マンション・インタビュー・空間工房イアニス 一級建築士事務所 平野錠二さん


 
土地活用・相続税対策などとしてマンションを建てたいという方は多いようです。
マンションについて空間工房イアニス 一級建築士事務所 平野錠二さんに伺いました。

お話を伺った建築家

 

ユーザー 空間工房イアニス 一級建築士事務所 平野錠二 の写真
中央区銀座4-9-5 銀昭ビル1F
03-3542-0880

貴社がマンションの設計を手がけたきっかけがありましたら教えて下さい。

  
元々勤めていた設計事務所の仕事がマンションの設計が90%程度でほとんどマンションの設計を多く手がけていたので、必然的にマンションの設計が得意になりました。
 
また、以前からマンションの補助金の事業を手がけており、かなり煩雑な補助金の手続きや収支計画、昔の住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)の手続きも手がけており、それと同時にかかる税金も調べなくてはならなくなってその分野の知識も少しはついてきました。ただ税金は毎年変わるのでついていくのがやっとです。
 
こちらからのアプローチも相手からの依頼も必然的にマンションが多くなり、現在もマンションを中心に設計業務を行っております。
 
一番嬉しいのは春に完成した建物に入居の空きがなくほぼ入居率100%になって、住宅同様にオーナー様に出来上がった建物を気にいって頂けた時ですね。
同じオーナー様や紹介者から2棟目、3棟目と続けて依頼される場合や紹介される場合も多いです。
 

 

マンションの設計で気をつけていることを教えて下さい。

 
特に気を付けていることは3点あります。
 
まず最初にマンションの設計で最初に留意事項はあくまで投資物件であり、収益物件であるので、最初の収支計画が重要になってきます。
立地条件によっては、マンションを建てること自体で最初からマイナスの収支しか成り立たないことも多くあります。
その場合は残念ですが、その旨建築主様にお話してお断りすることもあります。
 
2番目は共同住宅は当然のことながら集まって暮らすため、遮音については常に念頭において設計しております。遮音については後述致します。
 
最後に竣工時期には気を使います。
基本は2月頃に竣工して3月初旬には内見が可能な様な工程を組みます。
竣工時期が1~3月以外の時期は入居率を100%にするのは非常に大変になります。
特に戸数が多い場合はこの時期に以外の竣工は避けます。
3月末に引渡しが間に合わない場合は1年着工を遅らせることもあります。
 

マンション上下階の騒音対策はどうしていますか?

 
遮音についてはかなり気をつけて設計を行っておりますが、分譲か賃貸はまたはローコストマンションの場合かに依って多少異なる設計になります。

分譲マンションの場合は上下階からクレームがほとんど出ないレベル遮音性能上の支障がほとんど出ない遮音性能(学会性能標準)までを基準としております。遮音性能としてはLL-40、LH-45程度を目さして設計します。

具体的にはスラブ厚で200~230程度、後は梁の入れ方(梁で囲われた部分の面積を極力小さくする等の工夫が必要となります。)後は原則置き床にすることは多いのですが、メーカーの予想遮音性能の提示まで必要となります。
 

賃貸マンションの一般の遮音性能

 
賃貸マンションではコスト重視となる場合が多いのですが、基本は施主の要望を満たすレベルにて設計します。ある程度のグレードのマンション(家賃設定が多くみこめる場合)ではRCにする場合が多くLL-45、LH-50程度を目標とする場合が多いです。
 
スラブ厚は150~200程度の場合が多く、メーカーの遮音性能予測まで必要になる場合も多くあります。
 

ローコスト住宅の遮音

 
コストをギリギリまでカットする場合、土地を購入して建設する場合や、家賃が見込めない、場合はコストをギリギリまで煮詰めます。
 
その場合でも、最低限の遮音レベルLL-50、LH-55程度は確保できる程度は設計上は考慮します。
 
この場合は鉄骨造が多いのですが、デッキ厚50ミリで山上100程度は確保する様な設計としています。
 
 

床の遮音について記載してきましたが、当然のことですが、壁の遮音も同様に注意が必要となります。
 
壁の遮音につては、建築基準法上は透過損失が40db以上でよいことになっていますが、通常は50db程度は取る設計をこころがけております。
 
また、窓からの騒音や隣家の音の回り込みについても考慮が必要になります。
 

 

マンションの建設費用はどれくらいなのでしょうか?

 
マンションの建設費用は景気動向や時期にも左右されるので一概には言えませんが、一般の住宅を100とした場合は70~80%程度の場合が多いと思います。
 
2014年10月現在は建設費はかなり高額な水準にあるかと思われます。
 
後は前述の設計のグレードや基礎の選定によってかなりの開きがあります。
 
設計のグレードによって1割~2割、基礎についは地盤の状況や建物の階数によって決まってきますが、べた基礎にくらべて杭基礎やペンシルビルの場合(搭状比4倍~6倍まで)の場合は躯体工事で1割から2割の違いがあります。
 
あとは収支の計画で工事費用の上限を設定することもあります。
収支上で一定の利益を確保した上で計算すると必然的に工事費用の上限が決まってしまいます。
 

マンションを建設する場合の工程(流れ)を教えてください。

 
施工までの工程を簡単に説明すると概ね以下の流れになります。
 
依頼があってから最初は法規チェック(条例や指導要綱も含む)を行いボリュームチェックをします。(その場所にどの程度の規模の建物が建設可能かどうか。)
 
次に建築可能な占有面積に対しての家賃の設定、概算の工事費用、借入の有無又は額、その他に必要な費用、各種税金(固定資産全、不動産取得税など)、保険料、修繕費用等を確認に収支計画を作成します。施主が不動産関係の方の場合は施主の方で作製されることも多々あります。
 
収支で概ね良好な数値の予測が起った場合は金融機関で借入可能かどうかの確認を致します。
金融機関の了解が得られた時点で契約し設計業務を開始することになります。
 

マンション建設にはどれくらい期間がかかるのでしょうか?

