客席数を最大限に確保する和風店舗・クラフトワン一級建築士事務所 山本昌史さん


 
和風店舗の場合、和風のアイテムである障子や襖といった可動式の建具を活用することで客席数を最大限に確保するレイアウトにすることができます。
 
和風店舗についてクラフトワン一級建築士事務所 山本昌史さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

 

貴社が和風店舗を手がけるようになったきっかけがありましたら教えて下さい

 
特別なきっかけというものはなくて、いつもお世話になっている工務店(セイシンネットワークデザイン株式会社)が飲食店の仕事を多く受注しており、3年くらい前から私も設計で参加するようになりました。
 
これまで、店舗デザインの仕事は一件しか手がけたことが無く、殆どがコンクリート打放し仕上げやPBに白のEP塗装といったモダニズムの禁欲的な設計ばかりでしたので、デザインの幅を拡げる良い機会だと思い、お仕事に参加させていただきました。
 

和風店舗の内装で気をつけていることを教えて下さい。

 
まずプランニングですが、客席数を最大限に確保するレイアウトを心掛けています。
特に大衆店の場合これは重要です。
 
この時、和風のアイテムである障子や襖といった可動式の建具を活用しています。
建具を取り払って、2室を1室にできるようにしたりすることは他の店舗でもやっていることと思いますが、私たちはさらに廊下の上に可動式の床を設置できるようにし、そこに2人分の補助席を作れるよう工夫をしています。
 
例えば、通路を挟んで6人の座敷席と8人の座敷席があるとき、これを連結させると合計16人の座敷席をつくることができるというわけです。
「月の兎別館十五夜」や「博多前炉端一承」は団体客をターゲットとしたお店ですので、このような平面レイアウトの工夫が経営者に大変喜ばれています。
 
次に素材ですが、木や石や和紙など、できるだけ自然素材を使うよう心掛けています。
壁には「バビスタンプ」という西洋漆喰を使うことが多いです。
スペイン産で色数も揃っており、これを使うことにより和洋折衷の面白さが生まれてきます。
コストも手頃で、イニシャルを抑えなければならない中、重宝している素材です。
 
古材を使うことも試みており、「月の兎別館十五夜」や「肉割烹花瀬」には古民家の建具を再利用しています。
背後にLED照明を仕込むことで、懐かしくも新しい不思議な感じを出すことができたと思います。
その他、廃材なども利用します。
海岸に流れ着いた流木なども意外と店の装飾として利用することができ、時間があるときは海岸を歩いて、使えそうな素材が落ちていないか探すこともあります。
 
車を運転しているときに、前を走るトラックが使えそうな鉄の廃材を運んでおり、後を追って行って頼んで分けて貰ったりしたこともあります。
古材や廃材など、時間を経た材料は、侘・寂といった風情を醸し出しますので、和風のデザインにはぴったりだと思います。
 

 

和風店舗の外観デザインで気をつけていることを教えて下さい。

 
和風ですので、「和の慎ましさ」というのを大事にしていますが、一方で商業建築でもありますので、店として目立つことも求められます。
この2つが両立するようにいつも意識してデザインしています。
 
それから、これは先述した和の慎ましさと関係があるかと思いますが、「店の奥の気配が感じるデザイン」を心掛けています。
 
建築家の槇文彦さんは、著書『見えがくれする都市』の中で、日本の空間の特性は表層と奥の関係にあると述べていますが、和風店舗にも同じことが言えると思います。
テナントの既設開口部の状況にもよりますが、店の外観には格子や簾などの透けるデザインを用い、店の中の様子が見え隠れするような外観となることを目指しています。
 
「博多前炉端一承」では、テナントのファザードか全面ガラスのカーテンウォールでしたので、テナント側と交渉して、前面に生け垣をつくるスペースを設けました。
ここでは植物によって店の中が見え隠れする関係をつくっています。
 
植物と建築の関係も和風店舗では重要です。
外構をデザインできるときは植栽にも気を配ります。
  

 

和風店舗の照明で気をつけていることを教えて下さい。

 
谷崎潤一郎が『陰影礼賛』で述べているように、和の空間は陰影が重要だと思います。
照明計画をするときは、空間を照らすのではなく、空間に陰影をつくるための手段としての照明を考えています。
 
「月の兎別館十五夜」では、エントランスに石のオブジェが並んでいますが、この石がつくる陰影は当初から意識していました。
 
また壁は先述した西洋漆喰のバビスタンプと石ですが、左官仕上げと石の凸凹にウォールウォッシャーライトを当てて、影を演出しています。
ウォールウォッシャーライトは和風店舗の照明では重要だと思います。
 
また、「月の兎別館十五夜」は細長い平面形の店舗ですが、置き床照明と座敷席の床下に仕込んだLEDライトでお客様を奥の空間へと導くことを意図しています。
 
このように和風店舗の照明は、陰影をつくるデザイン、光によって導かれるデザインが大事ではないかと考えています。
 

 

土地探し・テナント探しから相談にのっていただけますか?

