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暮らしと仕事を、ひとつの建築で整えるという選択

〜美容室付き住宅の設計打ち合わせから〜

「いつか自分のお店を持ちたい」
「仕事と暮らしを、もっと自然につなげられたら」

カフェや美容室など、
自分の手でお店を育てていきたいと

考える方とお話ししていると、
こうした想いを耳にすることがよくあります。

奈良県葛城市で、
現在、美容室付き住宅(店舗併用住宅)の

設計が進んでいます。

写真は、その設計途中、
美容室オーナーさんとの打ち合わせの様子です。

図面やCG、資料を机いっぱいに広げながら、
「どんな美容室にしたいのか」
「どんな暮らしを大切にしたいのか」
そんな話を、ひとつひとつ整理していく時間。

やまぐち建築設計室では、
店舗付き住宅の設計を
単なる「間取り」や「広さ」の話として捉えていません。

お店づくりは、人生の組み立て直しでもある

美容室を開業するということは、
単に「仕事場をつくる」ことではありません。

・どんなお客様と関わりたいのか
・どんな働き方を続けていきたいのか
・家族との時間を、どう守りたいのか
・何年後、どんな姿でこの場所に立っていたいのか

こうしたことを、
自然と考えるタイミングでもあります。

今回の計画でも、
最初に話したのは
「席数」や「設備」だけではありません。

この場所で、どんな時間が流れてほしいか。

それを言葉にするところから、
設計は始まっています。

平屋の美容室付き住宅という選択

今回の建物は、
平屋をベースにした店舗付き住宅です。

美容室部分と住居部分を
無理なく分けながら、
行き来しやすい距離感を大切にしています。

店舗部分(美容室)は、
無機質でシンプル、
けれど冷たすぎない空間。

土間コンクリートの床、
クロス仕上げの壁と天井、
そこに木の質感を少しずつ加えています。

派手さよりも、
長く続けられる落ち着きを。

一方、住居部分は、
一部スキップフロアを取り入れ、
平屋でありながら立体的な広がりを持たせています。

仕事と暮らしが近すぎず、
遠すぎず、
心地よい距離でつながる構成です。

美容室という空間は、意外と「繊細」

美容室は、
思っている以上に繊細な空間です。

・長時間座る
・鏡越しに空間全体が見える
・音や照明が、無意識に影響する

だからこそ、
流行だけでつくった空間は、
数年後に違和感が生まれやすい。

今回の設計では、
天井に木質の格子を設け、
光と陰影にリズムをつくっています。

「落ち着く理由」を、
建築的に用意する。

それが、
お客様の居心地にも、
オーナーさん自身の働きやすさにも
つながっていきます。

店舗付き住宅は「難しい」のではない

「店舗付き住宅って、難しそうですよね」

そう言われることもありますが、
本当に難しくしてしまう原因は、
考える順番にあることが多いと感じています。

・とりあえず店舗を先に考える
・住宅は余ったスペースで
・法規は後から確認する

この順番だと、
どこかに無理が出やすい。

やまぐち建築設計室では、
暮らし・仕事・法規を
最初から同時に整理します。

美容室の場合は、
建築基準法や都市計画法だけでなく、
美容師法、保健所の基準なども関わってきます。

これらを「制約」ではなく、
設計の前提条件として組み込むことで、
後戻りのない計画が可能になります。

CGでイメージを共有する理由

今回の打ち合わせでも、
CGを使って空間を確認しています。

CGは、
完成イメージを見せるためだけの

ものではありません。

・この高さで落ち着くか
・この距離感は心地よいか
・動線は自然か

こうした感覚的な部分を、
言葉と一緒に確認するためのツールです。

「ここ、いいですね」
「もう少し静かな雰囲気にしたいですね」

そんな会話の積み重ねが、
空間の質を高めていきます。

暮らしと仕事は、対立しなくていい

仕事と暮らしは、
きっぱり分けたほうがいい。

そう考える方もいれば、
自然につながっているほうが

楽だと感じる方もいます。

どちらが正解、ということではありません。

大切なのは、
自分に合った距離感を、建築で整えること。

今回の美容室付き住宅も、
オーナーさんの人生の在り方に合わせて、
少しずつ形になっています。

お店を持ちたいと考えている方へ

・いつか美容室を開業したい
・自宅と店舗を一体で考えたい
・将来まで見据えたお店づくりをしたい

そんな方は、
「間取り」や「デザイン」の前に、
一度、暮らしと仕事の話をしてみてください。

建築は、
人生を支える土台です。

やまぐち建築設計室では、
住まいも、店舗も、
その人らしい時間が流れる場所として
丁寧に設計しています。

今回のブログが、
住まいと暮らしを見直す
小さなきっかけになれば幸いです。

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
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家族の距離が、暮らしの質を決めているかもしれません

