鎌倉の茶室-小間「3畳台目向う切り」
狭い敷地にどのように、2階を住居とし、広間と小間、路地、玄関、寄り付きを配置するか、鎌倉といえどもハウスメーカーの建物が建ち並ぶ環境にあって、どのように茶の別世界を構築するかに大変苦労した。
手前座をみる
躙口より露地
水屋より茶室をみる
外腰掛けより茶室方向
内露地を俯瞰する
下地窓力竹(芽付竹)光の回り込みを考慮して位置を決める。
前面R外壁の汚れ落しの確認をして…一通り終了したところで監督から連絡がありシートを外して全体確認!コンクリート打放しは一部ではなく全体を見ることが大切!クライアントにも見て頂き一通り説明をさせて頂く!今回は…リトリン→レッカノン→デッグガードで覆う!苔防止→表面強化→撥水の世界最高の三層構造!!!
長い間時間をかけて培われてきた歴史や様式、その延長線上に我々の現代の住まいがあるのだという意識の上にその時代の和風建築は成り立っています。和風建築について渡辺貞明建築設計事務所 渡辺 貞明さんに伺いました
独立前に勤めていた早川正夫建築設計事務所は茶室の設計や歴史的建築物の復元,改修を数多く手がけてきた事務所で建築家堀口捨巳の設計姿勢を継承する事務所でした。 ここでは日本の伝統、歴史の延長線上にある現代の住まいを考える機会を与えられ、その経験が今の仕事の根底にあります。
ひとつひとつの建築が連なって、日本の町並みを形作っている事を忘れないようにしています。我々の生活がグローバルになればなるほど、私たちは日本人としてのアイデンティティーをより明確に持たなければなりません。建築はその日本らしさを具体的に表現する器としての役割を担っています。 法規や予算の都合により、大変難しい事とは思いますが、それぞれの建物の姿が連なって、自分の住む町並をつくり、そこで暮す事が誇りとなっていく事を忘れないように心がけています。
和風建築において、玄関に至るアプローチと玄関は単なる入り口の意味を超えて、非常に重要な演出の場所であり、訪れる人にとってその建物の「格」や内部の様子というようなものを予感させ、伝える事が大切かと思います。 できる限り、敷地入り口から玄関先がまっすぐに見通せるような配置は避けたいですね。
和風、特に数寄屋建築の屋根はこれ見よがしの構成は避け、軽快に素直に表現され、施主の美意識に対する見識を表現する意味で、重要だと思います。更に軒裏の表現は和風建築の重要な見せ場でもある事を忘れないようにしなければなりません。軒裏は当然ながら室内に座った時に美しく見える事も前提に考えます。これも法規や予算により大変な制約を受ける部分ですが、設計上大切な踏ん張りどころです。 屋根の素材はできればいぶし瓦、銅板葺きを使いたいものです。屋根の大きさや用途によって瓦の大きさを変え、軒先や棟瓦の形状もその建物の性質によって適切な選択をしなければなりません。これも日本の風景を守っていくためには大変重要な要素です。重い瓦を使う事で耐震性についても十分な配慮が必要ですが、建築基準法に基づく軸組計算書によって適切に考慮され、配置されていれば問題はありません。瓦などの重い材で葺いた場合と、金属板石綿板等軽い材で葺いたものとでは、2階建ての場合、全体で23%ほど瓦のほうが耐力壁を多く要求されます。
数寄屋建築などでは建物の角部分に壁があると、本来日本建築が持っている、解放感や、外部空間、軒下の空間とのつながりが失われがちになる場合があります。前述の屋根のところでお話した、要求される耐力壁の配置をバランスよく考慮しつつ、日本建築が本来持っている空間の本質をできる限り損なわないように間取りを設計していきます。大変難しい事ですが、法規に振り回されて見失ってはならない事を常にしっかりと認識して設計します。
