ゲストがリピートしたくなる旅館・有限会社 ディー・アーキテクツ 土居英夫さん
旅館に限らず、商業施設ではゲストがリピートしたくなるような空間づくりが必要です。
旅館について有限会社 ディー・アーキテクツ 土居英夫さんに伺いました。
貴社が旅館の建物を手がけたきっかけがありましたら教えて下さい。
当事務所がテレビ番組において手掛けた伝統工法の住宅リノベーションをご覧になり、
運営されている旅館に関する相談にお越しになったことが最初のきっかけです。
そして、その旅館は関西で人気の高い城崎温泉にあるということで、基本的には和風建築の良さを踏襲したいというイメージを持たれていました。
そこで、建築家を選定するにあたっては、和風建築を手掛けている京都の建築家にお願いしたいと考えられていたようです。
旅館の平面計画で注意しているポイントを教えて下さい。
本件は新築ではありませんので、計画際しては、既存の施設を機能させながらリノベー
ションすることが求められました。
また、城崎温泉の中でも比較的規模の大きい旅館ということもあり、旅館全体における調査、コンセプトの立案等をおこなったうえで全体構想案をまとめました。
その全体構想案に基づき、何期かに分けてリノベーションをおこなう計画となっていますが、基本的には主要構造部を変更しない範囲で、コストや工期を考慮した無理のない平面計画としています。
旅館のデザインで注意しているポイントを教えて下さい。
旅館に限らず、商業施設ではゲストがリピートしたくなるような空間づくりが必要と考
えます。
それは、京都の社寺仏閣に見られるように、自然や庭との関係性を重視し、四季
を感じることができる空間づくりをおこなうということです。
本件では城崎の自然をテーマとした「借景」と「ジャパニーズモダンスタイル」ということをコンセプトに空間づくりをおこないました。
また、ゲストを30代から40代の比較的若い家族層をターゲットとしています。
旅館の客室設計で注意しているポイントを教えて下さい。
特に客室で食事を提供する旅館においては、食事が美味しく感じられるような空間づく
りをおこなうことが重要です。
具体的には、使用する仕上げ材料は内装制限等に配慮しつつ、可能な限り自然素材を使用しています。
また、照明の使い方についても陰影のある空間となるよう計画し、普段とは異なる空間づくりをしています。
また、テーブルや座椅子等の家具、什器、備品、床の間やニッチになどに設ける装飾品の掛軸や一輪挿しなどについても総合的にプロデュースし、そこに旅館のコンセプトや個性が表れるよう工夫しています。
旅館の共用部の設計で注意しているポイントを教えて下さい。
エントランスホール、レセプション、ロビー、ラウンジ等は訪れるゲストにとって、旅
館のファーストインプレッションとなる空間です。
従って、建築やインテリアデザインだけに留まらず、家具、備品、装飾品やそこに活け込まれる花等もイメージして空間づくりをしています。
また、くつろぎの空間となるラウンジにおいても、その旅館の個性がさりげなく表現されるデザインを提案しています。
旅館設計を貴社に依頼するメリットを教えて下さい。
当事務所では新築、リノベーションに限らず、最初にクライアントが考えておられるこ
とや、悩んでおられること等をお聞きします。
そして、その言葉の中からキーワードを抽出し、プロジェクトのコンセプトを導き出しています。そして、そのコンセプトを踏まえ、全体構想案を作成し、クライアントとの設計に関するイメージを共有していきます。
また当事務所では、先にも延べましたように、建築とインテリアの設計のみならず、家具、什器、備品、装飾品、庭園、グラフィックデザインに至までを総合的にプロデュースします。
Yuraku Kinosaki Spa & Gardensは旅館のリノベーションのようですが新築を依頼することも可能でしょうか?
もちろんです。
新築計画の場合においても、クライアントとのコミュニケーションを十分に図りつつ、全
体構想案を作成することから始めます。
そして、他の旅館と差別化するためのコンセプト、建築空間、インテリア空間、庭園についても提案させていただきます。
旅館の設計において最も重要な要素は、建築と外部空間(庭を含む自然や風景)との関係性にあると考えています。
土地購入前の相談にものっていただけますか?
もちろんです。
先に延べましたように、土地の特性や自然を含む周辺環境は旅館を印象づける大切な要素
のひとつです。
そして、計画地の選定にあたっては、土地の特性、法的規制、災害情報に至までを調査しなければなりません。
そのうえで、基本構想案を作成し、概算予算を作成してプロジェクトの実現性についての検討をおこないます。
旅館を建てたい方になにかアドバイスがありましたらお願いします。
旅館を訪れるゲストは、普段生活している日常から離れ、最高のホスピタリティーを求
めてやって来ます。
そこにはおいしい料理や食べ物があり、リラックスすることができる施設があり、非日常的な空間があり、周辺には魅力的な自然や観光するところがある。
それらはある意味当たり前のことではありますが、それらをより一層魅力的にするのは、旅館を運営する側のおもてなしと、建築家が創り出す空間とがうまく融合した時に生まれるのではないかと考えます。
有限会社 ディー・アーキテクツ 土居英夫さんの旅館・設計事例
画像 | 建物の名称 | 紹介文 |
---|---|---|
城崎温泉湯楽(第2期) | 借景と和モダンの空間をコンセプトとした旅館にリノベーション。 | |
城崎温泉湯楽(第3期) | 壁面グラフィックをグラフィックデザイナー佐々木まなび氏に依頼。 |
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