住まいは、
家族の距離感や心の状態を、
とても静かに左右しています。

毎日を過ごしていると、
その影響にはなかなか気づきにくいものですが、
実は住まいのつくり方ひとつで、
暮らしの感じ方は大きく変わります。

人には誰しも、
「近づかれると疲れる距離」があります。

それはわがままでも、
性格の問題でもありません。

人が本能的に持っている、
パーソナルエリアと呼ばれる
目に見えない心の領域です。

この距離の扱い方次第で、
暮らしの質は、驚くほど変わっていきます。

間取りやデザインの前に、考えていること

やまぐち建築設計室では、
間取りやデザインを考える前に、
必ず立ち止まって考えることがあります。

それは、

人と人との距離
視線の向き
気配の伝わり方
空間の余白

こうした、図面には描きにくい感覚です。

どれも、
暮らしの中では当たり前のようでいて、
実は心の状態に大きく影響しています。

「心が荒れにくい住まいとは、どんな環境なのか」

その問いから、
設計を組み立てています。

段差とスキップフロアが生み出す、やさしい距離感

今回の写真は、
和モダンの住宅における
スキップフロアのあるリビング空間です。

床の段差や、
階段途中に設けた中間領域によって、
空間はひとつでありながら、
距離感がやわらかく分節されています。

中庭からの光が奥まで届き、
視線は抜けながらも、
密接しすぎない関係性が保たれる。

同じ空間にいながら、
それぞれが自分の居場所を感じられる設計です。

こうした距離の調整が、
日常の緊張を、
少しずつ、静かにほどいていきます。

住まいを「人生を整える環境」として考える

住まいを、
人生を整えるための環境として考える。

それが、
私たちの建築思想です。

家族の距離が、
暮らしの質を左右している部分もある。

そう感じることが、
設計の現場では少なくありません。

パーソナルエリアという考え方

人には誰しも、
自分の身体のまわりに
目に見えない「心理的な領域」を持っています。

これを
パーソナルエリア(パーソナルスペース/対人距離)
と呼びます。

他人が無断で入り込むと、
理由もなく不快や緊張を感じる空間です。

たとえば、

満員電車で感じる息苦しさ
公共のベンチで、隣に座られたときの違和感
会話中、無意識に一歩下がりたくなる瞬間

これらはすべて、
パーソナルエリアが侵されているサインです。

距離には「段階」がある

アメリカの文化人類学者
エドワード・ホールは、
人と人との距離を
次の4つに分類しました。

密接距離(約45cm以内)
 恋人や家族など、極めて親しい関係
個体距離(約45cm〜120cm)
 友人や親しい同僚との自然な会話距離
社会距離(約120cm〜360cm)
 仕事やフォーマルな場面での距離
公衆距離(約360cm以上)
 講演や集会など、不特定多数への距離