私は「和風」という言葉があまり好きではありません。この言葉は自ら、「和のような」なのであって「和」そのものではないと言っているようで違和感を覚えるのです。たとえて言うと、日本らしさを表現するもののひとつに和菓子がありますが、これを和風菓子と言わないように、やはり日本独自の建築を和風建築というのは適切ではないと思うのです。 とはいえ、和風建築はすでに広く使われている言葉であり、今更頑なになる必要もありませんが、和ではなく和風(和のような・和モダンも同様)としか言いようのない建物が和モダンなどという言葉をかりて頻繁にみかけるようになったことに違和感を覚えるという事です。 長い間時間をかけて培われてきた歴史や様式、その延長線上に我々の現代の住まいがあるのだという意識の上にその時代の和風建築は成り立っています。何か新しいものを造り出す時、先人の試行錯誤の末、それが長い年月を生き残ってきた意味を理解し、その道筋の上に新しいライフスタイルとうまく折り合いをつけて造り出すものが新しい和風建築なのだと思います。 技術的には工業化が進みすぎて、日本の大工さんの技が淘汰されていっているのが現実です。適切な設計事務所、ふさわしい工務店を見極めていただきたいと思います。
当然の事ながら、お茶室での、主客の動きを体験的に知っており、道具の扱いについての知識がなければ茶室の設計はできません。自ら機会をとらえてお茶の稽古をし、そこから得た知見を設計に活かしていく事は必須です。各流派の違いを適切にとらえていく事も大切で、確認を怠って施主に絶対に恥をかかせてはなりません。
大正、昭和初期の住まいのように、西洋に憧れながらも、この国の風土に根ざした日本の住まい、そのような雰囲気を持った住まいを得意としています。最近のNHKの朝ドラ「カーネイション」から始まって「梅ちゃん先生」「ごちそうさん」「花子とアン」の時代背景を彩る建物のデザインに憧れる方は少なくないのではないでしょうか。あの雰囲気を現代の住まいの要求とすり合わせて、新しいかたちのスタイルとして提供したいと考えています。ホームページにもいくつか載せております、ご覧ください。 一方、この様な建物に関わっていると、ごく「普通の住まい」の在り方がとても気になってきます。むしろこれが一番大切なのだと思うのです。一般の方が住宅展示場から冷蔵庫や車を選ぶように工業製品としての住宅を買っていく、そこには便利さと引き換えに何か失われてはいないかと気になります。手の届く「日本らしいのふつうの住まい」これからはこの分野の設計にも更に力を入れていこうと考えています。 最近では古い建物の良さを活かしながら住まいのリノベーションの仕事も増えてきました。受け継いできた資産を新しい視点で蘇らせる、意義深い仕事だと思っています。 住まいを設計する上で建築家として心がけている事は、自分のスタイルを押し付けない事です。施主が求める心地よさを 建築の専門家として、施主の想像を超えた、より良いかたちで提案していく事が建築家の仕事。あくまでも住まいを完成 させるのは住み手であり、建築家ではありません。施主が住みながら自分のライフスタイルに染めて、より味わい深いものにしていく余地を残す事を心がけています。?
自邸 川崎
狭い敷地にどのように、広間と小間、路地、玄関、寄り付きを配置するか、鎌倉といえどもハウスメーカーの建物が建ち並ぶ環境にあって、どのように茶の別世界を構築するかに大変苦労した。
和風の古家のリノベーション和の面影を残し,日本家屋の佇まいの中に新しいライフスタイルを目指す
東に向いて、瓦屋根が高原の山並みの重なりのように連なっています。屋根の軒先などの外周部分をガルバニウム鋼板で葺き、それ以外は瓦で葺く越葺きです。瓦は深谷産のいぶし銀黒瓦で、耐久性が高く、手磨きのいぶしの輝きが時と共に豊かな表情を魅せてくれます。足元の草花、木の塀と塀越しの緑に包まれて、落ち着いた景観を造っています。
台形に変形した東向きの敷地に、どのようにしたら快適な家ができるか野草の庭をどのように造り、家と調和させるかご主人の趣味の木工と野鳥観察がうまくできるか、などがポイントでした。地震のこともあり、耐震性を高めて、かつ日本の家のよさでもある風通しがよくのびのびとした生活ができるかと言うことも、暮らし方として重要でした。できれば、どの窓からも、外の草花を見られるようにしたいと言うご要望はその後の設計に大きく影響しました。
