●建物の紹介文(依頼者のお悩み・ご希望を叶えるために工夫した点・採用した建材など):
建物の外壁には50年前にゲストルームとして計画された際の、住宅にしては不釣合いな大きさの開口が随所に開けられていました。躯体をそのままに古い建具を新たな規格サイズの建具に替えようとすると、躯体と建具の間にスキマができてしまいます。全ての建具と躯体の間にできるこのL型のスキマに奥行きをもたせ内外を貫くことでスキマの存在をあえて際立たせました。これらはデッキや雨除け、母屋からの視線の緩和など各諸室の用途の拡張や外部におけるアクティビティを誘発する機能を持ちます。ほぼ全ての壁(躯体)の変更ができない中で、小さなスキマを拡張することによって住まい方に奥行きを与えるという、最小操作で最大効果の獲得を目指しました。