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旅は、私たちの感覚を目覚めさせてくれます。
異国の街の匂い、風の音、光の色。
それらは時間が経っても、ふとした瞬間に心の奥から蘇ってくる。

そんな旅の記憶を、アートという形で暮らしに取り入れると、
日常の中に“もう一つの風景”が生まれます。

アートは単なる飾りではなく、過去と現在をつなぐ小さな記憶装置なのです。

1. 旅の写真を「作品」にする
まずおすすめしたいのは、旅先で撮った写真をそのまま飾ること。

それも観光写真ではなく、「その時、自分が惹かれた瞬間」を選ぶのがコツです。

石畳に落ちた光、路地裏の壁の質感、見知らぬ街角の窓。
そうした一枚をプリントし、丁寧に額装すれば、それは立派なアートになります。

アートを“買う”のではなく、“感じた時間を飾る”。

その方が、暮らしの中で長く心に響きます。

2. 海外のアートポスターや版画を迎える
自分で撮った写真だけでなく、訪れた土地の空気を感じるアートを選ぶのも楽しい方法です。

北欧の抽象ポスター、パリのギャラリーの版画、京都の町家の木版画など。
旅の余韻を、作品として持ち帰るイメージです。

空間に異国のリズムが加わると、家全体の“呼吸”が変わります。
それは、毎日を少しだけ旅気分にしてくれる不思議な力です。

3. 飾る場所に“物語”をつくる
旅をテーマにしたアートは、配置によっても印象が変わります。

リビングに並べて飾れば「人生の航跡」になり、
寝室に一枚だけ飾れば「心の中の静かな旅」になります。

たとえば――

ソファ背面に旅先の風景を数枚並べて“記憶のギャラリー”に

廊下に一枚ずつ異なる土地の写真を飾って“道の物語”に

書斎の壁に地図のポスターを貼り、“未来の旅”を思わせる空間に

アートを飾ることが、時間の流れをデザインする行為になるのです。

4. 土地の“手仕事”を飾るという選択
旅の中で出会うクラフトや民芸も、立派なアートです。

織物、陶器、木彫、紙細工――それぞれの土地の素材や技法には、文化の息づかいがあります。

棚に置いた一枚の陶板、壁に掛けた布、窓辺の木工オブジェ。

それらは静かに“その土地の空気”を運び、空間に奥行きを与えてくれます。

5. 「行けない場所」への旅としてのアート
最近では、実際に旅に出ることが難しい時期もあります。
そんなときこそ、アートが“心の旅”を支えてくれます。

知らない国の風景を描いた作品、海を越えたアーティストの手仕事。
それらを見ることで、私たちは外の世界と再びつながることができるのです。

まとめ
「旅を飾る」とは、単に思い出を並べることではありません。
それは、自分の中に残った“感覚の余韻”を空間に再現すること。

アートを通して、行った場所・出会った風・感じた時間がふたたび息を吹き返す。

家の中に“旅が続いている”と感じられる空間は、
日常をやわらかく照らし、心に豊かな余白をつくってくれます。

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■ 打ち合わせ=大変、と思っていませんか?
家づくりの打ち合わせというと、「専門的で難しそう」「時間がかかって疲れそう」と感じる方も少なくありません。
特に建て替えやリフォームの場合、家のこと・お金のこと・家族のことなど、決める項目が多く、
「話がまとまらない」「結局どれがいいのかわからない」という声もよく聞きます。

でも、本来の打ち合わせは“面倒な作業”ではなく、
**「これからの暮らしを形にしていく、一番ワクワクする時間」**のはず。

今日は、その時間をもっと楽しく、有意義にするための3つのコツをご紹介します。

■ ①「好き」を言葉にしてみる
打ち合わせをスムーズに進めるコツは、専門的な知識よりも“感覚の共有”です。
たとえば、
「このホテルの雰囲気が好き」
「このカフェの明るさが落ち着く」
「木の温かみがある空間にしたい」

