防音室

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オーディオルームとしての防音室の事例を2つご紹介したいと思います。 

1例目は、約35坪の鉄筋コンクリート+木造の混構造の住宅の1階に設けたオーディオルームの事例です。プロ仕様のオーディオ機器を好きなだけ配置して、近隣に迷惑を掛けずに音楽を楽しみたいというのが建て主さんからの希望でした。 

敷地にはもともと1.5m程度の高低差があり、ちょうどその高低差の分を掘削して、鉄筋コンクリート造のオーディオルームを埋め込みました。いわば半地下のような防音室です。
部屋の6面が厚さ20㎝のコンクリートで出来ていますが、壁面にはさらに防音シートを張った上に天然木の合板で仕上げています。その上半地下にある事で、さらに防音効果が高められています。 

室内側は合板の裏に、断熱効果と適度な吸音性が得られる羊毛断熱材を入れてあり、音響効果を考慮し、天井の一部を傾斜させていて、出入り口のドアは鋼製の防音扉になっています。
防音室の仕様としては、ややハイレベルの仕様です。

2例目は、約40坪の木造住宅の1階に設けたオーディオルームの事例です。こちらも趣味のオーディオを、隣家を気にすることなく大音響でも楽しみたいという、建て主さんの要望に応えた防音室です。 

構造は木造ですが、オーディオルームの部分は床レベルを70㎝ほど地中に掘り下げ、鉄筋コンクリートの腰壁にして遮音効果を上げています。木造部分の壁面の遮音には、21㎜厚の構造用合板と石膏ボードを重ね張りして主に重低音の遮音効果を、壁の中には断熱性能と主に高音を吸収する吸音性能を兼ねた、セルロースファイバーを充填しています。 

また、窓は最小限の採光と換気のための小さな窓を1箇所に絞り、出入り口のドアは四周にゴムパッキンを入れた防音扉になっています。
防音室の仕様としては、ローコストで可能な仕様と言えるかもしれません。