木の家の設計監理の実績が多く、伝統的な木組みの家ができることに好感を持ってお問い合わせいただきました。木の家と言っても、最近の外壁に金属板を張ったりするデザインが納得できず木と塗り壁、和紙などの自然素材を外部やインテリアに適材適所で使えることも共感されました。変形した敷地で、しかも東向きですが、敷地の形に対応して雁行する間取りと瓦屋根の重なるデザインが、合理的な設計でもあることに納得していただきました。
道路側の庭の南側から、家の周りをぐるっと回るように庭のゾーンを設定しました。道路に沿って家をセットバックさせて、庭を確保し、徐々に雁行するプランニングとしました。庭のゾーン設定から家のゾーンを決めると言う手法ですが、敷地に余裕がありましたので家が圧迫されること無く、スペースが確保できました。その庭と向き合う形で、和室、ひろま、ご主人の書斎兼工房兼野鳥観察室を設けました。ひろまの天井を階段と共に2階まで打ち上げることで、欄間、トップライト、2階からの採光などの工夫をして、東向きの採光不足を補いました。内部空間の雁行をそのまま現した5層の屋根が、野草の庭と調和して、流れるような外観と道路からの圧迫感のない親しみやすい景観をつくっています。
木の家の完成後に、大きな木以外は、少しずつ植栽を自ら行いましたが自分の思いの庭造りができました。庭からひろまへ、2階へと風が通り抜け、庭と一体となった木の家の暮らしを楽しんでいます。日差しを浴びた庭からの間接光と2階からの光が時間の移ろいと共に感じられ、キッチン、浴室からも庭が見れることで、ほっとします。
玄関からアプローチと見ています。以前の古屋の瓦を保存しておいて、アプローチにご夫妻と共にセルフビルドで敷き込みました。デザインは瓦のウェーブを生かして水の流れを表現し、その淀みに車輪のモチーフを入れ込んで、水車と水の流れを描きました。
玄関から北東の庭を見ています。木の塀と植栽によって外界と仕切られています。雑前とも見えますが、手を入れすぎない野草の自然な庭です。
ひろまから2階への階段、2階階段ホールを見ています。階段はスリット階段ですので、奥の地窓の開閉もでき、風の通り道を幾通りも設けています。2階の部屋と吹き抜けを支える丸太の梁と大黒柱が空間を引き締めています。
ひろまからキッチン、書斎方向を見ています。キッチンはクローズドキッチンですが、完全に区切らずに緩やかに繋がっています。右側が書斎への入り口ですが、キッチンへもつながり、回遊式プランニングです。座卓は掘り込んで、床暖房を入れていますが、将来はテーブルにできるように床板含めて仕込んでいます。
キッチンは木のシステムキッチンと造り付け収納の組み合わせで家全体と調和させています。窓が二方向にあり、いずれの窓からも外の緑を見ることができます。
書斎は角に設けたため、二方向に窓を設けて、庭を見たり、鳥を観察したりできます。足が下に下ろせるように座卓にしており、座る床は畳を敷いています。壁面いっぱいの本棚は十分な収納量で、天井はにトップライトを設け竹を置くことで、日差しを和らげています。
ひろまの南側に和室があります。ひろまの北側の書斎の入り口まで、空間が一望できます。玄関は部屋として区切られていますので、冬場も一体的に使えます。正面右側の小さな窓は玄関との通風窓で、部屋と部屋の間の窓ですが竹を組み込んだ菱形の窓です。右側は玄関と一体となった土間で、庭作業の休憩所でもありご主人のそば打ちの場所でもあります。
和室の北側です。押入れの上には神棚を大工さんに造り付けてもらいました。その左は同様に造り付けの仏壇です。壁は珪藻土、天井はさわらの板です。
2階ホールからひろまを見下ろしています。丸太梁、欄間まど、トップライトが見えます。2階ホールの越屋根に設けたハイサイドライトの窓を開けると気持ちよく庭からの風が通り抜けていきます。
南西側道路の台形状の敷地に周辺では珍しくなった瓦葺の切妻屋根の家です。道路に平行なカースペースを設け、向かって右奥の引き込まれた部分がアプローチ・玄関です。限られた前庭に目隠しとなる植栽を施し、西日を防ぎます。2階の窓には、バルコニー手すりに掛けてカバーする外付けブラインドにより日差しを防ぎ、通風を確保します。ちょっとレトロなデザインです。屋根には、見えませんが、太陽光パネルを瓦葺きと調整して載せています。
