お年寄りが生き生きと暮らせる特別養護老人ホーム・加藤淳一建築設計事務所 加藤淳一さん


 
特別養護老人ホームの設計には入居者の視点と職員の視点のバランスが大切です。
お年寄りが生き生きと暮らせる施設が、ひいては職員の方々にとっても働き易い施設になります。
 
特別養護老人ホームについて加藤淳一建築設計事務所 加藤淳一さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 加藤淳一建築設計事務所 加藤淳一 の写真
大津市大萱1-7-3-1208
077-544-1963

 

特別養護老人ホームとは何ですか?一般的な老人ホームとはどこが違うのでしょうか?

 
特別養護老人ホーム(以下特養)とは、正式には介護老人福祉施設の事で、特養が終の住処としての施設となる場合が多いのに対して、一般的に老健と呼ばれるものは介護老人保険施設の事で、こちらは医療施設から自宅に帰るまでの中間施設的なものとして、自宅復帰を前提にした施設です。
 

特別養護老人ホームは建築基準法以外になにか基準があるのでしょうか?

 
福祉のまちづくり条例に基づく特定施設整備基準、建築物移動等円滑化基準、補助金事業における老人福祉法に基づく特別養護老人ホームの設備および運営に関する基準、消防法に基づく消防用設備等の設置基準、等
 

特別養護老人ホームの平面計画で注意しているポイントを教えて下さい

 
私が平面計画をする際に考える事は大きくは2点です。
 
まず1点目は、入居者の視点での平面計画です。
ご高齢の入居者にとって快適で楽しい住空間とはなにかを追求する事が最も重要だと考えています。
 
2点目は、職員の視点からの平面計画です。
職員の為の平面計画とは、いかに入居者を管理しやすい空間にするかに重点が置かれます。
しかしこれは往々にして入居者の為の空間とは相反する物になる恐れがあります。
 
したがっていかにしてこれら2つの視点でのバランスをとるかが、平面計画のポイントだと考えています。
  

 

特別養護老人ホームの外観で注意しているポイントを教えて下さい

 
特養に限った事ではありませんが、こうした福祉施設や医療施設とその他の商業施設や住居系施設との大きな違いは、前者は外観で人を呼び込んだり、その建築のアイデンティティーを外観に与える必要性がほとんど無い事だと思います。
 
私が特養の外観で注意しているのは、いかに周りの環境に溶け込ませる事ができるかです。
具体的には、建物のボリュームをできるだけ分散して周辺への圧迫感を抑え、外壁の素材や色に注意したり植栽を利用する事によって周囲に建物を溶け込ませる事を意識しています。
  

特別養護老人ホームの居室の設計で注意しているポイントを教えて下さい

 
居室(個室)はできるだけコンパクトにしつつ各自の「住まい」に近い空間にできるような冗長性のあるものにする事が大切だと考えています。
可能な限りそこに住む人が自分でカスタマイズできるような空間にする事で、よりプライバシーの高い住空間になると思います。
 

特別養護老人ホームの共用部の設計で注意しているポイントを教えて下さい

 
共同生活室や共用スペースについては、日だまりや眺望などの外部環境を取り入る事によって、季節の移り変わりや日々の何気ない変化を楽しみながら、集まって誰かと話しをしたくなるような場所をつくる事が重要だと考えています。
 

 

特別養護老人ホームの設計を貴社に依頼するメリットを教えて下さい。

 
我々が福祉施設を設計する際には、まず設計を始める前に事業主様およびその施設で働く職員の方々とどのような施設にするのかを時間をかけて話し合い、設計に入ってからも常に現場の意見に耳を傾けて計画に反映させながら、さらに入居者にとっての新しい快適性の獲得を目指したいと思います。
 

特別養護老人ホームの補助金申請の手伝いなどもやっていただけますか?

 
各官公庁へ事業主様と同行して打ち合わせをしたり、補助金申請書類の作成業務のお手伝いもさせていただきます。
 

特別養護老人ホームの改修などもやっていただけるのでしょうか?

 
改修もやっております。
できるだけ既存の使えるところを残しながら、小さく手をかけて大きな変化を与えるような改修を心がけています。
 

 

土地購入前の相談にものっていただけますか?

 
はい。
特養の場合は市街化調整区域に建てる場合も多く必ずしも敷地形状が整っているとは限りませんので、どのような敷地にどのくらいの規模の施設が可能かと言う事は、土地購入前に十分に検討しておかれた方が良いと思います。
 

特別養護老人ホームを建てたい方になにかアドバイスがありましたらお願いします。

 
特養と一口に言いましても、事業主様の運営方針によって施設の設計は大きく変わってくると思います。理想論になるかもしれませんが、私はやはり入居者がいかに快適に生活できるかを考える事が最も大切なのではないかと思います。
 
お年寄りが生き生きと暮らせる施設が、ひいては職員の方々にとっても働き易い施設になるのでは無いかと考えております。
 

加藤淳一建築設計事務所 加藤淳一さんの特別養護老人ホーム・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
追分の特別養護老人ホーム

市街地にもほど近く、のどかな田園風景の広がる敷地に、80床のユニットケア型特別養護老人ホームが計画された。

草津の特別養護老人ホーム改修

築20年以上経つ特別養護老人ホーム内のデイケアセンターとメインエントランスの改修計画である。本改修で求められたのは、「ホテルのロビーの様な」落ち着きのある空間であった。

特別養護老人ホーム 茜の郷

施設の性質上、運営側としては入居者の安全の為に常に目が届くような空間配置が必要となる為、理想的には職員スペースを中心として周りに居室を配置するのが良いが、今回は敷地形状が三角形の為その定石通りのプランが困難であった。

 

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