入居率が高いシェアハウス・岡本光利一級建築士事務所 岡本光利さん


 
シェアハウスは入居者の家賃、初期費用などが安いため入居率が高いというメリットがあります。
 
シェアハウスについて岡本光利一級建築士事務所 岡本光利さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 岡本光利一級建築士事務所 岡本光利 の写真
岡山市南区浦安本町21-17
086-265-6235

 

シェアハウスとは何ですか?

 
見知らぬ同士が一つの賃貸住宅を複数人で共有(シェア)して暮らすこと。
リビング、キッチン、バス・トイレなどは共有スペース、寝室は各個室の専有スペースで暮らす居住形態です。
 
共用スペースにはテレビ、冷蔵庫、洗濯機といった電化製品や家具などが設置されている場合が多く、個室はベッド、照明、カーテンなども設置されて、すぐに住むことができます。
 
敷金・礼金無料、保証人不要といった物件が一般的であることから、近年、日本でも注目が高まり、東京や大阪などの都市部を中心に増加しており防犯面を強化した女性向けシェアハウス、介護サービス付きの高齢者向けシェアハウス、入居者の趣味や関心などに合わせたコンセプト型シェアハウスなど、新しいタイプのシェアハウスも続々と登場しています。
 

 

貴社がシェアハウスを手がけたきっかけを教えて下さい

 
こちらのサイトにてシェアハウスを建てたいというお客様とご縁がありまして、弊社も以前よりシェアハウスには興味があり、弊社の建物デザインの作風を気に入って頂き、手掛けることとなりました。
 

シェアハウスには建築基準があるのでしょうか?

 
一般的には賃貸等の長期滞在型のシェアハウスは寄宿舎の用途に属し、宿泊型のゲストハウスは旅館、ホテルの用途になり建築基準法の特殊建築物にあたり建築基準法、消防、各行政の基準、指導等、厳しい規制があります。
 
一部の首都圏では小規模なものに関しては緩和措置があるようですが、地方ではまだまだ対応が遅く、厳しい規制で制限され、脱法的なシェアハウスが多く存在しているのが現状です。
 

土地活用としてシェアハウスを建てるのメリット・デメリットを教えて下さい

 

メリット

入居者の家賃、初期費用などが安いため入居率が高い。
 
見知らぬ同士が協調しながら集まって住む楽しさ、お互いに情報交換し、助け合いながら自分磨きでき、相乗効果が生まれる出会いの場として、この場所をきっかけに出会いとわかれの場となり新たな何かが生まれます。又、老朽化や過剰になる賃貸住宅の空室解消に貢献でき、地域の活性化につながります。
 
シェアハウスを求めるニーズは、多目的なニーズがあり単に居住したい人だけではなく、旅行・出張・出向などで一時的な利用を考えている人、交流を目的にしている人など、通常の賃貸住宅とは異なったニーズがあるため利用者のターゲットが広い。
 
傷みやすい水廻り部分が集約しているためメンテナンスしやすく費用が安価である。
  
どんな住人が住んでいるのか、把握しやすい。
ひきこもりやニート、ゴミ屋敷的な住人、犯罪者的な人になりにくい生活環境を生む。
コミュニケーション能力、助け合いの精神をもつ人が育ち社会に貢献できる。
 
場所とニーズ、予算のかけ方によっては利回りがよく収益性がよい。
 

デメリット 

 
シェアハウスでどうしても避けられないのが、入居者間のトラブルです。入居者同士のトラブル、冷蔵庫内の食品、飲料物の紛失、共有スペースでの私物の紛失など。入居者間の、モラル、マナー、性格不一致、共有スペースそうじなど。
 
クレーム対応と設備管理に手間がかかる。入居者の選定、面談など面倒である。
 
共同生活ですのでマナーやモラルがなく秩序を乱す入居者でないか判断するのが困難である。
 
短期間での入退去が可能であるため手続、立会等が頻繁となり管理が少々、手間と時間がかかる。
 
アパート等の共同住宅と異なり、寄宿舎や旅館、ホテルの用途となり規模にもよりますが消防設備等の設置がもとめられ建設費用が割高となる。
 
家電製品、家具、カーテンなど設置するケース多いので掃除やメンテナンスに手間がかかり、費用もかさむ。
 

 

シェアハウスの設計で気をつけているポイントを教えて下さい

 
住む人がストレスなく生活できるような使い勝手、動線計画を考慮しプライベートと共有スペースをなるべく明確に分け、互いのスペースが気がねく過ごせるように計画しています。
 