岐阜の自然に囲まれて育ったご主人が、ログハウスを建てたいと思っていました。いろいろ検討していく中で、東京の街並みに急にログハウスの景観ではどうかと思い悩んでいました。また、敷地の形が台形状に変形しているため、うまく間取りが作れるかどうかと言うことも悩みの種でした。さらに、敷地が真南に向いておらず、45度以上触れていることから家の向きと間取りの難しさを感じていました。
外観は普通の家でも、内部はログハウスのように、床、壁、屋根を厚い板=あぜくら板で包み木のパオのような家の造り方ができると言う提案に共感をして頂きました。また、近隣の家が道路から見て右側の、南東向きに建っていることが多いのに比べて南西向きでも西日の影響を小さくし、プライバシーを確保しながら、道路から見たときの家のシルエットがきれいに見える設計が可能なことにご理解いただきました。変形した敷地の一部をサービスヤードやバスコートなどで有効利用できることも喜んでいただきました。それらの内容を確認いただいてから、設計契約をさせていただきました。
正倉院のような校倉工法をイメージしながら、朽ち果てても自然に還る木の家の造り方を新・あぜくらの家と呼んで、5棟設計監理してきました。それらの成果を生かして、南西向きの変形敷地でも、プランニングに柔軟に対応して成立させることができました。南西道路に向けた配置でも、植栽、格子雨戸、外付けロールスクリーン、高断熱性能Low-Eガラス木製サッシなど細かな工夫を施すことで、夏場の日射遮蔽とプライバシー確保が可能となりました。
想定どおり木に包まれて暮らすことがとても心地よいことを感じて生活しています。断熱性が高く、木に包まれたコンパクトな家のせいか、ペレットストーブで家全体が温まります。西日は思ったより暑くなく、気になりません。1階のひろまの格子雨戸はほとんど閉めたままで生活していますが、中からは外が良く見えますが外からは中がまったく見えませんので、安心して暮らせます。
玄関を入ると東向きの窓から特に朝日がきれいに入ります。あけると、ちょうど隣家の裏側で家が無いので、よく風が通り抜けます。土間は日本の昔の三和土(たたき)にも使われた間砂土で素朴に仕上げています。
ひろまに入ると、家の中心にあって、2階までの磨き丸太の通し柱が出迎えてくれます。子供さんが良く抱きつく、安心感のある柱です。将来のご両親のための和室コーナーとは仕切りはありませんが、建具をつけられます。
2階の梁を天井に現わしています。斜線制限で高さを抑えざるを得ませんでしたので天井を張らずに、2階の床下地のあぜくら板を梁と共に魅せています。その上には吸音材や遮音材を張って、2階の音をなるべく抑えています。その梁組みを利用して、建築化照明を造り込んでいます。右端にペレットストーブが設置されています。
和室コーナーの照明はちょっと趣向を変えて提灯照明にしました。ダイニングテーブルは故郷のケヤキの無垢の一枚板です。
格子雨戸を正面から見ました。格子の間から光は入りますが、少し動くと格子の隙間は小さく見え外からの視線は遮られます。格子雨戸は全部、外側の戸袋に閉めることができますので、開放すると存在が消えます。民家の雨戸と町家の格子の組み合わせです。
ひろまの北側のキッチンも木のキッチンです。お手入れも比較的簡単です。右側が造り付け収納です。開き戸ではなく、引き戸にしたいとの奥様のご要望から少しレトロなキッチンです。奥の勝手口ドアから外はサービスヤードになっています。ペレットストーブの燃料などを収納する外部収納などがあります。
キッチンの隣の洗面脱衣室です。窓越しにバスコートの緑が目に入ります。コンパクトながらも収納を多めという奥様のご要望です。
浴槽、洗い場がユニットで、その上が在来工法の木の浴室です。内装は青森ヒバで、乾燥さえ維持していけば、カビの心配はありません。二方向の通風窓とバスコートを見る窓の組み合わせです。
