悪質なリフォーム業者

ユーザー 芦田成人 建築設計事務所 蘆田 成人 の写真

私が実際に経験したお話になります。(リフォームとは少しニュアンスが違うかもしれませんが)
この時にお伺いさせて頂いたのは、リフォームの御相談だったので現状確認のために屋根裏を覗いた所、何やら色んな金物が付いているのです。しかも、この金物はZマークがついている訳でもなく認定品である旨の刻印も何も無いものです。
正規の補強金物であるなら、上記のどちらかの刻印があるために、信頼がおけるかどうか、ある程度判断の目安に出来ます。
 
「これ、耐震補強か何かの工事をされましたか?」
と住まい手さんに確認した所、某大手企業の調査報告書を持ってこられました。
この会社はテレビでも大々的にCMもされていますし、一部上場されている会社です。
 
私も、まさかそんな立派に思える会社が、こんな人を欺く事をする訳ない、きっとその会社を語った偽会社か何かだろうと思っていたのです。
しかし、よく調べてみると過去数年前に国から業務停止命令を受けていたのです。
そうなんです悪徳な業者がする手口そのままの行為を、この会社が行っていたようです。
 
そんな事をした背景は分かりませんが、ノルマの厳しさや売り上げ目標達成のための背任行為であったのではないか?とも推測できます。
 
この話には未だ続きがありまして、一通り天井を見終えた後、今度は台所の床下物置を外し、床下を覗きこみました。
床下には不均一な間隔にプラ束と呼ぶプラスチック製の大引(床を支える木材)を支える材料が立ち並んでいたので、「あれ?」
通常、プラ束はある程度均等な間隔に並んでいるものなのに、何故?と思ったのです。
 
覗いた場所から一番近くにあったプラ束を手で触ってみると、グラグラ
何も支えていないのです。ちゃんと支えているなら手で触っただけでは簡単に動きません。
ようするに、地面に置いてあるだけの状態でした。しかも元からあった木製の束もある程度、適正な間隔及び本数入っていたので、プラ束なんて必要のない状態でした。
 
そんな状態ですから、手の届いた数本を取り、住まい手さんにお見せした所
驚きの表情でプラ束を眺めるばかりでした。
 
「このプラ束と先ほどの報告書を持って、消費者センターに相談に行って下さい。」とお伝えし、その日は一旦、終了しました。
結局この事実を知ったショックで、リフォームの話は一旦中段したままになっています。
大手であっても、こんな悪徳なことをしないといけない業界って一体、何なんだと憤った出来事でした。
 
超個人的見解かもしれませんが、一つ言えることはテレビで見聞きしたことのある会社であっても訪問営業でやって来る業者は、かなり怪しい業者が多いと思いますので断る方が賢明かと思います。リフォームであっても点検商法であっても同じです。
 
断り方としては「建築関係の仕事をしているので必要ありません」や「親族に建築関係の仕事をしている者がいるので必要ありません」「信頼できる建築士や工務店とお付き合いがあるので必要ありません」等と嘘であっても、そのように言ってしまうのが一番効果的かと思います。それでも、しつこく来るなら、全国各地にある消費者センターへ相談してみるのも手かと思います。
 
他にもよくある手口としては
屋根瓦や擁壁、外壁など外から目視出来る部位が傷んでいる、今すぐに手を付けないと大変な事になるなどと言って、脅しとも思える言葉で付け入ろうとすると言うのを聞きます。お気を付け下さい。
 
今回の写真は、その時のプラ束です。
本来ならこれが地面と大引の間でしっかりと止まっていないといけないのですが、手で簡単に外れました。あり得ない、嘘仕事です。
 
仕事は誠実にやって貰いたいものですね。