ちいさな集会室へと再利用/旧Niさんの家

●設計事例の所在地: 
埼玉県上尾市
●面積(坪): 
95.12㎡(28.7坪)
●建物の種類(大分類): 
その他
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

元の部屋では八畳の正方形の和室の一辺(二間)を借りた床の間と押入れが続く場所でした。隣接のお寺である本家に引き取られ、習い事、ちいさな式が行える空間に改装。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

築50年に及ぶ耐震性が心配された建築物。間取りを住宅から宗教施設の一部として集会の出来る空間に出来るのか・・・

依頼者があなたに依頼した決め手: 

宗教施設に強いところ。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

リノベーションはまず一部解体をして、現在の構造状態を確認することが大切。構造の補強をして大空間を実現しました。集会室は内なる心に向き合う場所。空間を広く、そして無限に感じながら精神的には狭く意識出来ること。壁のコーナーの多くは大小の丸面を採用しており実際に身を置くと、少し距離感が捉えにくくなる部分もある神秘的な空間です。

その他の画像: 

同じ位置からのビフォー&アフター。元の部屋では八畳の正方形の和室の一辺(二間)を借りた床の間と押入れを祭壇の空間へと変更。祭壇中央に西方浄土へと続く西面の窓。

元の八畳和室の隣にあった六帖の洋室のビフォー&アフター。左にあった押入れ分を取り払い、八畳の和室と二間の幅で接するように調整して一室の大空間へ。

集会室の主な納まりとしている丸面のコーナーを持つ壁。部屋全体を柔らかく印象づけています。

ユーザー 前田敦計画工房合同会社 前田敦 の写真

基礎形状に基づいて大地を掘削します。

そこに砕石を敷き、捨てコンと呼ばれコンクリートを打設します。
そのコンクリートの上に墨を打ち建物の正確な位置設定します。

鉄筋コンクリートの基礎の場合は、鉄筋を組み、型枠を組み、コンクリートを打設します。

その際に、土台を繋ぐアンカーボルトや鉄筋のピッチ、さらには鉄筋と方枠との隙間(かぶり厚)が設計通り施工されているかを確認します。

※これらの工事に着手する前に工事業者から施工図が設計者に提出されます。
 その図面を設計者が承認した「承認図」に基づいて工事を進めますることが工事の基本です。
 そして、工事の過程においても設計者の専門的視点による確認が行われます。

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地盤が良く無い場合には、まず、地盤改良や杭工事が必要になります。
建物の規模や構造によって最適な方法が選択されているので、その方法により工事を行います。

※画像出典:地盤ドクターより

いくら建物が頑強であっても、
それを支える地盤に必要な耐力がない場合はそこを補強する意味でも大切な工事です。

地盤改良の場合は建物の周囲を含めた工事対象エリア全体に工事を行います。
一方、杭工事では柱の位置等の限定されたポイントの工事となります。

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設計図に基づいて、現地で建物の位置と基準レヴェルを決定します。
敷地には地縄を張り、建物の概ねの外郭線を現します。
このときに、設計図どおり隣地境界線からの離隔距離3カ所は最低限確認します。
もちろん、設計者が立ち会っているので、説明を聞きながらの作業なので心配はいりません。

更地の状態では敷地も建物も狭く感じますが、実際に建物が建つと思った以上に広いものです。

※人間が空間を認知する際に縦横バランスで大きさを感じるものだからです。
 更地の状態ですと、空間の縦方向は"空"になりますので、どうしても狭く感じてしまいます。
 ご心配なく!

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地鎮祭を行う場合には、日時や方式について工事業者と事前に打合せを行って下さい。
神道式が一般的なようですが、仏式、キリスト教式等、多様な方法があり、また地域によっても異なる場合があります。

※通常、ご家族、設計者、工事業者の役員、現場監督さんが参加されます。
 ここで、関係者が一堂に会しますので、親睦を深めておくと良いでしょう。

ここから本格的な工事に着手するので、工事車両の出入り、騒音等でご近所に迷惑がかかることがあるので、大まかな工程表を持参し、事前に挨拶を済ませておくとよろしいかと思います。

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決定した工事金額、実施設計図面に基づいて、工事業者と契約を締結します。

設計者はこの契約に立会い、工事監理者として契約書に調印します。
万が一、契約に不明な点がある場合には、設計者立会いの基で、覚書等を交すとよいでしょう。

※協議事項は、全て書面にして双方のサインをするようにしましょう。
 
工事契約が終了した時点で、工事担当者と一緒に近隣に挨拶に行って下さい。
ご多忙の場合は地鎮祭の直前に行かれてもよろしいかと思います。

その際に、概ねの工事規模や工期を説明しておくと良いでしょう。 
工事をスムースに進めるには、なにより人間関係が大切です。

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実施設計図に基づいて工事業者に工事費見積を依頼します。

通常、3~5社にお願いし、見積明細内容が適正で、金額の最も安く、過去の実績等を勘案して工事業者に決定します。

見積比較表

同じ図面、仕様でも工務店によって金額の違いがかなり出てきます。
こうして複数の工務店を競争させることによって工事価格を下げることができるのが「建築家」に直接設計監理を委託するメリットです。

予定金額を越えている場合には、ネゴシエーションや軽微な設計変更により、契約金額を決定します。
この段階から、設計者としては建築監理業務に着手することになりますので、設計者が図面と照合しながら見積明細や金額等をチェックしていきます。
 
