垢材、国産材にごだわり外内部に木質を感じる住まいとしました。
木張り外壁の木造耐火仕様認定を使用しています。
当時、林野庁の木造、内装、外装の木造利用ポイント制度があり、全ポイントを取得しました。
外装の木使用は維持管理上なるべく雨がかりの無い部分の壁利用です。バルコニーの手摺、床は雨がかりとなりましたが、高耐久の窒素加熱処理の国産杉材が利用ポイントに該当し取得しました。
健康志向が高く科学物質少なくとのご要望で、耐火構造仕様を除き合板は使っておりません。荒床は杉です。
造作、建具、家具は無垢材ですが、板ものはノンホルムの集成材でご承認いただきました。
木張り壁・天井浴室ご希望で、長期優良住宅認定品のハーフユニットがあり運良く使用できました。
長期優良住宅の場合、在来浴室で認定あきらめがあります。
↑木造耐火構造でつくる木の住まい・木の浴室
TAM建築設計室 新井敏洋さんの木造耐火構造・設計事例
画像 | 建物の名称 | 紹介文 |
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木造耐火構造でつくる木の住まい | お祖父様が思い入れを込めて建てた住まいを取り壊しての建物です。 | |
下町の景観住宅 | 今回はご希望と予算と性能を考慮し、木造耐火構造という仕様、木造で高性能・品質が確保できるSE構法に挑戦しました。クライアントと長い時間を共有し、施工者と共につくり上げる楽しさを実感した住まいです。 |
木造耐火構造・メニュー
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