 
前述の設計業務の開始から事前協議の有無(特定行政庁の中高層条例や共同住宅条例)によって若干異なりますが、概ね設計で2~3ヶ月程度、1000㎡超の大規模なものではもう少し時間が必要になります。
 
施工については概ね階数によって異なります。
地盤の状況によっても異なりますが、基礎工事で1ヶ月から3ヶ月(ベタ基礎か杭基礎かによってかなり異なります。)躯体工事が階数/2ヶ月程度必要です。
10階建ての場合は5ヶ月程度、内装工事は高層の場合は足場が外れたところから施工しますが、躯体上棟から約3ヶ月程度はみています。
 
まとめると、一般的に10階建てでは、準備期間等で1ヶ月、基礎3ヶ月、躯体5ヶ月、仕上げ3ヶ月で約1年必要です。(基礎工事は地盤によっては若干短くすることは可能です。)
 

特定優良賃貸住宅とはどのようなものですか?

  
特定優良賃貸住宅とはホームページにも記載しておりますが、平成5年7月から施行された “特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律”に基づき、地方公共団体等が認定する、特定優良賃貸住宅<特優賃>事業とは、簡単にいえば、良好な賃貸マンションが、少ないので、賃料が安くて、良質なマンションを、たくさん供給しましょうと言う主旨の基に制定された制度です。
  
又、これからの高齢化社会にも対応できるようなバリアフリーの賃貸マンション建設のために、建築主や居住者に補助金を出しましょう・・というような制度です。
  

<建築主のメリット>

 
マンションを建てる人にとっては、建設費の補助があります。(建設費の1割前後―地方公共団体により若干の違いはあります。)
建築主は、税制面(固定資産税や減価償却)に於いても優遇措置が受けられます。
その他 東京都や一部の地方公共団体においては、利子補給制度があり、同制度を活用することにより、更に低利で資金の調達が可能になり、収支面においても大幅に黒字収益を見込ことが可能となります。
 
・ただし、家賃設定においては独特の家賃設定の算出方法があり、また近隣の家賃調査等を踏まえて決定されるので、近隣相場よりはかなり安い家賃の設定になります。収支計画を作製するにあたり、家賃設定は重要な要素となります。
 

<入居者のメリット>

 
入居者は家賃補助を受けることが出来ます。(年収により違いますが、家賃の4割から1割程度 ただし、家賃負担額は、毎年3.5%~5%程度上昇します。)
ちなみに、居住者は中堅所得者を対象としているため、独身者や一定の収入に満たない方は入居することは出来ません。期間は最長20年間です。(ただし契約上の家賃に追いつくまで)
入居者が負担する礼金・更新料は基本的にありません。(更新にかかる費用は建築主の負担となります。)
また、制度は毎年変更になりますので確認は必要になります。
 
特定優良賃貸住宅とは基本的にはマンション建設のための補助金事業の一例であり、現在では、高齢者向けの居住スペースの確保を目的とした「サービス付き高齢者向け住宅」や「特別養護老人ホーム」などにも国や地方自治体の補助金がありますので、賃貸マンションをお考えの方には、事業収支を検討される上で一考されることもよい良いのではないかと思います
 

マンションを建てたいと思っている方に なにかアドバイスがありましたら教えて下さい。

 
今まで色々とマンションに関する基本的な事項を記載してきましたが、アドバイスとしては、ただ漠然とマンションを建てれば儲かる的は考えはしない方が賢明です。
 
賃貸マンション経営はあくまででも事業であり、厳密な資金計画や税金の確認、修繕費用の計画から保険料まで知っていないと、突然の出費に困ったり、後で資金が足りなくなったりするケースもあります。
 
当初黒字の予定が赤字になることもありますので、通常の事業と同じ様に綿密に計画を立てないと、土地建物ごと売却をしないならない状況になってしまうこともあります。
 
ほとんどの案件が30年の借入をして返却するケースです。
 
当初の10年間はほぼ収支計画通りの入居は見込めますが、15年超になっても建築当初と変わらない入居を見込むためには、修繕計画や改修工事まで見据えた計画を立てることが大切になってきます。
 
他には節税対策のために土地購入をしたり、マンションを建設される場合もありますがレアケースになるかと思います。
 

 

ボリュームチェック・ボリューム出しだけを有料でお願いすることは可能ですか?

 
基本は実施設計及び監理を依頼されることが前提です。
その場合は無料で相談からボリュームチェック、資金計画まで行っております。
法規チェックのみ依頼もお受けしております。その場合は有償にてボリュームチェックを行っております。
相談までは基本無料にて行っておりますので、気軽にお声がけ頂ければ幸いです。
 

空間工房イアニス 一級建築士事務所 平野錠二さんのマンション設計事例

  

画像 建物の名称 紹介文
(仮称)荏原6丁目ビル

余剰の容積部分を賃貸マンションとしています。

(仮称)錦糸Sマンション新築工事

当初、1Fで考えられていたご自宅部分を最上階にメゾネットで計画しており、隣地が建て替えをした後も採光を確保できる様にトップライトやガラスブロックで明るさを確保できる様に設計しております。

(仮称)富ヶ谷マンション新築工事

会社の建物ですので、会社のイメージにあった重厚感のある建物を要望されておりました。

   

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