2階の中央部の多目的コーナーです。現在はご主人の自転車を置いたり、子供さんの遊び場ですが将来は個室として仕切れるようにしています。窓がLow-Eガラス木製サッシのため、夏の昼間でも暑さが厳しくありませんでした。上の窓は、家全体の換気窓となるハイサイドライトです。
多目的スペースから主寝室を見ています。多目的スペースの上にはロフトがあり、はしごを使います。子供さんにとっては格好の秘密基地になっています。屋根のあぜくら板をそのまま現していますが、断熱はその上に100ミリのウッドファイバーを入れていますので、あぜくら板ともあいまって寒暖を防いでくれます。
福島県須賀川市小作田で民家を民宿にします。用途変更の手続き依頼したい。木造2階建て 150㎡6室、検査済書紛失、築30年、保険所の許可にトイレ2、浴室1を追加する必要あり
敷地は道路から幅3mの通路を経て、その奥にメインスペースが広がる旗竿敷地です。通路部分はカースペース、門扉、門柱、宅配便収納、自転車収納を機能的に配置しその奥が両側に植栽を施した、日本の石で舗装されたスロープ状のアプローチです。
ご家族全員が家を原因とするアレルギーに悩まされていました。シックハウスの心配の無い、自然素材の木の家を希望されていました。ご夫妻共に仕事をされており、朝と夜、週末が貴重な家族の団欒の時間です。家事を効率的に行い寛ぎの時間をなるべく多く取りたい、家族にとって和みの家であって欲しい健康的で、高齢化したときでも安心して住み続けたいということが率直な思いでした。海外旅行の経験から、外国人が訪問しても、日本の生活文化を自信を持って見て貰えるようなそんな日本の木の家にしたいと言うことが基本でした。
木の家の耐久性や断熱材、木材、設備など様々な疑問について、メール相談を受けました。そのやり取りの中でご信頼を頂き、一緒に土地を探すことになりました。足掛け7年になり、良さそうな土地があれば現場に一緒に立会い、第三者的なアドバイスを行い可能性が高い土地についての計画案を作成して検討したりしました。その途中では、木の家の実例や工事途中の家づくりを見て、具体的に確認して頂きました。そうしたプロセスのなかで相互に信頼関係が生まれ、祈るような思いで今の土地に出会いました。同様に基本計画を立案し、全体地業予算の検討などを踏まえて、購入の運びとなりました。その頃なって、自然と設計契約の手続きが交わされました。
クライアントご家族にとっての和み軒の家とはどんなものかと、土地を見ながら考えました。旗竿敷地は道路に面している部分が小さく、奥に入っているために、車の通行、喧騒から離れ静かな環境という良さがあります。その通路部分のアプローチに工夫をすることで、我が家らしさを演出することができます。さらに、家族が団欒を過ごす居間を家の広場=ひろまに見立てて、家の中心に配置してその周りを1階は和室(将来の寝室)、ウォークインクローゼット、洗濯乾燥室、浴室・脱衣室洗面室・トイレ、キッチン、玄関などが囲み、2階はひろまを吹き抜けにして、その周りを主寝室、個室、書斎などが囲むような空間を提案しました。ひろまを中心とした一体的な空間を耐震性、耐久性、断熱性を満足させた木の家がシェルターのように包み込むことで、安心して、長きに渡って住み続けられる自然素材の木の家「和みの木の家」というイメージをクライアントご家族と共有できました。
仕事から家に帰ることが楽しくなりました。家に着くとホッとします。キッチンを中心に回遊的に家事ができるので、家族で分担しやすくなりました。庭や通路の植物を見ながら季節感じ、床の間や飾り棚に花を飾ったり楽しむことがたくさんあります。ひろまから家全体を見渡せることは家族の様子が確認でき、安心して生活できます。蒸し暑い梅雨時でも、室内は比較的さらっとしていて過ごしやすいです。
アプローチを進むと、二階の大屋根の下に次の間のある玄関の平屋の屋根と庇が来訪者を迎えてくれます。同じ切妻屋根の重なりが圧迫感を感じさせません。
玄関を入ると、右側の障子越しに丸窓の光が向かえてくれます。天井と壁は杉皮で染めた吉野和紙の袋貼りで仕上げられ、杉の建具の下足収納や壁と同じ和紙を張った建具のコートや小物収納が機能的に配置されています。正面は次の間で、床は畳、脇床の壁の和紙は藍染の吉野和紙の市松の袋貼りです。お客様や家族を優しく迎えながら、季節の飾りで楽しませてくれます。
