道路から独立した玄関のある長屋・(株)一級建築士事務所 設計組織DNA 角直弘さん
長屋とは共用エントランス、廊下、階段がなく、道路から独立した玄関のある複数の住宅からなる建物です。
長屋について(株)一級建築士事務所 設計組織DNA 角直弘さんに伺いました。
貴社が長屋をてがけるようになったきっかけがありましたら教えて下さい
20年程前に京都市左京区で基本プランの依頼がありました。
第1種低層住居専用地域で建ぺい率50%容積率80%、さらには高さ制限が厳しい場所での計画でした。
2階建にすることは当然のことながら、角地で二つの道路からのアプローチが容易なこと、共用部をとると貸室面積以外の建築面積が必要になることから「長屋」として解くことが、余分な建築面積を使わずに計画できると考えたところがきっかけです。
長屋とはどのようなものでしょうか?
不動産屋業界では「テラスハウス」「タウンハウス」と呼ばれることもあります。
共用エントランス、廊下、階段がなく、道路から独立した玄関のある複数の住宅からなる建物です。
特殊建築物にはならないので、建築基準法上の規制がゆるいことあります。
一般的な共同住宅とどう違うのでしょうか?
前述の回答の逆ですが、共用エントランス、廊下、階段のうち二つ以上があると共同住宅となります。
3階建以上の場合は耐火建築物にする必要があります。
木造3階建共同住宅も可能ですが、計画条件に制限が増え、画一的なプラン・ファサードになりがちで個性を出しにくい側面があります。
一般的な共同住宅ではなく長屋にするメリット・デメリットを教えて下さい
長屋の優位性をあえていうなら毎月の管理費が少ないことでしょうか。
その他に両者にメリット・デメリットは感じてません。
長屋でも条例によっては接道条件が厳しいこともあります。
面積、戸数によっては準耐火構造、準耐火建築物にする必要も出てきます。
与えられた敷地、条件で「長屋」か「共同住宅」をうまく使い分けながら計画をすることが大事です。
戸数、構造、避難通路、設備、消防設備さらには収益性、維持管理費用を考えて総合的に判断しています。
長屋の防音対策はどうしていますか?
建築基準法上の界壁仕様以上のスペックで設計するようにしていますが、それ以上に水回りや階段と寝室を隣接させないなど、プラン上で静かな室と音の出やすい場所を接しないようにしています。
またプランや庭をランダムに配置し界壁を減らしたり、さらには窓位置、排気口位置を調整するなどして、隣の部屋の影響、様子を極力わかりにくくするようにしています。
ガレージ付きの長屋なども設計していただけますか?
もちろんです。ガレージハウス長屋も計画中です。
近年、収益アパート、マンションもただ長屋、共同住宅をつくるだけでは、入居者集めに苦労することも多いので、テーマ性のある物件を企画することは重要です。
「旗竿地などの場合、アパートは無理でも長屋なら建てられる可能性がある」と聞いたことがあるのですがなぜでしょうか
共同住宅の場合、接道幅が4M以上あることを求められることがありますが、長屋の場合、2Mで計画可能な場所が多いです。
条例によっては3M以上という地域もありますのでご注意ください。
コートハウス上桂で工夫した点を教えて下さい
東隣が松尾大社の分社になります。
寺社の塀の長さに呼応するように、長い塀のような外壁をつくろうと思いました。
塀に窓をあけるのもおかしいので、閉じた塀の向こうに、独立した中庭をもつ住戸を7室計画しました。
接道条件、敷地形状からも短冊形の長屋を配置することが難しく、全戸ばらばらな住戸プランとしています。
結局7プランの住戸を設計をすることになるので、設計、工事そのものに手間がかかりましたが、10年以上家賃も近隣の+20~30%は設定できており、現在も競争力も高いことから、本当に良かったと思っています。
当事務所ではコートハウスとして10件の建物を設計してきました。
現在も設計、計画をあわせて複数の物件が動いています。
1件を設計するのも大変なシリーズですが、需要があるうちは積極的に手がけていきたいと思っています。
(株)一級建築士事務所 設計組織DNA 角直弘さんの長屋・設計事例
画像 | 建物の名称 | 紹介文 |
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コートハウス上桂 | 80〜90㎡、7住戸、木造2階建アパート(長屋)です。京都の普通の住宅街に立地しています。比較的閉鎖的な外観に見えますが、間取りはは7戸全てが中庭を中心に展開されており、開放的な住空間を持っています。近隣の同種物件より、3割増しの家賃を設定していますが、空室期間もほとんどなく推移しています。 |
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