日常の生活の中に別の価値を感じ取れる小さい家・井戸健治建築研究所 井戸健次さん
敷地が小さい場合新しい住まいに対してたとえ多くの要望があっても、その中で自分たちにとって何が一番重要かを割りきって考えることができます。
小さい家について井戸健治建築研究所 井戸健次さんに伺いました。
貴社が小さい家を手がけるようになったきっかけがありましたら教えてください
大阪市内で設計事務所を構えていた時に、クライアントは大阪市内に住む予定の方が多く、大阪市内で戸建て住宅を建てるとなると、コスト上どうしても狭小地になってしまいます。
小さい家のメリットを教えてください
小さい家というよりも、敷地が小さい場合のメリットは、クライアント自身が新しい住まいに対してたとえ多くの要望があっても、その中で自分たちにとって何が一番重要かを割りきって考えることができることだと思います。
小さい家のデメリットを教えてください
小さい家というよりも、敷地が小さい場合のデメリットは、必要な諸室を確保しようとすると3階建てになってしまいます。
3階建ての場合は昇り降りが大変になります。
小さい家の間取りで注意している点を教えてください
小さい家だからといって、建売住宅や住宅メーカーの様に部屋を沢山とることや、各部屋をできるだけ広くとることよりも、如何に日常の生活の中に別の価値を感じ取れるか(例えば、自然の光の移ろいを感じ取れるなど)を大切にしています。
小さい家の外観で注意している点を教えてください
小さい家に限ったことではないですが、色々と飾り立てないようにしています。
デザインとは飾り立てることではないと思っています。
できるだけシンプルに建物の構成(内部の成り立ち)が外部にそのまま現れるようにしています。
小さい家の費用はどれくらいでしょうか?
大きい家と比較すると坪単価は多少高くなると思います。
木造で75万円/坪~、鉄骨造85万円/坪~、鉄筋コンクリート造95万円/坪~を目安にしてください。(消費税は含まず)
勿論、もっとローコストにすることも可能ですが、ローコストにするための方法をご一緒に考えていくことになります。
小さい家のインテリアで注意している点を教えてください
空間がどうしても狭くなりますので、白など明るめの色の壁や天井にして広く感じるようにします。
都市部の狭小地の場合は、プライバシーを確保しながら如何に自然光を室内に取り込むかをいつも気にかけています。
House Fの図面
House Fで工夫した点がありましたら教えてください
クライアントは北欧の家のような感じを求めていました。
そこで、木と塗装の壁による静かで柔らかな空間を目指しました。
明るい室内、開放性のある空間を確保した上で、密度のある空間とめりはりをつけました。
2階のリビング・ダイニングの上部に大きな吹抜けを設けるために、梁材を横に使って構造上風圧を受けることにしました。
キッチンのカウンター材をその梁と同じ素材にして空間がシンプルになるようにしました。
House in Tamatsuの図面
House in Tamatsuで工夫した点がありましたら教えてください
敷地面積が13坪しかなく、北側以外3方向が建物に囲まれている状況で、自然光を取り入れるためにトップライト(天窓)を有効に使いました。
また、コスト上安くするために木造にしなければならなかったのですが、木造の場合、耐力壁が建物内部に必要になり、通常広い部屋をつくるのが難しいです。
しかし、建物間口側の外壁を2重壁にし耐力壁を集めることによって、2階のLDKを広くとりました。
土地が見つかっていない場合でも問い合わせしていいのでしょうか?
候補に挙がっている土地を購入される前に一緒に見に行ったり、関連法令を調べたり、近隣の地盤調査をするなど、購入される前のお手伝いは無料でさせていただきます。
それは、擁壁・地盤改良等、購入後に予算に大きな影響を及ぼす可能性があるためです。
また、資金計画についても、経験豊富な住宅ローンアドバイザーが最適なローンをご提案させていただきます。
小さい家を建てたい方にアドバイスがありましたらお願いします
一見ネガティブな土地でも工夫によって想像もしなかったような空間が生まれることもあります。
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