パッシブデザインで機械に頼り過ぎない生活を可能に・アーキスタジオ 琴 雅佳さん


 
パッシブデザインで、庇や外付けブラインドの設置、あるいは、断熱・気密・蓄熱などの基本的性能を高めることで、自然エネルギーの効果的に利用できるようになります。
 
パッシブデザインについてアーキスタジオ 琴 雅佳さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー アーキスタジオ 琴 雅佳 の写真
東京都新宿区下落合3-22-16 目白タキシマビル2F
03-3565-0370

 

パッシブデザインとはなんですか?

 
太陽の光、熱、風など自然の力を利用し、機械に頼り過ぎない生活を可能とする設計です。
 
パッシブとは、受動的と云う意味です。対してアクテリブとは能動的と云う意味で、たとえば、パッシブデザインの代表的手法に、太陽光(熱)を大きな窓から取りこみ、コンクリートやタイルなどに蓄熱させ放熱させる方法があります。
 
これに対して太陽光発電などは、アクティブソーラーと云われています。
 

パッシブデザインにはどのような手法があるのでしょうか?

 
建物のしつらえによって、太陽の光(熱)、風などの自然の力を利用し、心地よい室内環境を創りあげようとする設計手法です。
 

①太陽光(熱)利用(パッシブソーラー)

冬期に太陽熱を開口部等から受け、その熱を蓄熱させ夜間まで暖かさを持続させる。

②日射遮蔽

夏期に室内に侵入する日射を遮り涼しさを保つ。
庇や外付けブラインド外付けロールスクリーンが室内に太陽熱を侵入させる事無く外部でシャットアウトするので効果的

③昼光利用

昼間の明るさを室内に取り込み、人口照明の利用を減らす。

④自然風の利用

ウィンドキャッチャーとして、卓越風などの風向きに合わせ窓の開き方を考え、効果的に風を室内に取り込む設計。夏の夜、春や秋などの中間期に外気を取り入れ快適に過ごす。

⑤高断熱、高気密化

外気温の影響を受けないように、断熱材や開口部に工夫をし、暖めた(冷やした)快適な室温を持続させる。
 

 

パッシブデザインの建物を手がけるようになったきっかけがありましたら教えて下さい

 
紹介した手法でもお気づきでしょうが、建築設計を進める上で本来考慮するべき基本的な事柄です。 
私の場合、学生時代からパッシブデザインに触れる機会があり今に続いています。
 

パッシブデザインのデメリットを教えて下さい。

 
建物が、本来備えるべき基本性能と考えていますので、デメリットはないと思います。
 
パッシブデザインで、庇や外付けブラインドの設置、あるいは、断熱・気密・蓄熱などの基本的性能を高めることで、自然エネルギーの効果的に利用できるようになります。
そのためのコストがかかります。
 
しかし、高価の機械設備にお金を掛けるより、はるかに有効な投資だと思います
  

パッシブデザインの建築を設計するの際に注意していることを教えてください。

 
太陽光利用、風の流れなどを活用するため、気象データーの利用や現地で周りの建物や樹木の様子などから日照、風のながれを読み取ったりします。
 
「なんちゃってパッシブデザイン」つまり、効果の上がらないパッシブデザインになることは許されませんので、真剣な取り組みと経験の積み重ねが非常に大切です。
 

パッシブデザインの事例・Kw-b邸で工夫した点を教えて下さい。

 
大きな可動テントで、視線と太陽光を調整しながら、庭を楽しむ事のできる空間構成。
  

アトリウム1

アトリウム1 アーキスタジオ考案のアトリウムと空気循環システムで、家中の明るさ、暖かさをコントロールしている。
 

アトリウム2

アトリウム2 高窓と壁面で集熱する仕組みをもっている。
 
冬は太陽の熱を室内に送りこみ、夏場は集熱ピットから室外にそのまま放出する
ダイニングの壁面には円形の換気孔が設けられておりアトリウムで暖めた温風が送り込まれる。
 

Kw-b邸・間取り図

Kw-b邸・間取り図

パッシブデザイン認証制度とはどのようなものですか?

 
PassDec認証制度は、断熱性や日照、遮蔽などの性能を個別に評価するのではなく、それらパッシブデザインの各要素が、複雑に影響し合い、熱や風が部屋から部屋へ移動していく状態を動的に解析します。
 
そして、その室内環境の評価と定めた室内環境の維持に必要な年間冷暖房負荷を評価基準としています。
 

パッシブデザイン認証制度

貴社も認証を取得しているのでしょうか?

 
取得しています。
3ツ星、2つ星の定量評価でのPass DeC事業者認証の取得は、全国初でした。
 
定量評価-kt-n邸(2015竣工)の☆☆☆3ツ星認証、全国初。
定量評価-ka-m邸(2004年竣工)の☆☆2つ星認証全国初。
 
私たちはシミュレーターのリアルな動的解析で、わかりにくいパッシブデザインの効果を客観的に評価したいと考えチャレンジしました。
 
また、この認証制度で使うシミュレーターを使いこなせば、設計段階で室温の変化をリアル(動的)に解析でき、プランニングに活かせる点も大きな魅力です。
 

パッシブデザインの建物を建てたい方になにかアドバイスがあればお願いします。

 
高価な機械設備に頼ることなく、自然との対話楽しみながら快適に暮らす方法があります。
太陽光で得られる暖かさは、この上なく快適ですよ。
 

アーキスタジオ 琴 雅佳さんのパッシブデザイン・設計事例

    

画像 建物の名称 紹介文
Kw-b邸 庭を楽しみながらペットと暮らす家

可動テントにより視線のコントロールができアトリウムとソーラーウォールからの集熱で暖かく暮らせる開放的な愛犬家のご夫婦のための鉄骨造住宅。

Sa-k邸 傾斜地に建つアトリウムと吹抜けのある家

RCの壁で囲われたテラスでプライベートを守りながら空に向けて開放的なリビングを提案。

Iz-k邸 3層吹き抜けの家Ⅱ

・本棚と階段で、本のギャラリーを提案。
・本のギャラリーと⼀体の吹き抜けで、上階からの⾃然光が、LDKに届くよう計画している。
・アーキスタジオ考案のアトリウムと空気循環システムで家中の明るさ暖かさ涼しさをコントロールしている。

Kt-n邸 3層吹き抜けの家Ⅲ

・3層つながる大きな吹き抜け空間によって自然光が2FからB1Fまで届くように設計
・B1Fは仕事場(道路からフラットになるように設計)---集中の場
・1FはLDK---リラックスの場
・2Fは寝室と浴室---回復の場

Is-h邸 3層吹き抜けの家Ⅰ 

2階のLDKと3層分の吹き抜けが十文字につながる大空間となっていますが、
アーキスタジオ考案のアトリウムと空気循環システムで室内温度の安定した暖かく涼しい家です。

 

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