●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
山の林の中の敷地に案内されて初めて感じたことは、日本独特の仄暗い静かな美しさでした。この環境の中に明るく静かな抽象的な空間が作れないだろうか・・といったことが計画の中心となりました。
傾斜地に応じて、半地下ー1階ー中2階ー2階が連続するスキップフロアの構成にすることにしましたが、その全てのフロアに天空からの光を行き届かせる「光室」と呼ぶ中庭のような半外部的な内部空間を設けることにしました。
その空間に面するそれぞれの居室は、太鼓張りの障子で閉じたり開いたりすることができ、「光室」を中心に様々な空間が連続展開する変化に富んだ生活空間を演出することが可能となります。
障子を閉じると全ての空間が独立した抽象空間となり、開くと全てのフロアが一体となる有機的な空間になると言った具合に・・
山の中腹に切り取られた空間が、その自然の環境に応じて生き生きとした生活空間になることを目指しました。