この距離感は、
関係性や文化、年齢、
その時の心の状態によっても変化します。

特に日本人は、
パーソナルエリアが比較的広い傾向がある
とも言われています。

家の中こそ、距離が人を疲れさせる

多くの人は、
パーソナルエリアの話を
「外の世界の話」だと感じています。

けれど実際には、
家の中こそ、距離の影響が大きい。

なぜなら、
住まいは「毎日」「長時間」
過ごす場所だからです。

外であれば我慢できる違和感も、
住まいでは、
少しずつ積み重なっていきます。

家族だから、ずっと近くていいわけではない

「家族なんだから、距離は近い方がいい」
「一体感のある間取りが、仲の良い家族をつくる」

そう思われがちですが、
これは半分だけ正解です。

距離がまったく取れない住まいは、
知らず知らずのうちに、
無意識の疲労を生み出します。

常に視線が合い、
常に気配が伝わり、
常に声が聞こえる。

心理学的には、
軽い緊張状態が
ずっと続いている状態です。

「理由もなくイライラする」その背景

設計前のご相談で、
こんな言葉を耳にすることがあります。

「大きな不満はないんです」
「でも、家にいるとイライラすることが多くて…」

この場合、
問題は感情ではありません。

距離の問題であることが、
とても多いのです。

密接距離に入りすぎている
個体距離が確保できていない
逃げ場がない
一人に戻れる場所がない

この状態では、
脳も心も休まりません。

良い住まいは、関係を「守る」ためのもの

私たちは、
家族の距離感をこう捉えています。

仲良くするために、
近づけるのではない。

壊れないために、
離れられるようにする。

距離が取れるから、
また自然に近づける。

これは、
心理学的にもとても大切な考え方です。

距離は、壁だけで生まれるものではありません

距離というと、
壁や部屋数を思い浮かべがちですが、
実際にはもっと繊細な要素で決まります。

視線の角度
床レベルの差
天井の高さ
光の方向
音の抜け方
家具の配置
動線の交差

ほんの少しの違いで、
心理的な距離は大きく変わります。

和モダン住宅が落ち着く理由

和モダンの住まいに、
「なぜか落ち着く」と感じる人は多い。

それは、
意匠だけの理由ではありません。

障子や格子、縁側、余白。
これらはすべて、
距離をやわらかく調整するための
日本の知恵です。

密接距離と個体距離を、
自然に切り替える装置とも言えます。

住まいに必要なのは「可変する距離」

現代の暮らしは、
情報も刺激も多い時代です。

だからこそ、
距離を固定しない柔軟さが必要になります。

集まるときは集まれる
離れたいときは、そっと離れられる
見守れるけれど、干渉しない

この切り替えができる住まいは、
時間をかけて、
家族関係を支えてくれます。

子どもにも、夫婦にも必要な距離

子どもにも、
きちんとしたパーソナルエリアがあります。

常に見られ、
常に声をかけられ、
一人になれない環境では、
集中力や自律性が育ちにくい。

夫婦関係も同じです。

近すぎると、
言葉が荒れやすくなり、
遠すぎると、
会話が減ってしまう。

良い住まいは、
会話が生まれやすく、
衝突が長引きにくい距離をつくります。

建築家が行っていること

私たちが設計の初期段階で
大切にしているのは、

「何畳必要か」よりも
「どんな距離が必要か」という視点です。

距離を読み違えると、
どれだけ高性能で美しい家でも、
暮らしは息苦しくなってしまいます。

上質な住まいとは

上質な住まいに共通しているのは、
派手さではありません。

距離の扱いが、
とても丁寧であること。

近づきすぎない
でも、孤立しない
見えるけれど、侵さない

この距離感が、
品のある空間をつくります。

距離が整うと、暮らしが変わる

距離が整った住まいでは、

声を荒げる必要が減り
無意識の疲労が減り
一人時間が肯定され
家族との時間を、素直に楽しめる

住まいが人を変えるのではありません。
人が本来持っているバランスを、
環境が引き出しているのです。

最後に

もし、

家にいるのに落ち着かない
家族との距離に違和感がある
住まいを変えたい理由が言葉にできない

そう感じているなら、
それは間取りではなく、
距離の問題かもしれません。

やまぐち建築設計室では、
住まいを「形」ではなく、
人の感覚から考える設計を行っています。

距離を読み、
距離を整え、
無理のない暮らしをつくる。

今回のブログが、
住まいと暮らしを見直す
小さなきっかけになれば幸いです。

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暮らしが整うと、人生は静かに変わりはじめる

—— 建築家として、最近よく感じること ——

「家にいるのに、
なぜか気持ちが休まらない。」

住まいのご相談を受けていると、
最近、本当によく耳にする言葉です。

片づけていないわけでもない。
忙しさに流されているつもりもない。
それなのに、
家に帰っても、どこか落ち着かない。

実はこれ、
珍しい感覚ではありません。

むしろ、
仕事や家庭に真剣に向き合ってきた方ほど、
ある時ふと感じ始める違和感でもあります。

暮らしの違和感は、心の弱さではありません

「自分の気持ちの問題かな」
「もっと我慢すべきなのかな」

そう思ってしまう方も多いのですが、
建築家として多くの住まいを見てきて感じるのは、

その違和感の多くは、
“暮らしの環境”がつくり出しているということです。

人は、
どんな空間で、
どんな情報量に囲まれているかによって、
思考や感情が大きく左右されます。

家は、
想像以上に「心」に影響を与える場所なのです。

暮らしが整わない原因は、「物の多さ」ではない

「もっと収納があれば」
「もっと広ければ」

そう思われることもありますが、
本質はそこではありません。

問題になるのは、
毎日の中で“考えなくてはいけない場面”が多すぎること。

・どこに置こうか
・どれを使おうか
・次にどう動こうか

こうした小さな判断が、
家の中にあふれていると、
知らないうちに心は疲れていきます。

本当に心地よい住まいとは、
「おしゃれな家」ではなく、

