擁壁の種類

ユーザー アトリエそらまめ 落合晋也 の写真

接する隣地や道路との敷地高低差を処理するために土留めといわれる擁壁を計画する際には、高さや目的によっていくつかの擁壁の中から計画にふさわしい種類の擁壁を建てます。
よく目にする物には、RC擁壁、CP擁壁、CB擁壁、間知ブロック、プレキャストコンクリート擁壁 等があります。

それぞれの特徴を簡単に記すと、
① RC擁壁・・・高低差1mを超える地盤に使用することが多い。現場で鉄筋をくみ上げ、コンクリートを打設するため、職人の技量が求められる。精度よくきれいに仕上がると、見栄えが良い。
② CP擁壁・・・各メーカーがあらかじめ作った構造用のコンクリートブロック。RO擁壁よりも安価。1mを超え2.5mぐらいまでなら計画可能。
③ CB擁壁・・・ブロック厚120㎜、150㎜で計画するコンクリートブロック擁壁。簡易な土留めとしてよく用いられるが、法律上CP擁壁と異なり高さ1mまでしか積むことができない。
④ 間知ブロック・・・以前は大きな造成でよく使われていたブロック擁壁。重力式に計画を進めていくため、積み上げていくと断面の見え係としては敷地内に控えてくるかたちになる。
⑤ プレキャスト擁壁・・・RC擁壁を分割して、あらかじめ工場で製作し現場で並べながら組んでいく擁壁。RC擁壁に比べて安価に、工期が短くできる。

擁壁は、切土や盛土などの造成工事に際して、土砂の崩壊を防ぐために設ける構造物です。
現在の様々な法規制のもとに築造された擁壁もあれば、それ以前に築造された擁壁もあるため、大地震時に擁壁の倒壊という危険を鑑み、既存の擁壁についても見極めたうえでの建築計画が必要となります。専門家に意見を仰ぎながら十分に注意しえ進める必要があります。