癒しを与え人を集める囲炉裏のある家・有限会社 設計処草庵 中原 賢二さん


囲炉裏を自宅に設けると、火が癒しを与え人を集める効果があります。
囲炉裏について有限会社 設計処草庵 中原 賢二さんに伺いました。

お話を伺った建築家

 

ユーザー 有限会社 設計処草庵 中原 賢二 の写真
大阪市北区山崎町2-1-401
06-4300-3240

貴社では伝統工法や素材の研究・普及活動をされているとのことですが、囲炉裏のある家を設計されるようになったきっかけや経緯を教えてください。

 
西洋に暖炉があるように囲炉裏は日本の気候風土にあった理にかなった暖房器具だと学んでから設計するようになりました。

囲炉裏を自宅に設ける最大の魅力は何でしょうか?
暖房効果以外の良さもあわせて教えてください。

 
現代の家では暖房器具としてよりも火が癒しを与え人を集める効果の方が大きいように思います。

「囲炉裏のある家を建てて後悔した」という声もあるようですが、失敗しないためにどのような点に気をつければよいでしょうか?

 
囲炉裏だけに暖房効果を求めない、色んなものを燃やさないなども大切ですが、給換気と煤対策は必須です。

現代の高気密・高断熱住宅と囲炉裏は相性が悪いと言われることがあります。
換気や一酸化炭素対策も含めて、どのように両立させればよいでしょうか?

 
高気密・高断熱の家でも吸排気をすれば大丈夫ですが、過度に気密性を求められる方にはあまりお勧めできません。

囲炉裏の燃料には黒炭や備長炭などがありますが、どのように選べばよいでしょうか?
また、炭の種類によって使い勝手や注意点は変わりますか?

 
黒炭は調質効果は高いのですが柔らかいため煤が多く燃焼時間は短いです。
火付きが良いのでバーベキューには向いてます。
白炭(備長炭)は高価ですが煙が少なく長く燃え、遠赤外線も出しますので囲炉裏にはお勧めです。

囲炉裏をリビングや現代的な間取りに取り入れる場合、設計上どのような工夫が必要でしょうか?
また、設置に適した部屋の大きさや位置はありますか?

 
一般には座の生活をされる方が良いと思いますが、テーブル形式の囲炉裏を作ったこともありますので住まい方に合わせて作ればよいです。
囲炉裏の特徴として周りに人が座る空間が必要ですのでそこそこ広い部屋が適しています。
大切なのは給気と換気をどうするか、煤が発生しても問題ない仕上になっているかなどです。

「拭き漆で甦る大和棟」など、古民家リノベーションを数多く手がけていらっしゃいます。
古民家に囲炉裏を再生・活用するときと、既存の住宅に新たに設置するときの違いや注意点を教えてください。

 
古民家は元々広い空間の部屋が多く高天井の部屋もあるので、遜色なく設置が可能です。
また壁や天井の仕上にもしっくりきます。
既存の住宅の場合は細かく分けられた部屋ではなく、住まい方のご提案から本当に囲炉裏が必要か考えていただいています。

↑拭き漆で甦る大和棟

囲炉裏を設けるにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
新築とリフォームで違いがあれば教えてください。

 
新築でもリフォームでも初めて囲炉裏を作るのであれば変わりません。
囲炉裏は一つの家具を設置すると考えてください。
暖炉の金額が大きさや仕様によってまちまちなように囲炉裏でも同じです。
吸排気などを含めると50万~というところでしょうか。

「坐して住まう家」では尾鷲のヒノキをふんだんに使いながら、囲炉裏を現代的にアレンジされたとのことですが、具体的にどのような点を工夫されたのでしょうか?
また、同じ家に茶室の炉も設けていらっしゃいますが、囲炉裏と茶室の炉はどのように違うのでしょうか?

 
「坐して住まう家」は私が一から設計監修したコンセプトハウスです。
過去と現代・和と洋・伝統と先進などを融合させた家です。

国産の檜をピン構造という最新技術で耐震設計をしています。
また目線を低くして家族が集まるために囲炉裏を綺麗にアレンジして家の中心に配しました。

上部の吹き抜けは上がっていく煙で煤けても気にならないよう墨の塗料で黒くしています。

囲炉裏は食や暖を取るため取り囲む火、茶の炉は湯を沸かす亭主だけの火ですので、囲炉裏は日常、茶室は非日常の設えです。
よって玄関土間の中にある別空間として設置しました。

囲炉裏のある家の新築・リノベーションを検討している方へ、最初に確認しておくべきことやアドバイスをお願いします。

 
後々後悔しないため、囲炉裏に何を求めているのか、ご家族が同意されているかなどを整理されることをお勧めします。

貴社に設計・監理を依頼できるエリアを教えてください。

 
最近はリモートでの打合せも増えており、交通費をいただけるのであればどちらにでも参ります。

有限会社 設計処草庵 中原 賢二さんの囲炉裏のある家・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
坐して住まう家

普通狂いの少ない集成材で行うピン構造を無垢材で行うこと、柱や梁を化粧材として使う真壁工法をピン構造で行うことは苦労しました。ピン構造のメーカーに真壁構造を理解してもらうのに時間を要し、全ての納まりをこちらで考え指導しました。

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