音楽を家庭で楽しむとき、どうしても気になるのが「音の大きさ」ですよね。
特に子どもが楽器を習っているご家庭では、防音室の計画や近隣への配慮を考えるうえで、音の単位や実際の大きさを理解しておくことが大切です。
まず、音の大きさを表す単位には「デシベル(dB)」があります。
これは、耳で感じる音の強さを数値化したもので、日常生活の音の目安としても使われます。たとえば、図書館や静かな住宅地での会話は30~40dB程度、普通の会話は50~60dB、車のクラクションや大きな犬の鳴き声は90dB前後です。
ピアノやバイオリンなどの楽器の音も、このデシベルで表現できます。
たとえばアップライトピアノの平均的な演奏音は70~80dB程度、グランドピアノは80~90dBに達することもあります。
ヴァイオリンやフルートは比較的静かで60~70dB程度ですが、演奏スタイルや音域によって上下します。
意外に大きな音が出ていることが、家族や近隣にとっての“気になる音”の原因です。
しかし、デシベルの数値だけでは、音の影響を実感しづらいのも事実です。
なぜなら、デシベルは対数単位で表され、10dB上がると音は「体感で2倍程度の大きさ」と感じられます。
つまり、50dBの会話音と70dBのピアノ音では、数値以上に大きな差として耳に届くのです。
さらに重要なのは、音は距離によっても大きく変わるということです。
楽器から1メートル離れた位置で80dBでも、3~4メートル離れると音は30~50%程度に下がります。
防音室を設計するとき、この距離感や壁の防音性能を考慮することが、家族も近隣も快適に過ごせる家づくりにつながります。
「数字で理解すること」は、子どもの練習環境を考えるうえで欠かせません。
デシベルの目安を知り、防音室の設計や家族の生活空間との距離感を意識することで、子どもはのびのびと音楽に向き合え、家族もストレスなく暮らせます。
ナイトウタカシ建築設計事務所では、こうした音の単位や実際の暮らしに即した設計を重視しています。
単に「防音する」だけではなく、子どもが安心して演奏でき、家族も心地よく過ごせる空間。
それが、音楽教育と暮らしを両立させる家づくりの現実です。
楽器を習っているお子様がいる御家族で、家づくりを考えてる方は、こちらが参考になるかもしれません。