ひろまに入ると、2階の吹き抜けから光が差しています。落ち着いた玄関、次の間とは打って変わって、ダイナミックなひろま空間に包まれます。家族で一緒に料理するためのオープンカウンターキッチンから、ひろま、和室など1階のスペースを一望できます。右側のユーティリティーからウッドデッキと和庭のある庭までの水平空間とひろまの吹き抜けの垂直空間が交差し、家の中心軸を造っています。ウッドデッキと和庭ができる前の画像です。
和室側のコーナーからひろまの北側を見ています。左側は洗面コーナーになり、中央の奥が2階に上がる階段です。吹き抜けに面する階段など、キッチン以外のすべての部屋が建具で仕切ることができ冬場の床暖房を効率的に利用することができます。床は無垢の北海道の栓で、壁は黄色の鉱物顔料を混ぜて色調を柔らかくした漆喰天井は吉野や九州の杉の無垢材です。
ひろま北側のユーティティーコーナーから南側を仰ぎ見ています。ダイニングテーブルの上のペンダント照明は腕木によって吊られ両側の2階の床梁には間接照明がついています。夜は木や漆喰に反射する光で、気持ちが和むような表情を魅せてくれます。南側の2階の窓の前には格子床のキャットウォークがあり、メンテナンスも容易です。一番上のハイサイドライトの窓は、家全体の換気窓にもなっています。ウッドデッキ、和庭ができる前の画像です。
ひろまの脇の和室は、お茶の嗜みもできるように炉を切っています。天井は2階の梁を耐震上大きくしたため、天井に出てきますがそれを利用して照明を建築化照明にして造り込みました。民家の木組みのように構成し、その間を吉野杉や萩天井にしました。壁は日本で最も吸放湿性能が高い珪藻土で仕上げ、床に間の柱は搾り丸太です。左側の雪見障子からは、手水鉢のある茶庭が見えます。
緩やかな階段を上がると、ひろまの吹き抜けに面するホールに出ます。吹き抜けとの間に障子を組み込みましたが、クライアントの柔らかいイメージでというご要望に基づき、風の流れのような曲線を感じるデザインとしました。右端の個室への引き戸の縦格子は和楽器の笙のイメージです。手前のカウンターは多目的で使えますが、現在は下に桐たんすが収納されています。
2階のキャットウォークの西側からひろまを見下げています。階段ホールの障子があけられて、南側の光が吹き抜けを介して、北側の階段ホール書斎まで届いています。ダイニングテーブルの照明を吊っている腕木はなるべく目立たないように三角形でぎりぎりまで細くしました。
キャットウォークの玄関側から吹き抜けを見ています。吹き抜けとの境の壁は、階段ホールと同様に個室にも窓があります。下を見て、キッチンで食事を作る家族ともコミュニケーションをとることができます。さらに、その上には回転欄間があり、夏は窓越しに風が室内にも通り抜けます。吹き抜けは単なる空間ボリュームではなく、風の、光の通り道としても機能しています。
茶庭の手水鉢の方から家の南面を見ています。家全体の大きな屋根と木製サッシがアクセントになっています。庇は夏の日差しをカットして、冬は陽光を取り込み、雨から窓を守っています。ウッドデッキでは休日のランチを楽しみ、和室の前の茶庭はお茶会の路地庭にもなります。
鎌倉の茶室 広間
八畳
控室
寄り付き
玄関
T社保養施設(古民家風) 長野県大町
長野県の民家の古材を使い、落ち着いた雰囲気で客を迎えたり、社員の研修、保養に使いたい。露天風呂を設置して緑濃い景色を満喫しながら、入浴できる
家作りに役立つ情報をお送りします。ぜひご登録ください。
当サイトに掲載2日後には8社よりコメント頂き、順次失礼のないようコメントのお礼と事前の資料を送付しました。3社とは面談の予定をやりとり中です。地元の方は1社で少ないな(^_^;) ...
建築家相談依頼サービスに投稿する前にどんなことで悩んでいましたか? 佐賀市での実績のある建築家をさがしたい。 ...
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