家の中の戸を框戸にする時には?

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

和を感じるインテリアですよね。

あまり堅苦しい感じではなく、やさしい雰囲気の和室にしてます。

いろんな要素があって、この雰囲気になっているのですが、

その中で、一つ大事なポイントがあります。

小上がりの和室。

じゃないですよ(笑)

部屋の三面を構成している引き戸にあります。

右に見えているのは障子。左は襖。

ここまでは、和室によくある建具になります。

基本的に、既製品ではないので、いわゆる建具屋さんに

製作をしてもらうことになります。

最近、こういった和室が減っていることもあって、

建具屋さんの腕の見せ所が、ずいぶんと減っているそうです。

匠の技が継承されなくなってしまうのは、残念ですね。

それはさておき、話を戻します。

正面に見えている板で出来た建具は、框戸といいます。

グルっと枠が回っているようなデザインのことです。

ここ最近、ナチュラルなテイストの家だけでなく、

こういった框の建具は、よく採用されています。

形は昔からあるスタンダードなカタチなのですが、

実は少しレトロな印象。

でも、そのレトロな感じを新鮮と感じる時代の感性があって、

採用が多くなっているんだと思います。

ちなみに。

一枚目の框戸は、無垢の杉で出来ていて、建具屋さんに

製作していただいてます。

樹種として、杉はあまり使わないのですが、

こちらの家のテーマがそこにあったので、建具屋さんと

相談しながら決定しました。

無垢の素材は、経年でいい味を出していくのがいいですね。

ただし。

イニシャルコストは、想像以上になるので、

もし採用するのであれば、その辺心の準備が必要かなと思います。

こちらも、よくご覧いただくと、框戸なのですが、わかりますか?

とても大人しい木目ですよね。

こちらは、ツガという樹種で出来ています。

実際、ツガをつかった製作してもらう建具もありますが、

こちらの家では、少しコストを抑えるために、既製品を採用しています。

既製品といっても、パナソニックやリクシルといった主要メーカーでなく、

輸入建材を取り扱うようなメーカーです。

こちらは、見た目無垢に見えますが、実は違います。

芯材が集成材で、表面に薄い板(突板)を張っているんです。

表面は本物なので、経年でいい味を出していきます。

ただし、何か鋭利なものがぶつかったりすると、表面が削れてしまうことも。。

本物の質感、経年の変化を楽しみたいけど、

予算に限りがあるという方には、オススメですね。

もう一点。

無垢に比べて、狂いは発生しにくいのもいい点といえます。

正面の建具はご覧になって、どう感じましたか?

先ほどまでとよく似ていて、框戸になってますよね?

ちなみに。

建具の高さが、2.2mほどあって、よくある高さ(2.0m)に

比べると高めになっています。

実は、こちらは、ウッドワンというメーカーの既製品で、

表面に木目のシートを張ったものなんです。

おそらくですけど、プロでないと、見分けはつかないかもしれません。

それだけ、クオリティ高く仕上がっているんですよ。

三枚目の手前の左右に見えているキッチンは、

本物のオークを使ってるんですけど、

その本物と並んでも、そん色なく見えてましたから。

建具の高さを高くしたい方や、コストをあまりかけたくない方には

こういった主要メーカーの建具がオススメです。

どの建具が一番いいのかって??

どれも素晴らしいですよ。

建具に何を求めるのか。それによって、一番いい建具は

変わってきます。

本物志向なのか、本物の質感なのか、見た目なのか、コストなのか。

いろいろ価値基準はありますから。

しっかり考えながら、自分にとって最善なセレクトをしてくださいね。