独自の建築思想に基づいた工法の寺院・有限会社 山梨一正建築設計事務所 山梨正臣さん


 
有限会社 山梨一正建築設計事務所 山梨正臣さんは伝統工法+独自の建築思想に基づいた工法で寺院を設計しているそうです。
 
寺院について有限会社 山梨一正建築設計事務所 山梨正臣さんに伺いました。
 

お話を伺った建築家

 

 

貴社が寺院を手がけるようになったきっかけがありましたら教えて下さい

 
菩提寺の役員に推薦され、色々な寺の行事に参加する様になったのがきっかけです。
 

寺院の工法とはどのようなものですか?

 
伝統工法+独自の建築思想に基づいた工法です。
 

 

寺院の設計で注意している点を教えて下さい

 
和様・唐様・折衷様の手法を取り入れ、オリジナルデザインに心がけています。
 

寺院の屋根はどのようなものが使われるのでしょうか?

 
本瓦・引っ掛け桟瓦などが主ですが、金属板を採用する事もあります。
 

寺院の構造で注意している点を教えて下さい

 
屋根(瓦葺)に関してはプロテクト工法(屋根瓦がずれ落ちない工法)を採用しています。
耐震性に関しては、耐震金物、耐震ダンバー等を使用し、建築基準法をクリアーしています。
 

寺院でも金物を使うのでしょうか?

 
伝統工法の限界耐力計算だけでは、無理があるので、金物を見えない様に使用します。
 

浄土院本堂建設工事で工夫した点を教えて下さい

 
構造的には、屋根はプロテクト工法、本体構造は現基準法を満たす様、耐力筋交い、耐震金物を使用しました。
 
建設場所が山里にありますので、周りの風景に溶け込む様に、屋根をむくりどこかに茅葺のイメージを持ち、地域の皆様の交流の場所、地域のシンボルになる様に設計しました。
 

 

I寺本堂で工夫した点を教えて下さい

 
地下収蔵庫及び基礎の立ち上げ、耐震性
(I寺は川沿いにありますので、大雨や台風に備え、基礎を高くしてあります。)
 
地下収蔵庫は、シェルターにもなりえる様に設計してあります。
 

I寺本堂の屋根はプロテクト工法ということですが、どのような工法ですか?

 
地震に対して屋根瓦がずれ落ちなく安全。安心な工法です。
 

貴社に寺院の設計を依頼するメリットを教えて下さい。

 
寺院設計の経験が豊富である事。
父親が大工の棟梁であったので幼少期から木に触れることが多く、経験上、木の性質を活かし適材適所に木材を使い無駄のない設計が可能である事。
 
寺院の建設において、檀家様のご協力は不可欠であり、檀家様の中で作られた建設委員会などでも、豊富な経験からアドバイスが出来る事。
特に資金面集め運営の方法、建設委員会の会議の参加等でお施主様、檀家様の橋渡しの役目を担うことが出来る。
 

寺院を建てたいと思っている方になにかアドバイスがありましたら教えて下さい

 
檀家様達のご理解を得ることが最優先。
寺院の後継者不足及び檀家離れが著しい昨今、お寺に人が集まる工夫が必要。
 
イベントを行うのも1つの方法
(菩提寺では、月に2回座禅会を行っています。その中で仏教の話や心の持ち方、音楽など幅広い会で、楽しんでいます。)
 
浄土院様では計画の段階で、人が集まる工夫をしました。
スロープは勿論、広場を設け、時に地元の市場を開催する計画も考慮しました。
 
寺院設計は、資金集めの段階から始まり、長期計画となります。
その間お施主様檀家様と友好なコミニュケーションを取ることが出来れば7割成功となります。
 
寺院の規模、敷地形上、檀家様の年代層等、設計以外の配慮も大切です。
弊社は、その点どの作品も完成後に喜んで頂いております。
安心してお任せください。
 
寺院の実績により、先日はある宗教団体様の道場のご依頼を受け賜りました。
何なりと、ご質問お申し付けください。
 

有限会社 山梨一正建築設計事務所 山梨正臣さんの寺院・設計事例

 

画像 建物の名称 紹介文
I寺本堂

老朽化による雨漏り等もあり、耐震性にも不安がありました。檀家の皆様の協力もあり、数年をかけて建設費を確保。天蓋も従来のものを使用しました。(クリーニングをし生まれ変わりました。)建設費のバランスを考え節約すべき所、初期投資をしっかりすべき所に配慮しました。

浄土院本堂建設工事

耐震性を考え、当初は金属屋根の様な軽い材料を取り入れました。しかし檀家様達から、重厚感のある瓦屋根にしたいと、ご要望があり、瓦屋根に決定をしました。そこで、屋根工事はプロテクト工法を取り入れ、安心安全な措置を致しました。高齢の檀家様の為にスロープを設け、室内はフラットです。