うなぎの寝床の間取り

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 「うなぎの寝床の間取り」ということですが、これは間口が狭くて奥行きが深い(長い)建物や場所のことを言います。言葉の由来は存じませんが、鰻の細長い体型からでしょうか、鰻は細長いところに潜んでいるということからでしょうか。細長いといっても一概に言えませんが、概ね間口に対して奥行きがその2倍以上あるものをイメージしていただくとよいと思います。
 京町屋などでは、間口が2間(3.6mくらい))とか2間半(4.5mくらい)の間口のものが比較的多くあります。このようなものは、外部空間の庭は一番奥にあったりします。
 現在の建築基準法では住宅の居室に採光といって一定の光が入るように規定されていますので、このような細長いものは採光を満たすことが難しくなります。そこで、設計者はいろいろと工夫を凝らします。奥行きの中間に採光を兼ねた中庭を設けた間取りなど、各方面から検討を重ねていきます。また2階建てや3階建てになると、階段が必要になりますから、その位置や形状にも検討を重ねます。このような課題に挑戦することは建築の設計を仕事としているものにとっては、楽しくて仕方のない作業です。
 どうか、間口が狭すぎるからと言ってあきらめずに、そのような敷地でもいちど建築設計専門家にご相談されることを強くお勧めしたいです。