リビングダイニング、キッチン等の共有スペースは明るく開放的で清潔感あるお洒落なカフェのような空間とし住人が自然に集まりたくなるようなコミュニケーションが活性化する装いとしています。
 
建物の内外部仕上はメンテナンスがしやすく、掃除のしやすい仕上を使用しております。また汚れても味のでる仕上げ、デザインを施しています。
 
建物内に入出、各個室の防犯キーの防犯性と使い勝手など気をつけたいところです。
 
予算にもよりますが共有スペースと各個室間や各個室隣接、上下間の音の問題は最大限、注意を施したいところです。
 
男性、女性の入居者割合によってトイレ、シャワー室、浴室など専用か共用にするかしっかりと検討したいところです。
 
共有スペースには各場所で適材、適所に収納を確保すること。
 
リビングダイニング、キッチンなどの共有スペースで過ごすときに使用したい各個人の専用私物の収納を設置すると便利です。
 

シェアハウスの事業計画の相談にも乗っていただけるでしょうか?

 
弊社でお力になれればお気軽にご相談ください。
 

シェアハウススプーキーズの設計で工夫した点を教えてください

 
お洒落なカフェのようなシェアハウス、児童デイサービスと事務所それぞれの用途が共存し、互いに協調し刺激となり、相乗効果、思いやりを促すふれあいの場。
 
単なる経済的な理由によるシェアではなく、おうちカフェのような入居者同士や地域住民の語らいの場となるお洒落で楽しい空間を心掛けました。

真っ白い画用紙のような存在で人や物、自然がこのキャンパスにアートしてくれるナチュラルでニュートラルな空間です。何にでも形を変化できる様々な可能性を秘め、いつの時代にも対応できる柔軟性ある空間。
 
つかみどころのない遊び心あふれる浮遊霊(スプーキーズ)をイメージし、建物デザインに反映させています。おそらく新築では岡山初のシェアハウスで集まって楽しく住む新しい賃貸住宅の提案になればという思いで設計させて頂きました。
 
入居者のインテリアの好みは男女、年齢において様々です。
シンプル北欧モダン、ビンテージアンティーク、エレガントモダンなどどんなテイストでも程よくなじめるニュートラルな空間を目指しました。
 
入居者の割合が女性7割、男性3割ということもあり主に女性が好むよう明るく清潔感ある内装インテリアでデザインしました。
 
人が自然に集まってコミュニケーションでき活性化するようオープンで開放的で遊び心あふれたおうちカフェのような空間を心掛けました。
 
映画好きな人のためにシアタールーム、マンガ、読書好きな人には読書コーナー、中庭、ルーフバルコニー等でカフェ、バーベキューなど様々な場所で入居者が創造し創意工夫できるくつろぎ空間を多々、設けています。
 
クリスマスやハロウィンなどイベント時にはスマホのアプリで操作できるレインボーに光るLED照明を施し、お洒落なカフェかバーのような楽しい空間となるよう計画しています。住人十色をテーマに住人が各個性で七色に染め、内装の仕上げにも色をカラフルに取り入れ五感を刺激し感性豊かな人が育つ空間となるよう計画しています。
 

 
シェアハウス スプーキーズのHPはこちら
 

シェアハウスを建てたいけどなにから手を付けてよいかわからない方からの相談にも乗っていただけますか?

 
弊社でお力になれればお気軽にご相談ください。
 

シェアハウスを建てたい方にアドバイスがありましたらお願いします。

 
集まって住む楽しさ、出会いや自分磨きをしたい方なら、オススメの新しい住み方かと思います。
 
単に収益性がいいからシェアハウスを建てるというのではなく、これからは時代のニーズに応じて、何かテーマ、ジャンル、ターゲットを決め付加価値をつけたコンセプト型のシェアハウスが街にできれば地域の活性化、コミュニケーションある街づくりに貢献できるのではないかと個人的には思います。
 
(たとえば、音楽好きシェアハウス、旅好きシェアハウス、クリエーター集団シェアハウス、中高年出会いシェアハウス、シングルマザーシェアハウスなど)
 
小規模なシェハウスであればオーナー自身も住人と楽しみながら管理していけると思いますが大規模なシェアハウスとなれば経験豊富な専門のコーディネーター及び管理会社と提携した方がいいかと思います。
 

岡本光利一級建築士事務所 岡本光利さんのシェアハウス・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
シェアハウススプーキーズ

昔ながらの長屋的な良さを現代版に進化させた新旧の良さをミックスさせた 地域に開放性ある住まいの提案。集まって住む楽しさ、集まって生まれる新たな可能性、出会い、別れ、発見、コミュニケーションが活性化する様々な個性ある入居者になじめる空間とした。

 

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