自然素材・建築家インタビュー・環境創作室杉 杉 匠一さん


 
家を新築したことが原因でシックハウスに症候群という病気になる方がいるそうです。
自然素材を使うことでシックハウス症候群を防ぐことが可能になります。
自然素材を使った建築を得意としている建築家の環境創作室杉の 杉 匠一さんにお話を伺いました。
 
 
 

お話を伺った建築家

 

ユーザー 環境創作室杉 杉 匠一 の写真
船橋市藤原8-9-1
047-429-6710

 

貴社が自然素材を使うようになったきっかけがありましたら教えて下さい。

 
もともと自然素材固有の優しい質感、風合い、手触りなどがシックリときて、ビニルや樹脂のペカペカというかベタッとした感じは好きではなかったのです。
両親の田舎の家などが好きでした。
同じ家をとは思いませんが、その良さは継承すべきだと思っています。
 

自然素材のメリット・デメリットを教えて下さい

 
メリットとしてよく言われる点は、地球と身体に優しい事です。
将来廃棄する際まで含めて環境への負荷が少なく、密閉された空間で直接触れても身体への負担が少ないと言えます。
 
建材としての性能面で特筆すべきは、呼吸に似た様な働きをする事でしょう。
建物内部、特に住宅では家電や機器からの排気・排熱、人やペットからの二酸化炭素などにより、思いのほか汚染されたり湿気にさらされています。
そのコントロールは通気・換気計画と合せて内装材の選択も大きく影響します。
高気密化が進んだ中では尚の事です。
 
加えてメリットを挙げると、建材としての実績ではないでしょうか。
木材にしても紙や石にしても、数百年前から使われきた材料なわけですから、施工上もメンテナンス上も先人による膨大なノウハウが蓄積されており、正しい知識と認識さえあれば問題が発生した際も安心だと思います。
 
デメリットを挙げるとすれば変化です。
新築時と同じ状態を維持することは出来ません。
これは当然のことだし新建材でも同じですが、自然素材の場合は、より顕著に早期に実感すると思います。
例えば、木や紙は季節の変わり目、湿度の違いで伸びたり縮んだりします。
フローリングの継ぎ目が広がったり縮まったり、壁の和紙が弛んだりピンと張ったり・・・
 
また、床や壁など直射光が当たらずとも焼けて濃く変色してきます。
アルカリ分と木材に含まれるタンニンが反応して黒ずんだりすることもあります。
柔らかい床材の場合は直ぐに傷もつくでしょう。
簡単に緩和出来る事もあれば、特性として上手に対処していくしかない事柄もあります。
 
メリットに戻ってしまいますが、新建材と比較して年数が経ってからの方が良い意味での違いが出てくると思います。
新建材の多くがピカピカの状態から少しずつ曇っていき見苦しく朽ちていくの対して、自然の素材はハッキリと変化を感じながら、将来「大分良い味が出てきたなぁ」と永く付き合っていけると思います。
 

 
 

自然素材の家で注意する点があれば教えて下さい。

 
仕上げ材として検討する場合は、実物か出来るだけ近いサイズや条件でのサンプルを用意してもらうと良いでしょう。
小さなサンプルや異なった方法や職人が作成すると、実物とは全く違って感じることも多いと思います。
 
もう一点は、掃除やお手入れの方法だと思います。暮らしの一部分ですよね。
先のメリットとデメリット、その他の特性も理解した上での設計や施工である事と、それらを住まい手として共感出来ていれば心配無いかと思います。
 

自然素材の断熱材はあるのでしょうか?

 
自然系まで含めれば沢山あると思いますが、選択はなかなか難しいですね。
100%自然素材が多いのはウールや炭化コルクが代表的ですが、価格面で見送ることが多いです。
以前は樹皮をコーンスターチで固めた物に興味があって使用法の詳細を検討したのですが、色々と不安の方が多くてあきらめました。
そもそも断熱材自体が比較的新しい概念・部位なので、先にメリットとして挙げた建材としての実績は新建材も含めて浅いものしかありません。
 