そんな感覚的な言葉でも大丈夫。
設計士はその中から「素材」「照明」「レイアウト」などの要素を読み取り、
あなたの“好き”を空間として翻訳してくれます。

言葉にするのが難しいときは、スマホの写真やPinterestの画像を見せるのも効果的です。

■ ②「正解を探す」のではなく、「納得を積み重ねる」
家づくりには、明確な“正解”がありません。
どんな素材を選ぶか、どんな広さにするか――すべては暮らす人の価値観次第。

だからこそ大切なのは、「どれが正しいか」ではなく、
「自分たちはどう感じるか」を大切にすること。

打ち合わせでは、迷うことも多いですが、
設計士と話しながら一つずつ「納得」を積み重ねていけば、
最終的には“自分たちだけの正解”にたどり着きます。

焦らず、ゆっくり考える時間を楽しみましょう。

■ ③ “図面の話”より“暮らしの話”をする
図面や仕様の話ばかりになると、打ち合わせは疲れやすくなります。
でも実は、設計士が本当に聞きたいのは“図面の中身”ではなく、“暮らしの背景”です。

「休日はどんなふうに過ごしたいか」
「朝の時間は、誰がどこで何をしているか」
「家のどこで一番落ち着くか」

こうした何気ない会話こそ、設計のヒントになります。
打ち合わせは、“理想の暮らしを語る場”と考えると、自然と前向きな時間になります。

■ まとめ:打ち合わせは“共創”のプロセス
家づくりの打ち合わせは、依頼者と設計士が一緒に未来を描く“共創”の時間です。
たくさん話すほど、想いがカタチに近づき、完成した家への愛着も深まります。

打ち合わせが楽しくなる3つのコツ――
①「好き」を言葉にする
②「納得」を積み重ねる
③「暮らしの話」を中心にする

これを意識するだけで、家づくりはきっともっと豊かで楽しい時間になります。

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二世帯住宅の計画で必ず悩むテーマが、親と子で資金をどう分担するかという問題です。
「土地は親が持っているけれど、建物は子が払うべき?」「親子でローンを組む方が得?」
そんな疑問に対して、資金・税金・相続の観点から現実的な考え方をまとめました。

1. 親子ローンは“使えるかどうか”から検討する
親子で住宅ローンを組む方法には、「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」があります。
しかし、どの方法も 利用条件が金融機関によって大きく違う ことがポイントです。

特に注意したいのは以下の点です。

同居が前提という銀行も多い

完済時年齢(例:80歳未満)が厳しく設定されている

親が年金収入のみの場合、審査が通りにくいケースがある

つまり、親子ローンは“誰でも使える制度”ではありません。
まずは 利用条件に適合するかを確認することが第一歩 です。

2. 住宅ローン控除は「住む部分」が基準になる
二世帯住宅の税制で特に重要なのが、**住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)**です。
この制度は、次のルールで適用されます。

借入者が実際に居住する部分に対してのみ控除が適用される。

つまり、

完全分離型 → 親子それぞれが自分の居住部分にローンを組めば“両方が控除の対象”

一体型・部分共有型 → 名義と居住実態が一致していないと控除が受けられない

「どんな二世帯形式にするか」が、税制の有利不利にも直結します。

3. 親から子への資金援助は“贈与税の特例”を活用する
二世帯住宅では、親が子へ資金を援助するケースがとても多いです。
このとき活用したいのが 住宅取得資金贈与の非課税制度。

ただし──
この制度は 毎年条件・非課税枠が改正される のが特徴です。

※住宅取得資金贈与の非課税制度は毎年改正が入るため、最新の制度をご確認ください。

4. 将来の相続を見据えて「持分割合」を決める
親が多く資金を出す場合、建物の名義(持分割合)をどうするかは非常に重要です。
曖昧にすると、将来的な相続の際に 「不公平感」「相続税評価」「兄弟間トラブル」につながることも。