考えなくていい時間が、
自然に生まれる家だと考えています。

所作が整うと、暮らしは驚くほど楽になる

設計の際に、私がとても大切にしているのが
「所作」という考え方です。

立つ。
歩く。
取る。
戻す。

この一連の動きが、
無理なく、迷いなく、流れるようにつながっているか。

所作が整うと、
暮らしの中から小さなストレスが消えていきます。

それは、
家事が楽になる、という話だけではありません。

日々の疲れ方そのものが変わっていく
そんな変化が起こります。

余白は、贅沢ではなく「必要なもの」

「余白」という言葉を聞くと、
どこか贅沢な印象を持たれるかもしれません。

けれど、私たちはこう考えています。

余白とは、
心と身体が回復するために必要な機能。

・視線が抜ける場所
・立ち止まれる空間
・用途を決めきらない一角

こうした余白があることで、
人は無意識のうちに呼吸を整え、
思考を休めることができます。

暮らしの積み重ねが、未来をつくっていく

暮らしが整ったからといって、
人生が一気に変わるわけではありません。

けれど、

・疲れにくくなる
・感情が安定する
・判断がぶれにくくなる

こうした小さな変化が、
5年後、10年後の人生に
確かな差を生んでいきます。

暮らしの差は、
人生の背景をつくり、
未来の選択肢を広げていく。

これは、
多くの住まい手さんと向き合ってきた中で、
実感していることです。

住まいは、
頑張るための場所ではありません。

人生を静かに受け止め、
整え、
次の一歩を選びやすくしてくれる環境。

このブログが、
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ヤマハリゾート 葛城北の丸(外装照明改修)

●設計事例の所在地: 
静岡県袋井市
●面積(坪): 
約1768.85坪
●建物の種類(大分類): 
その他
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

伝統美と感性が響き合う極上の旅の宿、葛城北の丸。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

ヤマハグループが展開するこのリゾート施設は、歴史ある7件の古民家を移築再生して、昭和53年(1978)年に建築されています。そんな伝統美をもつ古民家の、老朽化部分の補修にあわせて、建物の顔となる門とエントランスの照明計画を進めました。照明デザイナーも加わり、静寂と調和が奏でる非日常空間のリゾートホテルは、現代の感性で美しく進化しました。

その他の画像: 

祇園の宿 杏花

●設計事例の所在地: 
京都市東山区
●面積(坪): 
43.13
●建物の種類(大分類): 
その他
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

祇園中心部に位置する、京町家宿泊施設。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

全室スイートタイプの4室からなる客室は、京町家の持つ伝統美を随所に感じる、ラグジュアリーな空間となっています。

その他の画像: 

アビタホテル京都鴨川

●設計事例の所在地: 
京都市東山区
●面積(坪): 
73.84坪
●建物の種類(大分類): 
その他
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

華やかさと重厚感が醸し出される非日常空間 「アビタホテル京都鴨川」。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

コスチュームジュエリーブランド「アビステ」が運営する、ヨーロピアンスタイルを感じさせるソフィストケートブティックホテル。館内の至るところまでこだわり抜いた個性的なインテリアと、居住性と内装美を備えた客室は、女性へのおもてなしをコンセプトにしています。

その他の画像: 

I-5166、100坪の箱形の倉庫を自分で建てようと……(千葉県)

ユーザー マルハン の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
千葉県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

お世話になります。
300坪の土地に100坪の箱形の倉庫を自分で建てようとしていますが、可能でしょうか?。
 
法律上、設計図といろんな申請書類が有るみたいで、設計図と書類申請を依頼したいのですが、可能でしょうか?。
 
宜しくお願い致します。
 
建築家の所在地について:
建築家の所在地にはこだわらない





ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

家づくりの相談を受けていると、
たくさんの「こうしたい」という言葉に出会います。

収納を増やしたい。
広いリビングにしたい。
回遊動線にしたい。
書斎がほしい。

どれも自然な希望で、
どれも大切に扱いたい内容です。

ただ、私はそれらを
「はい、分かりました」と
そのまま設計に落とし込むことは、あまりしません。

少しだけ時間をかけて、

その希望は
どこから生まれてきたのか

一緒にたどっていくところから、
家づくりを始めることがあります。

 

希望そのものよりも、

「その言葉に至るまでの経験」や
「何度も頭に浮かんだ記憶」
「モヤモヤの正体」

そちらの方に
大切なヒントが隠れていることが多いからです。

 

たとえば、

「収納を増やしたい」という言葉の奥に、

片付けられない自分を責めてきた時間や、
家族に気を遣い続けてきた気持ちが
静かに横たわっていることがあります。

 

「広いリビングにしたい」という言葉の奥に、

家族が同じ空間にいる安心感や、
誰にも邪魔されず過ごしたい静かな時間が
混ざり合っていることもあります。

 

言葉として表に出てくるのは
“結論の一部”だけで、

そこへ至るまでの気持ちや背景は、
言葉にならないまま
胸の内にとどまっていることが、少なくありません。

 