 
勿論可能です。
私たちのチームには不動産仲介業を行っている者もいます。
物件探しからお付き合いいたしますので、遠慮無くご相談下さい。
 
テナントを借りる場合は、用途変更が必要となる場合があります。
用途変更とは、物件を現在使われている用途から特定の用途に変更して使用する場合に行わなければならない確認申請のことです。
 
例えば、事務所だった物件を飲食店に、物販店だった物件を飲食店に変更して使用する際に必要です。
私は一級建築士の有資格者ですので、このような法的な対応もお任せ下さい。
 

店舗のリニューアル等にも対応していただけますか?

 
勿論対応いたします。
私たちが別館の設計施工をてがけました「月の兎」様は、本館は先に別の会社が手がけたものですが、この本館の方のリニューアルを担当させていただいたりしています。
 

和風店舗を建てたいと思っている方になにかアドバイスがありましたら教えて下さい。

 
和のエッセンスというのは非常に奥深いものがあると思います。
やはり京都や奈良などに何度か足を運んで、本物の和の空間に触れることが、繁盛する和風店をつくることに繋がるのではないでしょうか。
もちろん、私たちも勉強を続けていきます。
 

今後どのような店舗を手がけてみたいですか。

 
和風といっても「縄文的なるもの」と「弥生的なるもの」の2つに分かれると思います。
 
これまで手がけてきた店舗は、どちらかというと土の香りのする縄文的な空間だったと思います。
今後は弥生的な空間、特に和風モダンな空間をつくってみたいと思っています。
 
寿司屋や懐石料理店などは和風モダンな空間が似合うのではないでしょうか。
このような店舗をお考えの方は是非声をかけてみて下さい。
 

クラフトワン一級建築士事務所 山本昌史さんの和風店舗・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
肉割烹花瀬

和風創作ダイニングのお店です。古い建具や家具を装飾に利用し、土着的でありながら高級感のある空間を目指しました。

博多前炉端一承

和風居酒屋です。既設テナントビルのガラスカーテンウォールを活かしながら、カウンター席と座敷席を配置し、様々な客層に対応できるようにしました。

月の兎別館十五夜

既存の和風居酒屋に近接して計画された姉妹店です。ここでは団体客をターゲットとするため、座敷席を効率よく配置し、126㎡の空間に76席を確保しました。古民家の家具を装飾として再利用するなど、懐かしさを感じるデザインとしました。

 

エアコンのいらない家キャンペーン

エアコンのいらない家

下記のキャンペーンは終了しました。ありがとうございました。
 
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賞品:書籍「エアコンのいらない家」
 
賞品のお届け:郵送でお届けします。
 
 

 

I-0643、図面だけを書いていただくお仕事(神奈川県)

ユーザー くま643 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
神奈川県
現住所‐郡市区町村: 
横浜市
依頼内容: 

図面だけを書いていただくお仕事です。
CADでも構いませんができれば手書きの製図でお願いしたいです。
建物の細かい条件等ございますのでそちらはメールやPDF等でお送りします。
配置図、平面図、断面図、立面図、をお願いします。
期限は二週間~一ヶ月でお願いします。
 
実際に建てたいわけではないので建設予定地や土地はありません。
条件に合っていれば力学的な考えもいりません。
 
少しでも気になった方ご連絡ください。
 
建築家の所在地について:
建築家の所在地にはこだわらない
 





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

昨日は、敷地の法的な規制を確認するため、
名古屋市役所へ行ってきました。
 
これから計画する家創りが、ちょうど二つあって、
両方とも名古屋市内なので、とっても合理的に調査と協議ができました。
 
 
そのうち、ひとつは。。
とっても厳しい法規制なんです。
 
建蔽率が30%。
 
しかも、高さに制限あり。
 
境界線から1.5m以上クリアランスが必要。
 
 
そんなに大きな土地ではないので、
ある意味、狭小住宅になってしまいます。
 
でも、そんな土地だからこそ、できる家創りもあるんです。
 
そのためにも、全ての法規制を、きちっと把握することが
肝心ですね。
 
しっかり、いろんな関係課と協議してきました。
 
これから、計画案を検討していくことになります。
ここまで厳しいと、ある意味燃えますね!
 