私はポリエステル繊維の物を採用することが多いです。
自然素材ではありませんが、ポリエステル繊維同士を熱融着しているので、虫害の不安が少なく、防虫剤や接着剤など不安な成分が不要な事、透湿性が高く通気性が良い事・・・などが採用理由です。
チョイと面倒なペットボトル(PET繊維になる)のリサイクルもヤル気が湧いてきます。
断熱材に関しては無理に自然素材を使う必要は感じていません。
 

 

自然素材のクロスというのはあるのでしょうか

 
まず先に、クロスという事であれば、貼る際に裏面にベッタリ糊というか接着剤を使いますので、化学物質に過敏な方はその影響の方を重視すべきだと思います。
当事務所で超ローコスト設計の場合は、土佐和紙という商品をクロス屋さんに貼ってもらうことが多いです。普通のクロス貼りに近い作業で貼れるのでリーズナブルです。
 
クロスとは言えませんが、和室などで予算が許せば、気に入った和紙を買ってきて、経師や表具の職人さんに重ね張りしてもらうこともあります。
上張りが透けて下地の和紙がうっすら感じたり、障子と揃えて一体的したり、適度な透け感が魅力的です。
重ねた継ぎ目も水筆で喰い裂きながら張ってもらうと美しく仕上がります。
 

おすすめの自然素材の建材を教えて下さい

 
良い職人さんが手配出来れば、漆喰などをベースにオリジナル配合した左官壁がお勧めです。
独創性に富み暮し始めてから高い充足感が得られると思います。
自宅内壁は貝灰漆喰と砂と土などを混ぜて、表情を付けながら仕上げてもらいました。
左官は良い職人さんが特に減ってしまっているようです。
 
あとは杉の赤身部分の縁甲板も良く使います。
杉は日本を代表する木で豊富です。
節を気にしなければ長くて厚い材料も比較的安価です。温かくてサラッとしていて、冬でも夏でも素足が気持ち良いです。
 
木にとっても人肌にとっても木材は素地のままが一番かと思いますが、防汚や色合わせの為にブレーマー社の自然素材100%の木材用オイルを塗ることが多いです。
全成分が安心できる塗料の中では大変リーズナブルです。
将来の塗り重ねなど、子供さんでも安心して簡単に出来るのでお勧めです。
 

 

自然素材の家を建てたいと思っている方になにかアドバイスがありましたら教えて下さい。

 
日本の風土には木材や紙、土などが適しており、本来は建材のスタンダードです。
反面、扱いが楽で施工手間が掛からず大量生産も容易な建材が多用され過ぎてきました。
いつしかこれらがスタンダードのようになってしまいました。
 
確かに新建材による恩恵に浴した面も多いのですが、少なくとも住宅内部空間に於いては自然素材の方が適していると思います。
是非その良さを体験して頂ければと思います!
 

環境創作室杉 杉 匠一さんの自然素材の家・設計事例

画像 建物の名称 紹介文
東中沢の家

この敷地の難点は接する道路の交通量の多さ。そこで道路側は格子や塀で囲み開口も控えめに、反面隣地側は中庭や緑化テラスを緩衝帯として大きく開放して明るく広々とした空間としました。

芸術家夫婦の家

単純な骨組み・無駄の無い構成・簡素な仕上げでコストダウンを徹底しつつ、アトリエの土間床から家中を暖める温水床暖房を採用しています。建主とご友人の作家さん共作のステンドグラスは、建物の象徴的な存在となりました。

前貝塚町の家

変形した土地を逆手にとった配置で日照を確保し、散策路のようなアプローチ動線で敷地を繋ぐ計画です。建主待望の薪ストーブ、その余熱を床下から全体に循環させるシステムを採用しています。土間は残土を配合した三和土風仕上で、建主家族による自主工事です。

下貝塚の小さな家

建主ご夫妻はアメリカでの暮らしを経験されており、そこでの生活感は独自のものがありました。昔ながらの日本の家の良さにも共感をもたれ、それでいて自分たちにとって暮らし易いスタイルを取り入れる!コンパクトにローコストで!これらが今回の家造りの主題となりました。

仁戸名町の家

玄関アプローチから堀座卓に至るまで、日常生活動線で外とのつながりを回遊するかのごとく愉しむプランです。床下~全館暖房システムも採用しています。造園・外構デザインまで手掛けました。

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