親が資金を出した分は親の持分

子世帯のローン分は子の持分

土地の名義と建物の名義をどう一致させるか

これらを 資金負担と相続計画の両方から整理することが、将来のトラブル回避につながります。

5. 正解は「公平」ではなく“納得感”
資金分担に“唯一の正解”はありません。
大切なのは、

親世帯の生活の安心

子世帯の返済可能額

税制のメリット

将来の相続への影響

これらを踏まえながら、家族全員が納得できる形をつくることです。

建築家・FP・税理士が早い段階で関わることで、数字だけに偏らない「家族に合った資金計画」が見えてきます。

二世帯住宅は、家族の距離を「近づける」だけでなく、
心地よい関係を「長く続ける」ための設計が大切です。

私たちは、10年以上二世帯住宅で暮らしてきた建築家として、
“実体験”に基づいたリアルな設計提案を行っています。

I-5113、二つの申請と管理をお願いさせて頂ける建築士(大阪府)

ユーザー 藤田5113 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
大阪府
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

大阪市旭区
個人住宅→延べ床面積100㎡
(設備、省エネ、電気回路込み)
 
東豊中市
個人住宅→1200㎡(山林地)
 
上記二つの申請と管理をお願いさせて頂ける建築士の方を探しております。
 
建築家の所在地について:
同じ都道府県・近県の建築家を希望する





I-5112、デイサービス(リハビリ型)への用途変更と軽微な改修(岡山県)

ユーザー けん5112 の写真
投稿者: 
現住所‐都道府県: 
岡山県
現住所‐郡市区町村: 
 
依頼内容: 

お世話になります。
 
自社で所有している既存建物(岡山市・市街化調整区域)を、
デイサービス(リハビリ型)への用途変更と軽微な改修を検討しています。
 
つきましては、
 
① 市街化調整区域での用途変更手続きのサポート可否
② デイサービス開設に必要な図面・申請対応の可否

改修工事の概算見積り(現地調査前の概算で構いません)
 
以上の3点について、ご対応が可能か教えていただけますでしょうか。
 
・新築予定はありません
・既存建物を活かし、軽微な改修を中心に想定しています
・用途変更の経験、またはデイサービスの実績があると助かります
 
ご多忙のところ恐縮ですが、可能であれば対応可否と概算の流れをご返信いただければ幸いです。
 
よろしくお願いいたします。
 
建築家の所在地について:
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雨の日になると、部屋がなんとなく重たく感じる。
洗濯物が乾かないだけでなく、空気までどんよりしてくる。
そんな経験はありませんか?

実は、雨の日に感じる「空気のこもり」は気のせいではなく、
家の換気と湿度のバランスが崩れているサインなんです。

湿気と気圧が引き起こす「こもり空気」
雨が降ると、外気は湿度が高くなり、気圧が下がります。

その結果、家の中と外の空気の流れが滞り、
普段のように空気が自然に入れ替わらなくなってしまうのです。

湿った空気が滞留すると、カビ・ダニが繁殖しやすくなり、
アレルギーや臭いの原因にもつながります。

「雨の日は仕方ない」とあきらめている方も多いですが、
設計の工夫次第で、雨の日でも空気がこもらない家はつくれます。

ポイント① 空気の通り道をデザインする
すくわくハウスでは、まず「空気のルート」を設計します。
空気は“どこから入って、どこへ抜けるか”が重要。

たとえば、

低い位置の窓から新鮮な空気を取り込み、

吹き抜けや高窓から湿気を逃がす。

この高低差換気を意識するだけで、自然な空気の循環が生まれます。
窓を開けづらい雨の日でも、風が動く家は空気が滞りません。

ポイント② 換気システムを正しく整える
近年の住宅は気密性が高くなり、自然換気だけでは不十分です。
そのため、24時間換気システムを正しく機能させることが欠かせません。

