「眠れる家」は間取りから生まれる、奈良で叶える自然に目覚めすっと眠れる住まいづくり。建築家が設計する“朝の光”と“遮光の工夫”で快眠を支える、寝室のカーテン選びとインテリアの科学。家造りと暮らしの質を高めるための光を考えた環境設計の本質とは。

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

※ジャパンディスタイルで設えた、

 やまぐち建築設計室設計提案の

 快眠寝室空間。

建築設計とインテリアの視点で深掘る

快眠カーテンと

朝の光環境の科学・・・・・。

 天然素材の温もりと自然光を調和させ、

 朝の目覚めと

 夜の静けさを支える

 建築的工夫が込められています。

「眠っても疲れが取れない」

「朝の目覚めがつらい」

そんなお悩みをお持ちの方へ。

その原因、

もしかすると“カーテン”に

あるかもしれません。

やまぐち建築設計室では、

建築とインテリアの融合によって、

住まう人の心身

のコンディションを整える

“住環境設計”もご提案しています。

今回は、

睡眠と深く関わる

“朝の光”と“カーテン選び”にフォーカスして、

根拠を交えながら

設計とインテリアの視点から

暮らしを整えるお話を

書いてみたいと思います。

〇睡眠は“夜”ではなく“朝”から整える

体内時計をリセットする

朝の光のメカニズム・・・・・。

私たちの体内時計、

つまり「概日リズム(サーカディアンリズム)」は、

厳密にいうと

24時間ではありません。

平均して約24.2時間という周期をもち、

毎日少しずつ

ズレていく性質があります。

これを修正しているのが、

朝の太陽光です。

起床後1時間以内に朝日を浴びると、

視神経を通じて

脳の視交叉上核が刺激されます。

これが「朝である」という

情報を脳に伝え、

全身の臓器やホルモン分泌リズムが

整います。

これがうまくいかないと、

夜に寝つけない、

朝ぼんやりする、

日中のパフォーマンスが上がらない

といった「不調の連鎖」が

始まってしまいます。

現代人はスマートフォンや

LED照明などの

「夜の光」に晒されすぎており、

朝の光でしっかり

体内時計をリセットする

必要性が高まっています。

〇奈良の朝日と間取り計画の関係

奈良県のような内陸型の盆地地形では、

都市部に比べて

朝日の角度や

陽当たり時間が独特です。

やまぐち建築設計室では、

敷地の特性に応じて、

朝の光をどの方角から、

どのように取り込むかまでも

設計に反映しています。

例えば、

東面に小さな高窓を設けて、

柔らかく拡散された

朝日を取り入れると、

寝室が

「静かに目覚めていく空間」へと

変わります。

これにより

アラームではなく「自然光で目覚める」

習慣が根付きやくす、

より穏やかに一日を

スタートすることができます。

〇メラトニンのタイミングをデザインする住まい

朝に光を浴びれば、夜に眠れる

メラトニンとは、

夜に自然と分泌される

「睡眠ホルモン」であり、

このホルモンの分泌タイミングは、

朝の光によって“予約”されます。

具体的には、

朝光を浴びてから

約14〜16時間後に

メラトニンが分泌されるという

リズムがわかっています。

朝7時に光を浴びれば、

夜21時〜23時ごろに

自然と眠くなるよう

体がセットされるのです。

つまり、

夜の寝室環境だけでなく、

「朝の光の質」が

夜の睡眠の質に直結しています。

〇 家族のリズムが整う設計とは

共働きのご夫婦や、

幼い子どもがいるご家庭では、

家族全員が異なる

タイムスケジュールで暮らしています。

やまぐち建築設計室では、

それぞれの「起床時刻」と

「理想的な就寝リズム」に合わせて、

窓の高さやカーテンの遮光度、

照明の光色を調整する場合もあります。

また、

寝室ごとに「遮光」か

「光を取り入れる」かの方針を変え、

家族の暮らしに寄り添った

“眠りの設計”を行っています。

〇カーテンが「睡眠の質」を左右する理由

カーテンは“インテリア”ではなく

“暮らしの調整装置”