※諸事情により、工事業者が決まっている場合には、競争がないために、工事金額が高くなることがあります。

ユーザー 前田敦計画工房合同会社 前田敦 の写真

基本設計で家のプランが概ね決まったら、次にその図面に基づいて実施設計に着手します。

実施設計は、工事業者に発注したり、建築確認申請等の各種申請に提出するために必要な詳細図面を作成していくプロセスです。

建物の用途や規模によっては構造計算や設備設計も必要になりますし、
各種仕上げや仕様(照明、システムキッチン、衛生機器等)を細部に渡り決定して行きます。

ショールームに出かけて、実際に使用する製品を直接確認することも大切な行為です。

ショールームで実際の製品を確認した結果、決定したタイルの施工例

※ここで制作する図面が工事契約図になります。
※建築確認申請をはじめ各種申請手続きには別途申請手数料が必要となります。

<ふたりの家へリノベーション。上下階を結ぶ光と階段空間/Nagaさんの家>川越市

●設計事例の所在地: 
埼玉県川越市
●面積(坪): 
改装部分87.48㎡(26.46坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

ご夫婦ふたりの為だけの家へとリノベーション計画を行いました。まず現在の住まいの設計図から大体の構造を推測し、希望の内容が実現できる可能性を予想して予算の掛け方をアドバイスするところから始まりました。構造の診断の上で補強を加えながらオープンキッチン、階段、吹抜けを重点的に改造しています。壁紙の青はご主人の強い希望。一部アクセントに白い壁を提案。青と白の調和で整えた提案です。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

五人家族の住んでいた住宅の細かい部屋の連続は、狭くて息の詰まるような間取りでした。暗く壁に囲まれ、隅に追いやられた閉鎖的なキッチン。ふたりが離れていても、繋がりのある空間は同じ部屋に居なければ実現できそうにないこと。構造的に無理な部屋わりをしていた構造的欠陥のある住宅です。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

他の建築サイトの計画。「相談した他の建築士や工務店さんからは、出来っこないと初日から言われた計画に、可能性ありと具体的に説明をてくれたから・・・」とのこと。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

上下の階を結び、どこに居てもご夫婦がなにか繋がっている雰囲気を感じる空間の実現の為、中央に吹抜けを確保して、その中に階段も新造して旧階段を収納空間として隠ぺい。二階の階段周囲の床も光を一階に落とすスノコ状の構造にした。階段が部屋から廊下に出て二階へ行くという、一度関係が切れてしまうのを廃止したのも大きな選択だった。「二階は全て青い壁に・・・」という要望から暗く成り過ぎないように、照明やアクセントとなる白い壁の提案などに苦心した。

その他の画像: 

2階の壁裏の洗面空間。以前は白い壁の右側に3つの洋室が並んでいた。

1階の図面

2階の図面

昼間は2階の南面窓からの陽ざしが、夜はピンスポットの灯りが格子越しに落ちてくる。

昼間は2階の南面窓からの陽ざしが、夜はピンスポットの灯りが格子越しに落ちてくる階段に面して壁に囲まれていたキッチンを開放し、オープンキッチンに変更。夕方は格子越しに夕陽の紅をかんじる空間。

前庭と中庭のある二世帯のための都市型住宅

●設計事例の所在地: 
東京都練馬区
●面積(坪): 
207㎡(63坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

敷地は広いのですが、隣家とアパートがかなり密接に建て込んでおり、外部に向かって開放しにくい周辺環境でした。三世代二世帯住宅ということもあって、広々としたパティオ(中庭)を設け、上下階のすべての部屋が中庭に面して、どこにいても家族の気配が感じられる、程良い距離感を作ることができました。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

・広い敷地を将来分割できるように、道路側に空地を残して、畑として使いたい。
・二世帯の住宅は各々独立した玄関が欲しいが、親世帯の気配が感じられるようにもしたい。
・隣家とのプライバシーの問題を植栽を植えることで解決したい。
・リビングに小上がりの畳のスペースが欲しい。
・キッチンはオープンキッチンで広々と。
といったご希望がありました。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

広々としたパティオの中央にシンボルツリーを植え、それを挟むように2階の左右のウィングに大きなルーフバルコニーを設けて、グリーンのプランターを並べたプランの模型をご覧になって、大変満足されたようでした。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

三世代二世帯の家族が中庭を介して、独立したスペースを持ちながら、お互いに動きと視線が感じられるような部屋の配置としました。また下階の日照と通風も考えて、2階の部屋は北側に寄せて、各ウィング共、南側に大きなルーフバルコニーを設け、緑を楽しむと同時に隣家とのカモフラージュともしました。

依頼者の声: 

「二世帯の玄関が独立しているので、お互いに気を使わなくて済むので、楽・・」
「パティオを通して、母親の動きが垣間見えるので、安心感があります。」
「天気の良い日はパティオで食事をしたりしても、プライバシーが保てるので楽しい。」
「小上がりの畳コーナーがあるので、ゴロゴロ出来て、とても楽ちん」
「オープンキッチンなので、部屋中が見渡せて安心します。」
「家の中のどこにいてもグリーンが目に入るので嬉しい。」
といった声をお聞きしました。

その他の画像: 

子世帯の広々としたリビングダイニング。小上がりの畳コーナーはゴロゴロするのに実に重宝なスペースとなってます。

畳コーナーからパティオを通して、母世帯の部屋が垣間見える距離にあります。

畳コーナーからダイニングテーブル越しに、ゆったりと広いオープンキッチンが見えています。

キッチンから部屋中が見渡せてとても便利。パティオ越しに母世帯の部屋の様子も伺えるので、安心感があります。

子世帯の広々とした玄関ホール。パティオに面して、シンボルツリーが見えてます。壁には奥様のコレクションのお皿が毎年1枚づつ増えています。

パティオを見下ろす2階には、大きなルーフバルコニーがあり、グリーンで溢れています。

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