特に見直したいのは「フィルターの清掃」と「風量バランス」。

ホコリが詰まっていたり、排気量が足りなかったりすると、
空気が入れ替わらず、湿気がこもりやすくなります。

換気は“設備任せ”ではなく、“整える意識”が大切です。

ポイント③ 自然素材の力を活かす
漆喰や珪藻土、無垢材などの自然素材には、湿気を吸ったり吐いたりする調湿機能があります。

雨の日に湿度が高くなっても、これらの素材が余分な湿気を吸収し、
乾燥した日に再び放出してくれる。

つまり、家自体が「呼吸するフィルター」として働くのです。

人工的に湿度を調整するのではなく、素材の力で空気をやわらかく保つ。
これが、すくわくハウスの設計哲学のひとつです。

まとめ ― 空気が整うと、気分も整う ―
雨の日でも空気がこもらない家は、
ただ快適なだけでなく、心まで軽くしてくれます。

空気の流れが整うと、湿気やにおいが減り、
家族の健康にも、暮らしのリズムにも良い影響を与えます。

「見えない空気をデザインする」――
それは、すくわくハウスが大切にしている家づくりの原点です。

家の性能やデザインだけではなく、
“空気の質”まで整えること。
それが、家族の健康と心を支える家づくりの原点だと、私たちは考えています。

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防音室というと、どこか特別な「箱」を家の中に置くようなイメージを持たれがちです。
厚い壁に囲まれた閉じた空間、練習のためにだけ存在する部屋──。

けれど、家づくりを考えるご家庭とお話ししていると、多くの方が口をそろえて言われるのは、

「練習の場所が孤立しないようにしたい」
という願いです。

音楽が暮らしの一部であるなら、防音室もまた暮らしに寄り添う存在であってほしい。
そんな“溶けこむ防音室”をつくるための視点について、少し触れてみたいと思います。

■ 1. “家の中の位置”を暮らしの動線で考える
防音室をどこに配置するかは、防音性能だけで決められるものではありません。

・キッチンから子どもの気配が感じられる距離か
・家族の生活音と練習音がぶつからないか
・家事の途中でも様子が見えやすいか

これらは、音の問題であると同時に、暮らし方そのものの問題です。
「静かだから」と2階の奥に追いやるのではなく、
“そのご家庭のリズムの中でどこが心地いいか” を丁寧に見極めることが大切です。

■ 2. 光・風・質感をあきらめない
防音室=暗くて密閉された空間、という先入観がまだあります。

ですが、正しく工夫すれば、光も取り入れられ、圧迫感も避けられます。

・内窓やFIX窓を活用して、柔らかい光だけ通す
・扉は重厚でも、室内の素材は軽やかにまとめる
・吸音材を“デザイン素材”として見せる
・床材の温かさや、壁色の柔らかさを大切にする

防音性能を優先すると、どうしても“機能優先の空間”になりがちですが、
そこにいる時間の質を整えることが、長く使われる防音室には欠かせません。

■ 3. 家族との“距離感”を設計する
防音室は「閉じ込める部屋」ではなく、
家族がそれぞれの時間を心地よく過ごすための部屋です。

だからこそ、
・ドア越しに気配が伝わるか
・終わりのタイミングをそっと伝えられるか
・家族が安心して過ごせる距離か

こうした“距離のデザイン”がとても大切です。
音だけを抑えるのではなく、人の動きや気配をどこまでつなぐのか。
建築的な視点から、細やかに調整していく必要があります。

■ 4. 練習と暮らしを「対立」させない間取り
防音室がうまくいかなかったご家庭に共通するのは、
“練習時間が家族の生活リズムとぶつかってしまう”こと。

・夕方の調理と練習
・お風呂の時間と練習
・下の子の就寝と練習

これらは防音性能とは別の話。
家族の暮らしと、練習のリズムを同時に考える間取りが必要です。

防音室が「家族の誰にも負担をかけない場所」になったとき、
それは初めて“暮らしに溶けこんだ防音室”になります。

■ 5. 最後に──
防音室は、“部屋”をつくることではありません。
家族が音を大切にしながら、毎日を心地よく過ごすための環境をつくることです。

音と暮らしは、本来対立するものではありません。
丁寧に見つめていけば、必ず調和する場所が見えてきます。

そんな視点で防音室を考えていくと、
「練習のための部屋」から、
“家族の時間を支える部屋”へと姿を変えていくはずです。

お子さまの音楽と家族の暮らし、まとめて考える家づくり。
防音室を“つくる”だけじゃない。
音楽のプロと建築のプロが一緒だからできる、新しい住まいの形。

\ 詳しくは公式ガイドブックへ /
無料で読めるPDF「奏響の家ガイドブック」提供中
→ 公式LPはこちら

お子さまの“音”と家族の“暮らし”を、ひとつにデザインしてみませんか?

