このご家族らしい家って、何だろう。
家づくりの打ち合わせが終わると、
私は一人で図面を見返す時間があります。
間取りを見て、
窓の位置を見て、
部屋のつながりを考える。
もちろん、
設計として間違っていないかも確認します。
でも、
最後にいつも自分へ問いかけることがあります。
「このご家族らしい家になっているだろうか。」
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広いリビングだから、
いい家とは限りません。
収納が多いから、
暮らしやすいとも限りません。
大きな窓があるから、
心地よいとも限りません。
家づくりには、
たくさんの「正解」があります。
でも、
その正解が、
目の前のご家族に合っているとは限らないのです。
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打ち合わせを重ねていると、
ご家族それぞれに、
「その人らしさ」が見えてきます。
休日は、
庭で過ごす時間が好きなご家族。
家族みんなで食卓を囲む時間を大切にするご家族。
静かな朝が好きなご夫婦。
本がたくさん並ぶ暮らしに憧れるご主人。
季節の花を飾ることが楽しみな奥様。
同じ家づくりでも、
大切にしたいものは、
本当にさまざまです。
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だから私は、
「人気の間取り」や、
「今流行りのデザイン」を、
そのままご提案することはありません。
まず考えるのは、
このご家族が、
十年後も、
二十年後も、
「この家は私たちらしいね。」
と笑ってくださるだろうかということです。
その答えが見えてくるまで、
私は何度でも図面を描き直します。
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家づくりには、
たくさんの選択があります。
でも、
本当に大切なのは、
家を選ぶことではなく、
暮らしを見つけることなのかもしれません。
私は、
設計をするたびに、
同じ問いを繰り返しています。
「このご家族らしい家って、何だろう。」
その答えは、
図面の中にはありません。
ご家族との会話の中にあり、
笑顔の中にあり、
何気ない一言の中にあります。
だから私は、
今日も図面を描く前に、
ご家族のお話を聞くことから始めています。