 
 
午後は、とある家のリノベーション打合せ。
 
オーディオルームのある家です。
 
昨日は、オーディオ関係に詳しい方を交えて、
打合せとなりました。
 
敷地としての制約があるのですが、
その中で、どこまで理想に近づけていけるのかを
じっくりと打合せしてきました。
 
最終的には、いい感じで方針が出たので、よかったです。
 
その他、住まいの部分については、
内装の仕上げの打合せでした。
 
床の素材、壁、天井の素材として
どんな種類のものがあって、メリット、デメリットをお伝えして、
どんな仕上げにしたいのかを確認しました。
 
一部保留もありましたが、
次回までにご検討いただけそうなので、安心しています。
 
 
 
いろんな家創りがあります。
 
ほんと、みなさん、個性的です。
 
その個性にふれると、ワクワクしてきます。
 
そのワクワクが、いいアイデアを閃かせてくれます。
 
 
そう。
 
家創りは愉しむもんなんですよ。

蔵のある家

●設計事例の所在地: 
福岡県春日市
●面積(坪): 
350㎡(106坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

方形の屋根を持つ外観

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

家相へのこだわりと蔵の空間

依頼者があなたに依頼した決め手: 

これまでの仕事をご覧になり、ご依頼を戴いた

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

吉相の家相を得るべく長い時間を費やした。結果として、凹凸の少ないシンプルな平面形の中に納めることができた。中間階には大きな収納室(蔵)を設けている。
また、内外とも左官の手を用い、窓まわりの納めにも工夫を凝らして木造とは思えぬ彫りの深さと重厚感を得た。

その他の画像: 

玄関ホール

廊下の吹抜け

趣味の和室

下山門の家

●設計事例の所在地: 
福岡市
●面積(坪): 
330㎡(100坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

蘇った建物の外観と蔵の風景

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

幼い頃に暮らした築80年の生家を蘇らせてほしい

依頼者があなたに依頼した決め手: 

これまでの仕事をご覧になり、ご依頼を戴いた

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

外国暮らしの長い依頼者ご家族にとって、和洋の融合は必須の条件でもある。外観を大きく改変することなく再生させ、かつ内部は現代的に改造した。また、いくつかの民家のパーツを記憶の仕掛けとして再生活用した。

その他の画像: 

裏庭より

居間とクドを改造した暖炉

趣味の和室

広縁

キッチン

バスルームの庭

瓦の再利用

再生前外観

再生前内部

城西の家

●設計事例の所在地: 
福岡市
●面積(坪): 
510㎡(154坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

数寄屋と石塀がコントラストを見せる正面の外観

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

高齢のお母さまの静かな時間を守る二世帯の住まい

依頼者があなたに依頼した決め手: 

これまでの仕事をご覧になり、ご依頼を戴いた

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

数寄屋造りと力強い御影石の塀がご希望であったが、対立するふたつの表情に水平線という共通の形態を用いて調和させる試みであった。
また中央に伸びやかなホールを置いて、二世帯の緩やかな分割と接合を図った。

その他の画像: 

石塀内部の建物外観

玄関ホール

居間

春日の家

●設計事例の所在地: 
福岡県春日市
●面積(坪): 
546㎡(165坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

むくり屋根の重なる外観

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

多くの来客を受け入れながらも落ち着きのある家としたい

依頼者があなたに依頼した決め手: 

長い時間をかけてデザインを重ねるうちに信頼関係が育まれ、同時に納得していただけるプランに到達した。その後、正式なご依頼をいただいた。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

歴史ある神社に隣接する緑に恵まれたロケーションである。季節ごとの催しにも格式が重んじられる、人々のつながりの強い土地柄であり、住まいは時折その地域の集いの場となる。むくりを持つ大屋根の下に「真・行」の区分を設け、各々に設えを施した。

その他の画像: 

外観夜景

アプローチ

玄関

Dual-Box

●設計事例の所在地: 
福岡市
●面積(坪): 
510㎡(154坪)
●建物の種類(大分類): 
住宅関連
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

正面外観(夕景)

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

閑静な住宅街で、植物を愛で、眺望を楽しみながら暮らしたい

依頼者があなたに依頼した決め手: 

過去にお付き合いがあり、信頼を寄せていただいていた

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

一帯は都心に近くも閑静な高台の住宅地である。特に良好な東南と南の2方向の眺望を確実に捉えるために、薄肉ラーメン構造の二つの箱を各々の眺望方向に向けた。このことは同時に都市でのプライバシーを保つことにもつながった。オーナーの嗜好と建物の素材や意匠とがマッチして、上質の内外観が得られた

その他の画像: 

エントランスと応接コーナー

ホール吹抜けとブリッジ

2Fブリッジ

居間棟外観

居間

居間とダイニング

仏間

第2宅老所よりあい

●設計事例の所在地: 
福岡市
●面積(坪): 
280㎡(85坪)
●建物の種類(大分類): 
医療・福祉施設
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

古民家のような正面外観

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

訪れるお年寄りの原風景に寄り添い、こころ安らかなひと時をつくりたい

依頼者があなたに依頼した決め手: 

それまでの交流を通して思いを共有していたこと

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

地域とのつながりを大切にしながらも、お年寄りの静かで穏やかな時間が守られるよう、建物の内外の計画に配慮した。また、限られた予算のなかで、建設費・運転費を抑えるべく、在来の木造工法にパッシブなエネルギー計画を融合させた。
計画に際しては介護専門職の他に地域の支援者などを交えたワークショップを重ね、建物づくりのプロセスにも配慮した。

その他の画像: 

主入口

居間

台所

縁側

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