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フラット35利用者調査・住宅ローン利用者実態調査から
住宅ローンの現在地

住宅取得に際して、多くの人が利用するのが住宅ローンです。
実質賃金が上がらない中(column127)、家づくりを実現した世帯はどのように住宅ローンを利用しているでしょうか。
グラフ1はフラット35利用者の、*総返済負担率の推移です。
総返済負担率は住宅建築からマンション購入まで、すべての住宅種別で上昇中です。
もともと総返済率が高い土地付き注文住宅は、2015(H27)年からの9年間で4%上昇して2024(R06)は27.3%に達しました。
20%以下だった中古物件も、2024年には20%を超えました。
「住宅ローンの返済額は世帯年収2割以下」と言われたのは、もう昔のようです。

グラフ2 フラット35利用者調査 返済額の推移

実際、一ヶ月あたりの住宅ローン返済金額はどのくらいでしょうか。
フラット35利用者の一ヶ月あたりの予定返済額は、分譲マンションと土地付き注文住宅で16万円を超えました(グラフ2)。
2015年にはどちらも12万円超だったので、30%程度アップしました。
返済負担率から推察すると世帯の月間可処分所得は50万円以上となり、世帯合算やペアローンが視野に入る金額です。
建売と注文住宅の返済額は10万円代から12万円代に、中古物件も8万円前後から9万円代に上昇しました。
中古物件の9万円代は賃貸の家賃に近く、高騰する住宅取得費を見ると、中古物件の比重はまだ高まりそうです。

グラフ2 フラット35利用者調査 ボーナス併用償還率の推移

コロナ禍の2020年半ばから、急上昇する長期金利と歩調を合わせて、フラット35貸出金利も上昇しました。
その結果住宅ローン利用者の間では、月々の返済にボーナス時の加算を加えたボーナス併用償還希望率が、2021年以降急減しました(グラフ3)。
2021年には22%を超えましたが一転、2024年には10%代まで減少しました。
金利上昇による月々の返済増額が、ボーナス併用償還希望の減少に影響したと考えられます。

住宅ローン利用者実態調査 返済期間の推移

フラット35を提供する住宅支援機構が、フラット35に限らず広く住宅ローン利用者を対象に、春と秋、年二回実施するのが「住宅ローン利用者実態調査」です。
直近半年間の住宅ローン利用者にインターネットでアンケートした調査です。
その調査結果で注目したのは、返済期間について。
年二回の調査ですが回を追うごとに、返済期間35年以上の長期ローン利用者が増加しています(グラフ4)。
2021年には長期ローン利用者は10%に満たない少数派でしたが、2024年10月には35年以上と40年以上を合わせた長期ローン利用者の割合が、25%を超えました。
住宅市場のメインストリームである一次取得世代は40代なので、40歳で35年ローンだと完済は75歳、49歳なら84歳になります。
「退職金で一括返済が前提」と思われますが、40年超の超長期ローンも増加中。

住宅ローン利用者実態調査 ペアローン、収入合算

また、収入合算やペアローンの利用率も上昇中です(グラフ5)。
収入合算は世帯主と配偶者等の収入を合算して住宅ローンを締結する方法で、ペアローンは一つの物件で複数のローン契約(世帯主と配偶者等)を設定する方法です。
いずれも世帯主の単独ローンより予算規模を拡大できるので、借入額を希望金額に近づけることができます。

この実態調査からいま住宅ローンの借り入れは、住宅取得する世帯の生涯をかけた世帯総力戦に見えます。
金利が上昇すると、返済額が大幅に増額することはなくても返済期間が伸びたり、追加担保が必要になるなど、負担感が高まる事態も予想されます。
誰もが、生涯を賭けなくてもふさわしい家づくりを実現できる、そんな希望のある経済環境が望まれます。

