屋根裏部屋のある平屋住宅
昔の家と言っては失礼ですが、古民家では、入母屋造り(白川郷の合掌造り)など、屋根勾配を取り、その広い小屋裏空間を利用して、作業場(多くは養蚕場)としていました。
ログハウス(日本では校倉造り)も切り妻造りで屋根勾配を急にして、屋根裏を居住空間にしているものが多く見られます。
しかし残念ながらこれらは全て現在の建築基準法では2階建てになります。それではどのようにして「屋根裏部屋のある平屋住宅」にする事が出来るのか?平成12年の告示に現在の建築基準法における最終見解が示されています。それは、天井高を1.4m以下(平均では無く、一番高いところ)で、一定の面積(基本的には階の床面積の1/2ですが、床下倉庫も有る場合は注意が必要)以下にすれば階・床面積に算入しないと言う事です。
これを屋根裏(小屋裏)部屋と呼べるのか?それは建て主の判断に委ねます。少なくとも建築基準法では、作業場や居住空間は居室として扱われ、天井高は2.1m以上にしなければなりません。さらに居室は、一定以上の採光(窓の設置)も求められ、「あくまでも倉庫又は物置として使用する分に関しては良いです」と言う解釈になります。
ロフトと言う言葉があります。近年、テレビや雑誌、リフォーム広告にロフトが有る部屋と有りますが、これも上述と同じ、屋根裏(小屋裏)倉庫として扱われます。
ここで注意が必要なのが、
1.固定階段で良いのか、移動式や天井収納式階段にしなくてはいけないのか?
2.物入れや収納の上部を天井吹抜でスペースが有るのでオープンにして使用できるようにしたら、1.4mを超える空間が出来た場合は階に含めるのか?
など、各行政庁に依って解釈が異なる場合が有るので、それぞれ判断を仰いで下さい。
2.に関しては「固定階段が無いから階に加えなくても良いですよ。」で有れば、1.の小屋裏収納に関しては「固定階段じゃ無ければ天井高も気にしなくても良いですよ。」になってしまいます。固定階段を設置しても、将来も含めて物理的(その部分の天井を剥がしても)に1.4mを超えない構造で有れば良いですよと言う判断も有ります。解釈って難しいですね(笑)。
最後に付け加えておきたい事が有ります。
「屋根裏部屋のある平屋住宅」に拘る必要があるかどうか?と言う事です。必要有れば固定階段も設置して、天井高も1.4mに拘る必要も無い必要最小限の屋根裏部屋を中央に設置し、天井が低い屋根下がりの部分を1.4m以下にして間仕切り、屋根裏収納にする方法も有ります。部屋に面した収納で、非常に使いやすいです。私の経験上、移動式や天井収納式階段は、後々面倒で、苦労して持ち上げた荷物はそのまま、女性が上がるのも大変だと思います。
平屋建て屋根裏収納は、奥の天井が下がった部分。畳コーナーー収納の上部(梁の奥に室内窓が見えます。)ダイニングテーブル奥の両開きドアの中に、屋根裏部屋に上がる階段と、地下倉庫につながる梯子が隠されています。子供達にとっては秘密基地の様なものです。
左手前が固定階段部分で、大分県ではOKです。ここのサッシを抜けて、別府湾を眺める展望台につながります。
ログハウス風~オーソドックスな造りで、構造と仕上げ材料は100%近く中も外も杉の家。この小屋裏部屋は、2階建てになります。
2階部屋内観。写真では右側しか写ってませんが、布団も干せるバルコニーを中心に左右対称の部屋です。屋根が低いところは天井高1400以下の小屋裏収納になっています。
写真が90°左向いてますが・・・。
これは平屋建ての屋根裏部屋ではありませんが、1階~2階に上がる階段の踊り場から入れるロフトです。写真下の部屋は、玄関ホールも兼ねた趣味室で、1階とはスキップフロアになっています。