だから私は、

希望を「叶える」前に、
希望を「ほどく」ような対話をします。

 

過去の暮らしのこと。
これまで感じてきた不便さ。
誰にも言ってこなかった本音。

少しずつ、少しずつ、
言葉を探すように話していただくと、

「そういえば、あのときから気になっていて…」

と、思い出すように語られる瞬間があります。

 

その瞬間に、
家づくりは少しだけ深くなります。

 

要望を実現することが
ゴールではなくて、

その奥にある感情や価値観を
一緒に見つけていくこと。

 

それが、

「なぜその希望が出てきたのか」

を考えるということなのだと思っています。

 

もし、あなたが今、

やりたいことが
うまく言葉にならなかったり、

希望をうまく整理できていなかったとしても、
どうか焦らなくて大丈夫です。

 

形になっていない想いこそ、
いちばん大切な材料になることがあります。

 

言葉にならないところから、
一緒に、ゆっくり考えていきましょう。

大森のアトリエ

●設計事例の所在地: 
東京都大田区
●面積(坪): 
40.5㎡(12坪)
●建物の種類(大分類): 
その他
●メインの画像: 
●メイン画像の説明文: 

築48年のSOHOビルの一室を改修し、ランドスケープアーキテクトのアトリエを計画した。計画地の近くには大森貝塚遺跡庭園という公園が整備されており、大森貝塚は日本初の学術的な発掘調査が行われたため「日本考古学発祥の地」と呼ばれている。そのような地歴のある土地で、ランドスケープのアトリエを計画するに当たって、『地層×グリーン』をコンセプトにデザインを組み立てた。

建てる前に依頼者が悩んでいた事・ご希望: 

窓際に巨大な床置きエアコンが置いてあり、それを撤去してエアコンを新しくしたい。
室外機置場がないためウインドウエアコンとする必要がある。
ユニットバスとセットのトイレを通常のトイレにしたい。
室内に植物を置き、壁はグリーンカラーにしたい。書籍を置く本棚とデスクが欲しい。
窓を開けると落下の恐れがあるので対処したい。

依頼者があなたに依頼した決め手: 

別の戸建て住宅リノベーション物件の内覧会に参加してもらい、その仕事ぶりが評価されてご依頼いただきました。

●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など): 

『地層×グリーン』をコンセプトに、室内には植物が置かれることから、壁は植物との相性を考慮して、淡いグリーンの水性塗料で仕上げた。床は植物を置いたり、自由な使い方が出来るようにセルフレベリング材仕上げとし、明るく透明感のあるインテリアを目指した。シナ合板のボックスを積み上げた積層棚など、家具は地層をイメージして、積層合板で製作した。積層棚はA4ファイルボックスがぴったり納まるように寸法を決め、2種類の寸法の棚を、隙間を開けながら積み上げて構成している。デスクの天板には積層合板の上に天然素材のリノリウムを貼って仕上げた。元が古い建物のためか、窓辺には手摺がなかった。そのため、窓が開く部分については、落下防止のため、梯子状の面格子をデザインし、積層合板で製作した。災害時には窓から救助できるように、横にスライドさせて取り外し可能なディテールとした。

依頼者の声: 

「美しいインテリアに仕上がり大変満足しています。来客があると皆様から褒めていただけます。積層棚やミニキッチンなど設備回りも使い勝手がとても良いです。建物は古いですが快適な空間になりました。」

その他の画像: 

地層をコンセプトに積層合板で製作したデスク天板。

落下防止の面格子も積層合板で製作した。横にスライドさせれば取り外すことができる。

地層をコンセプトにデザインした積層棚。積層合板から製作した。

積層棚詳細。

打合せスペースのテーブルも地層をコンセプトに積層合板製の天板とした。

出入口回り。

トイレも同じデザインで統一。

ミニキッチン。1口IHと電気温水器を設置。

外観夕景。暖色の照明が外部に温もりを与える。

I-5165、新築の物件や既存の物件の検査(東京都在住・検査対象地は神奈川県)

ユーザー 佐藤4780 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
神奈川県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

弊社は、東京に拠点を置く住宅検査会社です。
神奈川県内で新築の物件や既存の物件の検査にご対応いただける建築士の方を探しております。
ご自身の業務をしながら、空いたお時間を活用してご対応いただく事も可能です。
対応可能でしたら、委託契約後、机上研修や現場研修を経て、現場に出ていただく流れとなります。
既存住宅の検査に関しては、一部必要な機器の無償貸与も行っております。
ご興味がございましたら是非ご連絡いただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する





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