住宅ローン利用者実態調査 ミックスローンの利用状況

ミックスローンも増加中

ところで、政策金利引き上げが現実的になってきました。
住宅ローンは固定型が長期金利に、変動型が短期金利に連動するため、住宅ローン利用者も政策金利の動向は無関心でいられません。
そんな先行き不透明な状況から、固定金利と変動金利を組み合わせてローン設定するミックスローン利用世帯も見られます。
住宅ローンを検討する方には、検討の余地がありそうです。

グラフ1.2.3:住宅支援機構「フラット35利用者調査」から作成
グラフ4.5.6:住宅支援機構「住宅ローン利用者実態調査」から作成
*総返済負担率:一ヶ月あたりの返済額を世帯収入で割った数字

京都 建築家の注文住宅 高気密高断熱住宅を京都から アーキシップス京都 古前極 

このコラムは、注文住宅を計画する方の参考になることを目的に、アーキシップス京都の経験に基づいて書き下ろします。
トピックス、技術、経験の内容は、主観に基づくことをご了承ください。

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車椅子で暮らす家を設計する際、最も基本でありながら見落とされやすいのが「廊下の幅」です。
広ければ良いというものではなく、生活動線や家族構成に合わせた“最適な寸法”があります。
では、どのくらいの幅があれば、車椅子でもストレスなく暮らせるのでしょうか。

1. 一般的な基準は「有効幅90cm」では狭い
住宅の廊下幅は、建築基準法上の最低基準として75cm以上(有効幅)とされています。
しかし、これはあくまで「通過できる」だけの寸法。
車椅子の方が日常的に利用する場合には、最低でも90cm、できれば100〜120cm程度が望ましいとされています。

ただし、「通れる」ことと「暮らしやすい」ことは別問題です。
例えば、廊下の途中にドアがある、曲がり角が多い、物が置かれる――といった状況では、90cmでは十分とは言えません。

実際に生活することを想定すると、車椅子の回転やすれ違いを考えた余裕が必要です。

2. 快適に動ける幅は「120cm」が一つの目安
有効幅120cm前後を基準にすること、次のような利点が生まれます。

車椅子が方向転換しやすい

介助者が横に立ってサポートできる

家族とすれ違う際のストレスがない

特に介助が必要な場合、介助者が後ろから押すだけでなく、横で支えたり前に回り込んだりすることがあります。
そのため、「一人分+半人分の余裕」=120cm前後が快適な生活を生む幅なのです。

3. 廊下幅だけでなく「曲がり角」と「ドア位置」が重要
多くの人が見落とすのが、廊下の“途中”です。
角の位置やドアの開き方が悪いと、せっかく広い廊下でも使いにくくなります。

角を曲がる際には、回転スペースとして150cm×150cm程度が必要

ドアは引き戸にすることで、廊下を狭めずに開閉可能

扉前に70cm程度の待機スペースがあるとスムーズに通過できる

つまり、廊下の「幅」だけでなく、「動作のための余白」をセットで考えることが欠かせません。

4. 家族と共に使う“共有空間”として設計する
廊下は単なる通路ではなく、家族の動線が重なり合う場所です。
子どもが走り抜けたり、洗濯物を運んだり、介助者が通ったり。
狭いと譲り合いが発生し、日々のストレスになります。

一方で、幅を確保することで「すれ違いざまに声をかける」「自然に手を貸せる」といった、
人の温度が感じられる空間にもなります。
単に機能的な通路ではなく、家族の関係をつなぐ「生活のライン」として捉えることが大切です。

まとめ
車椅子で暮らす家の“快適さ”は、廊下幅に表れます。
基準値ギリギリでは「通れる」だけ。
120cmの余裕があることで、「介助できる」「すれ違える」「心にゆとりが持てる」家になります。

建築家として大切にしているのは、「数字の正しさ」ではなく「人の動きの自然さ」。
その人らしい暮らし方を支える設計こそが、本当の意味での“バリアフリー”です。

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