カーテンは色や素材だけでなく、

「遮光率」によって

睡眠に大きく影響します。

・1級遮光:99.99%以上の光を遮断。

 真っ暗な空間にしたい方に。

・2級遮光:光はやや通すが、

 室内は暗め。

・3級遮光:ほんのり明るさが残る。

 自然な目覚めを求める方に。

単に寝室を「おしゃれに見せたい」

という視点だけで選ぶのではなく、

ライフスタイル・起床時間

寝付きやすさなどを

軸にして選ぶことが、

快眠の第一歩となります。

〇目覚ましカーテンという選択肢

最近は「目覚ましカーテン」と呼ばれる

ガジェットも登場しており、

就寝中はしっかり遮光して眠り、

起床時間になると

自動でカーテンが開くという

仕組みも存在しています。

これを導入すれば、

「休日だけはゆっくり起きたい」

「平日は自然に目覚めたい」

といった要望にも

柔軟に対応できます。

やまぐち建築設計室では、

こうしたガジェットを

ただの便利機器として

捉えるのではなく、

「建築との調和」

「空間の美しさ」と

両立するような

ご提案を行っています。

〇建築設計で“朝の光”を

 コントロールするという発想

窓の高さ・位置が睡眠に与える影響

光の取り込み方は

「窓の大きさ」だけではなく

「窓の高さと角度」で決まります。

寝ているときの目線、

つまりベッドに横たわった状態で

どこから光が入るか。

それによって

睡眠の質は大きく変わります。

・低めの窓=朝の光が直接目に入りやすく、

 早朝覚醒のリスクあり

・高めの窓=柔らかい光が天井から広がり、

 自然な目覚めをサポート

住宅街においては、

隣家との距離が近くなりがちなため、

「視線の抜け」と「光の導入」の

両方を意識した

開口設計が必要です。

やまぐち建築設計室では、

寝室に関しては

あえて腰窓を避け、

高窓やスリット窓を活用することで、

視線を切りながらも

自然光をたっぷりと取り込む

設計も心がけています。

〇軒や庇が果たす

 “光のフィルター”としての役割

夏は日差しを遮り、

冬は深く光を取り入れるためには、

軒や庇(ひさし)の設計が

極めて重要です。

とくに東向きの寝室では、

朝日の入り方が鋭角になるため、

庇の出具合を

数cm単位で調整することで

「まぶしすぎない朝」が実現できます。

自然光をただ「入れる」のではなく、

どの時間帯に、

どの角度から、

どんな強さで入れるかを

コントロールすること・・・・・。

〇寝室は“休息する五感”のための空間

やまぐち建築設計室では、

寝室をただ眠るための

スペースとは捉えていません。

勿論主体は眠る事ですが

脳と身体、

そして感情を

リセットするための空間として、

五感すべてに働きかける

設計を大切にしています。

〇視覚:色・光・余白で安心感をつくる。

住まい手さんの落ち着く環境や

好みにもよりますが

ベージュやグレージュなど

低彩度の壁紙や仕上げ材の採用

反射率の高すぎないマットな素材

光が拡散するリネン調カーテン

視覚からの情報が強すぎると、

脳は“警戒状態”を

続けてしまいます。

そこで、

やまぐち建築設計室では

空間に「余白と静けさ」を持たせる

色彩設計と光環境を

組み合わせています。

〇聴覚:外部音を和らげる壁・窓設計

・複層ガラスやインナーサッシによる遮音設計

・隣接する水回りの音を遮るレイアウト

・雨音や風音も「眠りのBGM」になるような

 吸音素材の活用

子育て世帯では、

「夜泣きで目が覚めないように」など、

音への配慮は非常に重要です。

生活音が気になりにくい

“音環境”の設計も、

睡眠の質に直結しています。

〇嗅覚・触覚・空気感

 自然素材がもたらす癒し

・壁材に珪藻土や漆喰、

 床に無垢材を使うことで湿度が安定し、

 空気がやわらかくなる

・リネンやウールなどの

 天然素材をカーテン

 寝具、ラグに用いる

・ヒノキや杉の香りを活かした

 香りの設計

呼吸する壁、

やさしい素材感──。

触れて気持ちが落ち着く

そんな空間に身を置くことは、

それ自体が睡眠導入剤にもなりえます。

〇暮らしの時間割と連動する

 照明とカーテンの設計

設計で最も大切にしているのは、

「暮らしの時間の質」です。

朝、自然に目が覚めること。

夜、すっと眠りにつけること。

これは、

一日の時間割と

照明・カーテンの役割を

連動させることで初めて実現します。

〇照明計画のタイミング設計

照明を単に明るく照らす

道具とするのではなく、

「時間の流れをつくる装置」

として計画します。

・朝:昼光色(青白い光)で脳を覚醒させる

・夕方:電球色に切り替え、副交感神経を優位にする

・夜:足元照明や間接照明で“眠りの前奏”を演出

これにより、

無理のない睡眠リズムが

自然と整い、

光によって“暮らしのリズム”が

形作られます。

〇カーテンは“時間を調節する建築装置”

起床時刻に合わせて

光を入れるか、遮るか。

寝室はもちろん、

リビングやキッチンも含めた

窓装飾の計画が、

“一日のメリハリ”に直結します。

たとえば、

夜遅くまで明るい照明のリビングは、

就寝前の身体にとって

強い刺激になりがちです。

その場合、

遮光ロールスクリーンや

ダブルレースを使って

「外の夜景」を遮断し、

脳を“夜”に導くような

工夫が必要です。

やまぐち建築設計室では、

こうした「時間×空間」の視点から、

ライフスタイルに合わせた

照明と窓装飾の

トータル設計を行っています。

「眠りの質」は設計の質でも変化する。

睡眠の質は、

夜よりも“朝”の光で整う。

カーテンは見た目以上に

“暮らしの調律装置”。

快眠は五感を休める

空間設計から生まれる。

建築設計と

インテリア計画の連動が、

真の快適を生む。

やまぐち建築設計室では、

睡眠・光・インテリア

動線・空気感など、

すべての要素を横断した

“暮らしの設計”を大切にしています。

〇関連blog
毎日の眠りの質を高め快眠を導く空間設計の工夫を丁寧に。

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail554.html

睡眠を支える

住宅設計・インテリア提案。

「寝室の光が気になる」

「睡眠環境を整えたい」と

感じている方へ。

暮らしの質を睡眠からも

考えてみませんか?

〇関連blog
快眠できる寝室のつくり方睡眠の質を整える家づくり

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail536.html

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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